これは古い。かつ、古色蒼然として美しい。


まずは江戸時代初期の延宝3年(1675年)に完成(再建)した仁王門。屋根は檜の皮葺きで、鐘楼も兼ねる造りです。
門の両側に対の金剛力士像はおらず、よく見ると梵字が一文字ずつ。ひょっとしたら阿(あ)と吽(うん)だろうか。


( ̄ー ̄)v- 口を開けてる方が阿形で、閉じてる方が吽形ですよね?


そしてこのデカい草鞋(わらじ)はなんぞ。門の両側に奉納されていましたが、私んちの方にはない習俗。興味深くまじまじ見てきました。


仁王門の脇には客殿に続く門があり、仁王門をくぐれば眼前にそびえ立つ三重塔。寛文3年(1663年)に完成で、屋根は檜皮葺。彩色はされておらず、端正なたたずまい。


最初に仁王門の前に立った時、幟旗に「南無薬師瑠璃光如来」とあるのを見てこれはまた美しいと思ったんですが、薬師如来が教主を務める世界は地面が瑠璃で出来てるからみたい。


( ̄ー ̄)v- 医王とも呼ばれ、手にした薬壺には人の心身や社会の病をたちどころに治す薬が入っている。(イスラム教だけは描けない宗教ほのぼの漫画『聖☆おにいさん』では、薬壺に入ってるのはニベアだった)


御嵩町の大寺山願興寺も同じ天台宗で伝教大師の開いたお寺と言われますが、そちらのご本尊も薬師如来。でも通称は《蟹薬師》。なぜに蟹。


こちらでは何となく天台・真言宗のお寺は少なめだと思うんですが、あればかなり古いんですね。歴史がありすぎて容易に建て直しや修繕がままならない印象もある。
この横蔵寺は「板から脂が抜けて、朽木に近いのがまた味わい深いなあ」ですが、願興寺は老朽化が深刻です。(本堂の回廊が回れなくなった)



( ̄ー ̄)v- とにもかくにも、江戸時代初期から持ちこたえてるのは凄い。脂の抜けた端正なお年寄りを見る感じです。