書いてるうちに行きたくなり、周囲に話せば「なんでわざわざ」と確実に言われる愛知県犬山市・日本モンキーセンターへ行ってきたでござるの巻。


(; ̄ー ̄)v- ニホンザルが身近にいるため、つい「世界中のお猿さんがいる」という有り難みを忘れがちになる猿専門の動物園。〇十年ぶりに行きました。


雨でちょっと寒かったため、肝心のお猿さん達も割と身を寄せ合って隅の方に固まってオフモード。中央のビジターセンターという所に剥製がたくさん展示されており、わたくしちょっとビビりました。


(; ゜Д ゜)v- ……チンパンジー先輩とオランウータン先輩、こんなにデカかったっけ?


しまった、志村動物園でパン君を見慣れすぎた。まっすぐ立てば身長150cmって、私と同じくらいじゃないか! 大阪海遊館でフルサイズのラッコを見た時の「これじゃない感」を上回る衝撃。やはり類人猿と呼ばれるだけの事はある。戦ったら負けるでしょコレ。


( ̄ー ̄)v- 棲息域ジャストフィットのハヌマンラングール先輩もデカかったです。やはり長い尻尾とスリムな手足が惜しいかなぁ。雪男的には。


棲息域が見事にヒマラヤも北米も外れている西ローランドゴリラが、やはり見るからに「これであってほしい」感。立ち去ろうとする度に「グォオ……」「ゴフォ……」という重低音の唸り声をお上げになり、わたくし歓喜いたしました。変な人ですね分かります。


学術的な展示物もたくさんありまして、エチオピアで発掘されたアウストラロピテクス・アファレンシス《ルーシー》の化石骨のレプリカや、中国で発掘されたシヴァピテクス(オランウータンの祖先)の頭骨レプリカ、そしてタンザニアのラエトリ遺跡で発見された初期人類の足跡のレプリカが興味深いです。


( ̄ー ̄)v- 火山が噴火した後のドロドロの地面がアスファルト状になり、そこを3人の初期人類(アファール猿人)が歩いた跡。約360万年前のもので、おそらく親子連れ。足跡の大きさは26・21・18cm。身長は140~110cmで、脳の容積はチンパンジーほどだそう。おそらく《人類最古の直立二足歩行の跡》とのことでした。


-v( ̄○ ̄;) やっぱりヒトの歴史はアフリカから始まったんだなぁ。


そして何ともイキな計らい。記念写真用なのかきっちり「ヒト」の檻がありました。棲息域は地球のほぼ全域。音声によるコミュニケーションが盛んで、食べ物を加工して保存したりするetc. 何か新鮮ですよね。


( ̄ー ̄)v- 学名ホモ・サピエンス。現段階ではホモ属(ヒト属)の最終進化系。「すまないがホモ以外は帰ってくれないか」と言ってたら、いつの間にかホモ・ハビリスやエレクトスにまで帰られてしまった感が無きにしもあらず。


ハイ閑話休題。すっかりこれが定型文になってしまいました。


鈴木紀夫氏の遺体を見つけたというボガラの村のサマラルさんは、普段は放牧が主な仕事だそう。今日は鈴木氏と親しかったキルティさんの息子ともう1人の若者を連れて、薬草採り&カモシカ猟に来たとの事でした。


( ̄○ ̄;) この辺にバンマンチェはいるのか?


ヾ( ゜∀ ゜) ツァー!(いるよ)


一応尋ねる角幡氏にサマラルさんは力強く頷いて、稜線キャンプがある方向を指差します。


( ゜∀ ゜) 今年の7月、あの尾根の雪が消えるあたりで見たぞ! ヤツは尾根の上から俺たちを見下ろし、そしてどこかへ消えた。大きいぞ、3mはある。顔もこんなんだ!


これはB級ホラー映画的に非常にいい反応。呼ばれもせんのにキャンプまで来て話してくれるのも、実にすがすがしく頼もしい。


( ̄○ ̄;) でも、全然見つからないよ。


( ゜∀ ゜) ポシブル!


どこまでもフレンドリーなサマラルさんは、「見つけられる!」と強い口調で断言します。


( ゜∀ ゜)/ ヤツらは夜中に動き回り、昼は岩の下で寝てる。朝早くなら眠りに戻るところを見つけられるかもしれない。


ポシブル!が「かもしれない」に変化したけどサマラルさんは気にしない。彼は翌日もやって来て、「カモシカはいなかったけど、ニジキジを1羽獲って食べてきた」と語ります。


( ̄○ ̄;) 獲物を分けてくれるって言ったのに。


( ゜∀ ゜)/ バンマンチェを見つけたら撃っておくよ!


明るいなオイ。北米の真面目なビッグフット研究者は、あまりに人間に似てるから「見つけたら撃つか撃たないか」でけっこう揉めてはりますでぇ。


角幡氏はサマラルさんが数年前にフランスの登山隊にポーターとして雇われた時、30cmほどの大きさの足跡を見たとも聞きます。


( ゜∀ ゜) 俺は最初は何の足跡か分からなかったけど、他のポーターが「バンマンチェの足跡だ」と教えてくれたんだ。


あれ? キャラバンの時には地元の皆さんの反応は「いないよ」のほぼ一択だったのに、何か感触が違ってきたぞ。角幡氏は他にバンマンチェを見たボガラの村人がいないか尋ねます。


( ゜∀ ゜) いや、見たのは俺ひとりだ。他の村人はスズキのフォトを見ただけだ。


( ゜∀ ゜) スズキは初めてコーナボンにやって来た時、バンマンチェの写真を撮った。次に来た時、その写真を村人に見せた。俺は見てないが、キルティは見たぞ?


鈴木氏が写真を村人に見せたのは事実だった。やはりダウラギリ山麓に広まった雪男の話は、鈴木氏が村人に写真を見せたことに端を発したのだろうか? 角幡氏には「芳野満彦氏や鈴木氏の目撃談に伴うリアリティと地元民の証言の間には、説明不能な深いギャップがある」ように感じられてなりませんでした。


( ̄○ ̄;) ……地元民が聞いたこともないような大型動物を、日本から来た登山家が突然に目撃するなんてことがあり得るだろうか?


実際、サマラルさんの目撃談には明らかな誇張が含まれていた。彼も間近で目撃した訳ではないのに、顔の様子まで克明に語っていたからでした。角幡氏はデジタルカメラに保存していた「鈴木氏の写真」をサマラルさんに見せてみます。


( ̄○ ̄;) これが鈴木の写真だ。バンマンチェはこんなに小さくしか写ってない。


( ゜∀ ゜) おう、スズキのワイフがあんたにあげたのか?


サマラルさんはさして気にした様子もなく写真を見つめ、ちょうどその時崩壊したミャグディマータ直下の氷河が雪崩となって落ちていく山肌に目を向けます。


( ゜∀ ゜) 俺はあなたの友人だ。名前を教えてくれ。


角幡氏がノートにアルファベットで綴りを書くと、サマラルさんはこう言います。


( ゜∀ ゜) 今度ここに来る時は、このサマラル・プンを頼ってくれ。ところで、スズキのワイフは死んだのか?


( ̄○ ̄;) いや。


( ゜∀ ゜) そうか。俺はスズキのワイフと一緒に写真を撮ったことがある。その写真は今も家にある。


( ゜∀ ゜) あなたはスズキのように体が大きい。だからきっとまたここに来るだろう。



そしてまたサマラルさん達は山にカモシカ撃ちに向かう。「またここに来る」というあっけらかんとした予言は、後に本当になりました。