( * ̄▽ ̄)v- シーズン1はあと5編。今週末まで流れ旅はお預けなので、とりあえず完走していこう。やっぱりシーズン2も視聴してから書籍版を読む事にして、今は初見の「?」を堪能します。
今回は土俗的な2編。まずはQ4.の「祓ーはらえー/この映像はお祓いを済ませておりませんーーExorcism」で、英題は悪魔祓い。霊能者の宣伝のために録られた映像で、霊能者の荒木さんと助手が依頼者のお宅に向かう場面から始まります。
(  ̄O ̄) ・・・さっきからずっと録ってるけど、テープ足りるんか?
荒木さんはこれ見よがしの袈裟とか着ておらず、普通の背広姿で見た目は霊能者に見えません。助手はビデオテープ?の残量を見て「あと20分ちょっと・・・21分くらいあります」と答え、荒木さんは「アカンやん!肝心のところを録らんと。もう止めぇ!」と指示して次の場面は依頼者との面談になる。依頼者は年配のご夫婦で、最近奥さんが夜になるとフラフラ徘徊したり叫んだりするので病院で診てもらったけど異常が見つからず困っているそう。荒木さんは「ちょっと家の中や周りを見せてもらえます?」と言い、あちこち確認して回ります。
(  ̄▽ ̄) ・・・ひと通り見せてもらったけど、どえらいモンやないですわ。このお宅は玄関が鬼門になっとって、鬼門いうのは霊とか良くないモンの通り道なんですな。そこに子供の霊が迷い込んできて、奥さんと波長が合うてもうた。霊も困ってるんやと思いますわ。
そして除霊が始まり、荒木さんは奥さんに憑いてる子供の霊に「よーしよーし大丈夫や。怖かったやろ? もう出てきてええからな?」と優しく呼びかけますが、トランス状態になった奥さんは苦悶しながら畳の上でのたうち回る。昔の心霊特番でよく見た光景ですがそれとは違い、奥さんの叫びは治まるどころかどんどん激しくなる。荒木さんもこれはまずいと思ったのか、立ち上がって呪文を唱えますが、その背後に子供には見えない黒い人影が一瞬見えました。
人(  ̄□ ̄;) アカン、失敗や!!
心霊特番では絶対に出なかった痛恨の一言。これは宣伝には決して使えない(涙) 荒木さんのキャラとこの一言は視聴者にグッときたようで、「〇〇やー!!」とか「成功やー!!」ってネットスラングになってるそうです(涙) 昔の心霊特番ではちゃんと祓えてたんですよね。それを失敗で終わらせるところにインパクトがありました。 テレビに出ないけど民間の拝み屋さんというのはけっこういるようで、荒木さんは良心的な方に見えましたが、詐欺もあると思います。このお宅に何かいたのは確かのようでした。
( * ̄▽ ̄)v- 次はQ10.の「来訪/東北に実在した幻の儀式・来訪の記録映像ーーThe Visit」。タイトルからもうワクワクしますね。その地域特有の儀礼というのは日本中にあると思いますが、中部地方民の私が東北に抱くものは憧憬を超えて仰ぎ見る域。遠野物語を生んだ地であり湯殿山の「語るなかれ聞くなかれ」、そして恐山や八甲田山。キリストの墓や火焔土器や遮光器土偶。挙げ始めるとキリが無いっす。日本一の芋煮会にもたぎります(笑) 今年はもう開催されたですよね? 重機で作る芋煮、食べてみたい。
これはもちろん架空の儀式だと思いますが、門外不出で口伝えでしか伝わっていない「レイホ」という葬送儀礼の記録映像。語源は「来訪」と思われるもので、急逝した方のご遺体が六畳ほどの座敷で布団に横たわり、まずは周りで遺族が手を合わせる様子が映ります。映像はモノクロに近く隠し撮りのよう。白い布団に寝かされたご遺体は小さく子供?のようで、顔には白布がかけられてます。
