さあ、モノホンの舞台の幕が上がる。ミラノのスカラ座(Teatro alla Scala)とは1778年に開場された国立歌劇場で、観客収容数は3600。こけら落としは『アマデウス』でお馴染みのサリエリのオペラだったそう。
( ̄ー ̄)v- イタリアオペラの殿堂にして最高峰。ヴェルディの『オテロ』、プッチーニの『蝶々夫人』の初演もここで、今もなお現役バリバリのセレブの社交場。壮麗なたたずまいは伊達じゃないっす。
オーケストラボックスで指揮者がタクトを掲げ、カメラはその頭上の巨大シャンデリアを仰ぎ見る。舞台では深紅の緞帳がゆっくり開き、演出家のマーク氏が腕をふるった舞台装置が現れます。
( ̄ー ̄)v- オープニングでプリマドンナのマーラさんが「これはあなたの低俗な映画とは違うの!」と怒ってましたが、マーク氏の本業はホラー映画監督なんですね。
ホラー映画監督で舞台演劇などに関わる人は稀にいて、米国のスチュアート・ゴードン氏はもとが劇団の演出家。英国のクライヴ・バーカー氏は初めは劇作家。あとは演劇のセットで1作撮り抜いた(『ドッグヴィル』)ラース・フォン・トリアー氏とか。
( ̄ー ̄)v- なんか畑違いかと思うんですが、古典オペラのセットから衣装からオール現代劇って舞台は別に珍しくないみたい。面白いですな。日本のスーパー歌舞伎みたいなものだろうか。
ヨーロッパでは歌手・楽団がヘボいと観客席から情け容赦なくブーイングの嵐が向けられるそうですが、舞台演出家に限っては「それは勲章だ」と受け取る向きがあるのだそう。
( ̄ー ̄)v- 傾奇者ですな。可もなく不可もないよりは、ブーイングを喰らった方が名誉なんすね。
さて、古典中の古典劇における演出家・マーク氏の手腕はいかに。『マクベス』の公式設定は、紀元1040~57年のイングランドとスコットランドの国境あたりなんですが………
黒を基調にした、空爆直後みたいな廃墟。それを見下ろす大きな髑髏(どくろ)。これはまた景気よくまがまがしい……