( ̄□ ̄)v- …………


( ̄□ ̄;)v- ………はっ!


いかんいかん、準備中から抜けられない。今日ちょっと「茨城県で長さ4m、直径20~30cmのヘビ目撃!」というヘビーなニュースを見てしまい、いろいろググりまくっておりました。(直径やばくないですか、巨大なツチノコならたぎります)


レビューに入る前にまた図書館でいろいろ漁ったら、ほっこりしたイエティ譚と目撃談の載った本を発見。著書は童話作家さんで、エヴェレストがあるネパールのクーンブ地方で民話を採集されたまとめが本書です。(発行は1999年)


( ̄ー ̄)v- 小学生の時に父親に『日本の民話』って本を買ってもらったんすね。全3巻で、いわゆる「表現をソフトにする前のグリム童話」みたいな内容。北九州の河童が人間の肝の詰まった樽を運んでたとか、そらあもう。


そういった、そもそもは語り伝えの昔話を地道に聞いて書き留めてあるのですが、合間にシェルパ(チベット系の高地民族:遠征登山隊のガイドとしての職能名でもある)の習俗や彼らが信仰するチベット仏教、死生観も語られていて面白いです。


シェルパの社会は男尊女卑で、女が客人に昔話を語るのは本来NGなんだそう。昔話に「仏様が来た時に焦げた料理を出したらキレられて“女は朝早く起きてメシ作れ!”という決まりになった」とか。やだー奥さん、痛恨のミスだわ!


著者がネパールとチベットの国境近くの村で休んでいると、前の年にポーターとして雇ったシェルパがお皿にチョコレートケーキのようなものを乗せて訪ねて来る。ありがたく口にすると(; ゜Д ゜)ファッ!? それはヤクの血が入ったババロアみたいな食べ物でした。


チベット人やシェルパは冬には家畜のヤク(牛の仲間)からちょこっと血を採って、スープ等の料理に入れてビタミン不足を補うのだそう。私もきっとこれは無理。。。


その後著者は同行のシェルパの奥さんが嫁入り時に実家からもらった小屋に泊めてもらい、その奥さんが見たイエティの話を聞く。作家の夢枕獏氏は「シェルパにイェティ見た?って聞くと、みんな見た見たと答える」と書いていましたが、最近の若いシェルパはあまり信じてないみたい。


( ̄ー ̄)v- ご年配のシェルパは存在を固く信じており、「目撃したら災いが降りかかる」と言って話題にするのも嫌うそう。


この奥さんは数年前の冬の夜、この小屋に蓄えておいたジャガイモを取りに来た。すると外から人が叫ぶような声がして、窓から覗くと、明るい月の下を1匹のイェティがやって来るところだった。


(; ゜Д ゜)v- ギャガーーーーーン!!!


ちょうど雪が積もったばかりで、イエティは腰まで雪に埋もれながら掻き分け掻き分け、小屋までやって来た。そして小屋の角に背中を押しつけて、しばらくゴシゴシ掻いた後、また、もと来た道を帰っていった。


(; ゜Д ゜)v- 痒かったのか!!


奥さんはその間明かりを消して、扉にしっかりと鍵をかけてうずくまっていた。彼女が見たイエティは大人の肩ほどの背丈で、頭が三角形に尖っていたという……


著者はほっこりした心地でそれを聞き、「イエティは死神で、足が後ろ向きについているとも、かかとが無いとも言われている」と書いています。


“村人の話によると、イエティには体の大きい《テューティ》と、小さい《ミティ》の2種類がいて、大きい方はヤク食いイエティ、小さい方は人食いイエティなのだそうだ。”


(* ゜Д ゜) イエティという呼び方はヒマラヤの向こうのチベットから来たものと思っていたら、ネパールだけの呼び方らしい。


(* ゜Д ゜) チベットには《テモ》と呼ばれるクマの一種の動物がいて、立って歩くことも手を使うこともでき、主にモグラを食べて岩に洞穴を掘って住んでいるそうだ。そして、人間的な感情の持ち主だとか。


あれ。いろいろいるんだ。クマとの誤認説もカバーできてるわ!


これは現代の目撃談で、なかなか貴重なお話なんじゃ。頭が三角形に尖ってたというのも、UMA本好きには「ほう!」ですねぇ。


そしてイエティ昔話。『タルガ村のイエティ』というこの民話はなかなかほっこりハードです。


“昔、タルガ村の山には、たくさんのイエティが住んでいました。”


冒頭からなかなか景気のいい話。イエティ達は昼間は岩陰から村人のすることをじーっと見ており、夜になると村に降りてきて「人間のマネ」を始めるのだそう。


しかし、村人を真似てジャガイモ畑を掘れば食べてしまうし、大根も麦も食べていってしまう。困り果てたと言うかぶちキレた村人は、ある日たくさんのご馳走と酒を用意して、飲めや歌えやの宴を繰り広げます。


(; ゜Д ゜) お前が悪い!

( ゜□ ゜;) 何だとぉ?悪いのはそっちの方だ!


そして酔っ払いのお約束の大喧嘩。村人たちは取っ組み合い、しまいには刀を抜いて、宴会場は修羅場と化しました。


(; ゜Д ゜) 死んだ奴は川に持ってって捨てちまえ!!


屍累々の宴会場から、生き残った村人たちが死体を運んで川にポイポイ。けれどもこれは全部お芝居で、刀は偽物。村人たちは刀は本物にすり替えて、酒やご馳走には毒を仕込んで引き上げます。


夜になり、イエティの群れが村に降りてくる。彼らは村人を真似て大酒を食らって酔っ払い、村人以上にマジモードの喧嘩を始めます。


(; ゜Д ゜) お前が悪い!

( ゜□ ゜;) 何だとぉ?悪いのはそっちの方だ!


そして刀を持ち出して大乱闘。それは誰かが「死んだ奴は川に持ってって捨てちまえ!!」と叫ぶまで続き、生き残ったイエティは倒れてる仲間が生きていようが死んでいようがお構いなく、片っ端から川に運んで捨ててしまう。


そして残ったイエティも毒が回り、夜明け前にはバタバタと死んでしまう。村人を困らせていたイエティはこうして退治されてしまいました。


“ところがその晩、たった1匹だけ生き残ったイエティがいました。それはお腹に子供を宿していて村に降りて来なかった雌のイエティで、彼女はこの恐ろしい有り様を見て、人間の真似をしたら危ないと思い知り、山の奥深くに身を隠してしまいました。”


“いま、時々姿を見せるイエティは、この時に生き残ったイエティの子孫なのです。”


-v( ̄□ ̄;) これヤバいやん!人間恨まれとるやんけ!!



民話にしてB級ホラー映画チックな《イエティむかし話》。
映画にしたら、出てくるのはこういうヒャッハーなイエティじゃないかしら。