映像はご遺体の周りに遺族がいなくなっても定点観測のようにずっと撮影されていて、喪主らしき男性だけが時々部屋に入ってくる。この亡くなった子のお父さんだろうか?喪主はカメラを気にしており、近づいて作動してるか確認する。喪主が部屋を出ていくとただご遺体だけが頭の斜め後ろから映されますが、七日ごとのお坊さんの枕経が無い? と言うかずっとこのままなのか? 火葬やお葬式は?・・・・・
ずっと撮影しっ放しというわけでなく、時折カメラを止めてないとテープが保たないのかザザッと砂の嵐になる。ご遺体はただ淡々と録られ続け、部屋の外の明るさで昼なのか夜なのか分かるくらい。けど不思議なことに徐々に布団の位置がずれているような。そして映像の合間に時折画面が暗くなり、儀式の説明のテロップが現れます。
「来訪は急逝した死者に面を着せ、遺族が七日七晩祈りを続ける」
初めは「冥界との交信」とテロップに出たのでそういうものかと思って見ていたら、
「これは土地の悪霊や怨霊を招き寄せ、対象を呪殺するものである」
と出てフアッ!? お弔いの儀式や「せめて交信したい」という種類のものではないのか。誰を呪うんだ? ひょっとしたらこのご遺体は事故や事件の被害者で、喪主(父親?)らは加害者を呪い殺そうとしているのか?・・・・・
ひたすら横たわり続けるご遺体の周りでにわかにガタガタという音が響き、風が吹き込んで掛け布団が少しめくれ、顔を覆う白布がハラリと外れる。いやご遺体が少し動いた? すると音を聞きつけたのか喪主が部屋に入ってきて、白布や掛け布団をきちんと直し、ついでにカメラも確認してまた出て行く。でも束の間 ご遺体をじっと見つめており、確かに近い身内なのだなと伝わりました。
「来訪の正否はその土地の精霊が決め、叶わなければ喪主は訪れるものに連れて行かれる」
(; ̄ー ̄)v- ・・・・・何が来るの? 東北のナマハゲや宮古島のパーントゥのような来訪神? 民俗学でよく言われるのは村落に恵みをもたらすモノですが、これはご遺体を依り代にした呪術のよう。来訪神を呼び込む目的が「対象の呪殺」とは、外法と呼ばれるたぐいの儀式のはずで・・・・・
横たわり続けるご遺体にまた変化が起こる。顔を覆う白布に黒い染みができて、それがゆっくりと広がっていく。部屋に入ってきた喪主は白布を外し、その下の仮面を見ておののきます・・・・・どんなお面なんだこれ? 人の顔が弾けたようなショッキングな「面」が一瞬映り、喪主はカメラで白布にできた染みをクローズアップする。これは「レイホ」の始まりなんだろうか?
そしてまたしばらく経ったのか、ご遺体の傍らに座って語りかける喪主。
「時間だよ。もう来るよ」
テロップにはここだけ赤い文字で「来訪」と浮かび、にわかに周りが騒がしくなる。喪主は慌てた様子でカメラを掴み、部屋を飛び出そうとしますが廊下の先に誰かいる。反対側にも里民らしき人々がいて、どうやら喪主が隠し録りしてたのがバレたよう。対処を話し合うような声も聞こえ、喪主はご遺体のある部屋の引き戸を掴んで崩れ落ちますが、その際に持っていたカメラが一瞬 人影を映し出します。これが「レイホ」か? 来たのか?・・・・・・・・
映像はここまでで、儀式はどうやら失敗したもよう。喪主は「レイホ」に連れて行かれたのか里民の制裁を受けたのか分かりませんが、テロップには「来訪の漏洩は今も固く禁じられている」とだけ示されます。これは巧いわ、そして不気味。ザラッとした粗い映像とノイズ、薄暗闇の効果が抜群で、暗く湿った雰囲気がたまらなかったすね。
コメント欄には「この家が失敗や!!の家なんじゃないのか?」という声があり、これも繋がっているのかな? 除霊とか民間信仰の儀式とか、土俗的なオカルト色が光るエピソードでしたね。