さあ来たぞ、ジャケに偽り無し。というか偽りという概念が無い。アルジェント御大名物「美少女いたぶり」が開幕です。


テープに並べてくっつけられた縫い針は一対あり、謎の男は注意深くそれをベティの目の真下に貼りつける。


「よく見てろ」


くぐもった低い声は冷静でとりつくシマもない。恐怖に限界まで見開かれたまぶたに触れるか触れないかのギリギリの位置に、細く鋭い切っ先が固定されました。


「目を閉じると、針がまぶたを貫くぞ」


そんなの言われなくても分かる。体と頭を柱に縛りつけられて、外そうったって外せない。言われたそばから早くも上まぶたに血が滲む。まばたきしたくないけど、それだけはしない訳にはいきません。


(; ゜□ ゜) …………………………!!!


口も塞がれていて叫べない。ステファノはどこ? 助けを呼べない……


( ̄○ ̄;) ベティ?


そこにようやく、ティーセットを掲げて戻ってくるステファノ君。謎の男は姿を隠し、ステファノ君は柱に縛られたベティを見てポカンと立ちすくみます。


(; ゜д ゜) !!!


ベティからは見えていた。ステファノ君の背後にいた謎の男がいきなり正面に回り、彼の喉にナイフを突き刺す。ステファノ君は悲鳴をあげる余裕もなく床に倒れ、馬乗りになった男が続けざまにナイフを突き立てる………


ザクッ、
ザクッ…………


(; ゜□ ゜) ………………………………………………!!!


目を閉じられない。閉じたら上まぶたが大惨事になりますが、無理やり惨劇を直視させられるベティの心は既に大惨事。いったい何なの? なんでこんな事になってるの?………


床は血の海になり、ステファノ君が動かなくなった。ベティは謎の男が身を起こし、自分に近づいてくるのを見て総毛立ちます。


殺される……


(; ゜д ゜) !?


一瞬それを覚悟した。男はナイフを彼女に向けますが、切っ先は胸元から下を舐めるようにゆっくりなぞり、拘束していたロープを断ち切ります。


「ベティ」


震える彼女を見下ろして、男はねっとりとした口調で囁きます。


「お前は不感症なのではない。本性はみだらな女なのだ」



そして背を向け立ち去る謎の男。ベティは震える手で「まぶた拷問具」を剥がし捨て、慌ててそこから逃げ出します。