さて、久しぶりにホラー映画を前説から参ります。


( ̄ー ̄)v- ここはデッドカードが飛び交うサッカーゾンビ映画『ゴール・オブ・ザ・デッド』しかないと思ったんすけど、辛うございます怒りくま先輩。このジャケはいま危険すぎでした。


となると前に一度書いたけど、誰得かと言えば俺得の『ザ・ホード 死霊の大群』いっとこう。監督さんが被るのと、こういう笑えないゾンビ映画はわたくしけっこう大好物。。。


( ̄ー ̄)v- おフランスのゾンビ映画でB級っちゃB級なんですが、「私はシャルリ」で盛り盛りのニュースを見た時にふともういっぺん観たくなったんすよね。


ゾンビと言えば大量でナンボ。本作のキャッチコピーは「ゾンビ史上、最強 最多」でしたが、いやロメロ御大の『ゾンビ』の方が多くて強かった。


( ̄ー ̄)v- ゾンビは多くてナンボ………


( ̄ー ̄)v- なぜ?


まあ、映画なら1人や2人ウロウロしてても絵にならないか。現実ならパニックだと思うけど。


( ̄ー ̄)v- 絵に……


そういや『ザ・ホード』の見せ場はやけに絵画的だった。監督さんが意識してそうしたのか分からないけどリリース前からハイライトが紹介されており、諸星大二郎御大の「みんないっしょにぱらいそさいくだ!!」に現在進行形でたぎるわたくし、大歓喜。


-v( ̄○ ̄) 欧州のゾンビ大集合には品があるわあと……


基本はアメリカ産のゾンビ大集合なんですね、発祥地そっちですから。
でも何か違ったんですよ。映し方が絵画的。


( ̄ー ̄)v- 欧州産も色々ありますけどね。英国や北欧は笑いも取りに来る。けっこう様式美を意識するのはイタリアやフランスなんじゃないだろか。(超・独断と偏見)


絵画でも宗教画。つい「天地創世から最後の晩餐までサルでも分かる」みたいな宗教画の解説本とかを借りてきました。ゾンビ映画のレビューを書くために(笑)


1枚目は、節子これ絵画と違う。ハイ「この門をくぐる者は一切の望みを捨てよ」の、ロダンの《地獄の門》。


( ̄ー ̄)v- 国内だと東京の国立西洋美術館と静岡県立美術館などにあるらしい。(「右肘を左膝に付けるという若干ムリな体勢」で考え込んでる《考える人》だけならもっと増える)


圧巻なのは《考える人》が見下ろしている(自身の内面という説も)地獄で蠢く人の群れ。みっちみちの200人いるそうですよコレ。
《地獄の門》の英題はThe Gate of Hell。おフランス語ではLa Porte de I'Enfer。《いんへるの》だ!


2枚目はミケランジェロの『最後の審判』。ヴァチカンのシスティーナ礼拝堂の大壁画で、イエス・キリストがセンターで怒りのポーズで審判を下し、左側は天国コース、右側が地獄堕ちコース。最下層には審判を受けるために蘇った死者がわらわらと。


( ̄ー ̄)v- なんかもう人多杉。


3枚目はルーベンスの『キリスト降架』。もう1枚の『キリスト昇架』と共に、ベルギーのアントワープ大聖堂所蔵の油絵。これだよこれ!『フランダースの犬』の最終回でネロとパトラッシュが最後に見た絵は!!


(ノ△T)v- 絵のありがたさは分からなくても、あのラストは子供にはトマホーク。


キリストが十字架にかけられる瞬間を描いたのが『昇架』で、息絶えて降ろされるところを描いたのが『降架』。ルーベンスは痩せ細り生気がないように描かれるのが一般的だった磔刑のキリストをマッチョに描いており、構図もダイナミックで質感もりもり。


( ̄ー ̄)v- リアルな動きが感じられる絵ですなぁ。


4枚目はまだキリストも生まれてない旧約聖書がテーマの油絵で、ラファエロ作『エゼキエルの幻想』。第1回バビロン捕囚でバビロンに連行された預言者エゼキエルが、不思議な光景を見て預言者としての召命を受けた瞬間を描いたもの。


( ̄ー ̄)v- 今のイスラエルの人たちが「我々はユダヤ人である」というアイデンティティを確立したのを象徴する絵画とも。1514年に描かれたものですが、大きく腕を広げる決めポーズは既に生まれてたんですねぇ。


選ばれし肉体美にしか許されぬ無敵の決めポーズ。歌舞伎の型や演劇・ミュージカル等、「ここ一番の様式美」だと思います。


5枚目は……



-v(・_・;) 出典:『ゾンビ解体新書』です。