観客からは何が本当なのか、誰が敵なのか分からない。


それがイタリアの猟奇スリラー“ジャッロ”の様式美なんだと思いますが、全編通して観ると、ラスト以外のベティには無防備すぎ・人を疑わなさすぎな所が目立ち、某巨大掲示板少女漫画板で「バキャロル」呼ばわりされるあの娘の姿がダブります。


( ̄ー ̄)v-『王家の紋章』のキャロルちゃんね。お前なんべん現代と古代エジプトを往復して、その都度騙くらかされてピンチに陥ってんねん?


あまりにも連載期間が長いため、昔はハラハラドキドキしていた乙女な読者が既婚女性(鬼女)板の住民化。同性の目ほど厳しいモノはない「ちったあ学習しろ!」ってツッコミは、正直分からなくもありません。


(; ̄ー ̄)v- 無垢だけはね、失ったら取り戻せませんから。。。


そんな「見ていて危なっかしい」ベティちゃんは、きっと殿方から見れば「守ってやりたい」女の子なんだろう。嗚呼ああ、あたしゃドコで人生踏み間違えたんだ? 途中からは自発的にツイスト踏んでたわ。。。


-v( ̄ー ̄) おっさんの心を持ってしまった昭和の乙女には、こんな見方もできるんすよ。ベティちゃんは庇護欲をそそるけど、その分「ちょっと怖がらせてやろう」とも思われやすいんじゃ。


-v( ̄ー ̄) お化け屋敷に連れて行ってキャーッ!と抱きつかれるのを期待するノリで。


マーク氏の「外から誰かが双眼鏡で覗いてた」は、電話ボックスが無人なのを見た観客には「まさか」を想起させる。本当にいたにせよ、もっと穏便な伝え方はある……


ヾ( ̄○ ̄;)ヾ ……………………。


ベティは急に怖くなり、玄関ドアの丸い覗き窓から外を窺う。これがまたスタイリッシュな構図なんですが、窓の向こうには抱擁する男女の姿がありました。


( ̄○ ̄;) あなた、誰なの?


電話ボックスからアパートの中に入って来たのかも。ベティは恐る恐る、ドア越しに声をかけます。


「私に言ってるの? ここの住人よ」


男性の方は送ってきた人らしく、すぐに視界から消える。残った女性はドアを見据え、堂々と答えます。


(* ̄○ ̄) うるさいわね、何でもないわよ。


ベティよりずっと年上の成熟した女性は、昂然とそう言って自分の部屋に戻っていく。どうやら生活パターンがベティと違い、昼間に顔を合わせたことが無い。未だ緊張した面持ちで覗き窓を睨むベティに、マーク氏が「ただのお隣さんだろ」と囁きます。


( ̄○ ̄) 俺は帰るが、ドアにはチェーンをかけておけよ。


マーク氏はそう告げて去り、ひとりになったベティはベッドに座ってうなだれる。


♪ジリリーン!


p( ̄○ ̄;) ……だれ?


無言。


p( ̄○ ̄;) マーク? あなたなの?


無言。


思えば急遽代役を薦められた時も、不審な電話がかかってきた。ベティは受話器を置き、背中を丸めます。


( ̄□ ̄;) ……あんな役、受けなきゃよかった。


( ̄○ ̄;) 断るべきだったのに。


(T□T;) 自業自得だわ…………


ひとりですすり泣くベティ。しかしそんな彼女を、誰かがどこかから見つめています。


「泣かないで、ベティ」


「お願い」



小さな女の子の声だった。
どこにいる? どこから見ているんだろう?