🍀こちらの小説の第3話となります🍀


※この小説はフィクションです※

※1話~3話までに改めて楽曲を 
付けて修正しています。





足元を波が滑る*°

次の瞬間…ザァーッと、
砂と小石が海に流されて。。


『アタシ』も体ごと、
滑るような不思議な感覚。。



小さな『アタシ』は、
幾重にも重なって小さくなっていく波*°
それを待っていた。。

(今だ!)

泡立つ小さな最後の波*°
そこに駆け寄って足を
バシャッと入れた。。

次の瞬間、

ザァーッと波はまた海に戻っていく*°
それが滑っているような錯覚にとらわれた。

自分も海に戻ってしまいそうな。。

(連れていかれちゃう!)

砂浜に走って逃げて*°

ペタンと座り込んだ。。

『 。。。!』

名前が呼ばれて振り向くと、
兄ちゃんとお母さん*°

ニコニコ笑っている*°

駆け寄ろうと立ち上がると、
足に砂がびっしりと
くっ付いて歩くにはまどろっこしかった。

それでも*°

初めて波の中に足を
入れられたことを褒めて欲しくて*°

まとわりつく砂で転びそうでも…
兄と母の元に駆けていく『アタシ』

(何歳くらいかな?三つ?)


それが『アタシ』の、

一番小さな頃の。。


『 記憶*°』



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『Who killerd that family』
~あの家族は一体、何に殺されたのか~




『古いアパートの一室』


(。。静か。。)


四畳半のや部屋の窓から、
空が見える。



四角い窓から見える雲はゆっくりと
流れて…途切れて。。

そしてまた後から来た雲が
追いかけて消えていく*°

(雲になりたい…)

誰でも一度は憧れること*°
雲になってどこにでも行けたなら。。

(雲になって海まで行きたいな*)


この辺りは住宅地で建物ばかりだから、
港町だけれど港からだいぶ離れて、
海は見えない。。

(そうだ、あの坂道を登ると
 小高い丘があるから…)


(そこからなら海が見えるだろうな*°)

窓から雲を見ながら…
『アタシ』はそう思った。。

小さい頃は近所のみんなと、
あの丘まで良く競争したな。。

お兄ちゃんチームがいつもふざけて
アタシ達を置いてきぼりにして、

悔しくて泣いたこともあったけど、
楽しかった!

(また前のように…なりたいな。。)


。.ꕤ………………………………………..ꕤ.。


その子はアパートの一室の
四畳半でじっとしていた。。


時々、窓を開けて空を見る*°
そうすると不思議と幸せだった頃や
楽しかった事を思い出せた*°




『アタシ』は。。


すっかり変わっちゃったから、
…前みたいに…


( 出来ないな。。)


最近は学校行っていないから…
みんな遊んでくれないだろうな。。


毎朝、玄関まで来てくれていた
近所の〇ちゃん*°


でも。。


お母さんがいつも、

(。。。は具合が悪いから…)

そう、〇ちゃんに断っていて、

〇ちゃんも朝、
学校に遅れそうになるのが、
困るからかな?

来なくなっちゃった。。


(勉強したい)

(みんなとドッジボールしたい)

(合唱部で歌いたい)

。。。




。.ꕤ………………………………………..ꕤ.。


お母さんはアタシが出掛けるを嫌がった。。
何でだろう?いつ頃からか。。

アタシを。。

この部屋から
出さなくなった。。

どこかに出かけようとすると。。

『出かけるんじゃない!』

と、アタシを怒鳴る。。


。.ꕤ………………………………………..ꕤ.。


前は料理も得意で、
パンもよく焼いてくれた。。

近所のパン屋さんで、
初めて名前を知った。。

ロールパン*°

もう、ずっとお母さんの作ったパンを
食べていないな。。


。.ꕤ………………………………………..ꕤ.。


あの後からだ。。

お母さんが変わったのは。。


家の中に知らないおじさんが、
住むようになって。。

(お父さんと呼べ)と…
言われたっけ?

それが嫌で、
黙っていたら…

知らないおじさんは、
怒ってしまっていた。。


お母さんも最初の頃は、
いつものお母さん*°

けれど知らないおじさんと
一緒にお酒を飲むと…

夜、そのおじさんとケンカして、
何度も私と兄は起こされて。、

( すごく怖いし嫌だった。。)

今は…
そのおじさんは居ないけれど、

それから…
お母さんは泣いてばかりで、

余計にお酒を毎日飲むようになって。。

ある日…
酔っ払ったお母さんから、

『お前は汚い子だ!』

と、言われて。。
頭が真っ白になった。


嘘…お母さんは知らないはず。。

絶対に知らないはず。。



。。。。



。.ꕤ………………………………………..ꕤ.。


バン!と襖が開いて、
そこに『母』であろう女が立っていた。。

目は虚ろで頬が少し上気している。
酒を飲んだようだ。。

目の前の娘を見て苛立って、

『また、何もしていないのか!
バカヤロウ!!』

そう叫ぶと、娘の髪を掴んで
激しく揺さぶった。

(痛い!痛い。。やめて!)

娘は泣いていた。。

けれど怯えても。、
母の顔をじっと見つめて、
心で呟いた。。



(お母さん…私、ずっと言わない。)

(絶対…誰にも言わない。。)

(お願いだから…お母さん。。)




(元に戻って)

(また…)

(あのロールパンが食べたいよ。。)





 『I Dreameed a Dream』レ・ミゼラブルより。




『I Dreameed a Dream』

~神様は赦して下さると…夢見ていた~