外はいいお天気で、あの修羅場が嘘のよう。ケイトちゃんは黒煙を上げる店を茫然と見つめ、セス兄貴は肩を落として呼吸を整えます。
( ゜д ゜) 何を大騒ぎしてたんだ?
ワケが分からず、キョトンと尋ねるカルロスさん。それを聞くなりセス兄(にぃ)覚醒。猛然と振り返り、マッハパンチ炸裂きたーーー!!
ドカッ!!
カルロスさんは後ろにつんのめり、用心棒が反射的に銃を構えますが、セス兄貴は一気にまくし立てます。
ヾ( ̄□ ̄;) どうしてあんな店を待ち合わせ場所にしやがった!?
(; ゜д ゜) ……何か問題でも?
殴られても意外と懐が広いカルロスさん。彼はセス兄貴に「中に入ったことあんのか!?」と問われ、一度もないと答えます。
( ゜д ゜) 前を通った事があるだけだ。朝までやってるし、何かと都合がいいと思って……
( ̄□ ̄;) ……………………………。
頭に来すぎて言葉にならないセス兄貴。また殴りつけるには心身共に疲れすぎていて、それでも頭の中では百万語が渦巻いてます。
ヾ( ̄□ ̄;) お前のせいで弟が死に、彼女は家族を全員失ったんだぞ!
離れた場所で放心してるケイトちゃんを指差して怒りをぶつけるセス兄貴。ええと一家を人質にして連れてきたのは兄貴なんですが、今はその辺キレイに飛んでる。悪党なのに、めっさ真っ当な抗議に聞こえます。。。
(; ゜д ゜) 中に殺人鬼でもいたのか?
何となく「大変だったのか」と飲み込み始めるカルロスさん。いやウチの国は武装麻薬組織の構成員が警官上がりだったり特殊部隊上がりだったりするもんで、並大抵の殺人鬼では驚けないケド……
( ̄□ ̄;) 中にいたのは吸血鬼だ。殺人鬼は太陽の光を浴びて爆発したりしねぇ。
ますますセス兄貴がまっとうに見えてくるこの不思議。とにかく怒りまくってるとは分かったカルロスさんは、「埋め合わせはするよ」と呟きます。
ヾ( ̄□ ̄;) 弟は死んで、もう生き返らねぇ。どんな埋め合わせでも追っつかねえ!! お前の取り分を半分の15%にしろ!
まっとうじゃなかった。銀行強盗で奪ってきた現金の30%を渡してメキシコで便宜をはかってもらう約束でしたが、この断崖でソコか、値切るのか!!
(; ゜д ゜) 25%で。
-v( ̄□ ̄;) あんたもか!!
悪い人は話が早く、なおかつ大事なコトは忘れない。サクサクと商談成立し、セス兄貴はケイトちゃんに「キャンピングカーからスーツケースを取ってこい」と指示します。