てな訳で
今日、無事に誕生日を迎えることが
出来ました。

59歳…

いや〜自分でもビックリするぐらい
歳食ったなぁ😅

とはいえ
この歳まで音楽に関わることが出来るのは
本当に幸いなことだと
改めて思いますねぇ。

来年は正に還暦ですが、
辰年ということで
個人的には少しでも実りある年にしたいと
思っております!


まぁ今年は

旧作のリメイクと新曲を含めた5曲を

サブスクへアップしたわけですが

皆さま、存分に楽しんで頂けてますかね?

😅

何しろ

4th Album 「遅れてきた青年」の時は

CDでの発売だったので、

皆さまとメールでのやり取りもあって

聴いて頂けている感触みたいなものが

あったんだけど、

サブスクってやってる側からすると

本当に何の感触もなくて…


(いや、大ヒットを飛ばしている方々は

別にして、ですよ〜)


まぁ

ダウンロードや再生の回数みたいなデータは

折に触れて確認出来ますが、

そこは正にデジタル。


良いのか悪いのか、よく分からんからして…

😅😅

ともかく皆さまが

存分に楽しんで頂けていることを

心より願っておりまする〜


さて。


前回の時から更に

ミュージシャンの訃報が相次いでおりまして、

中には俺より若い方々も…


全く交流が無かった方々だし

俺は殆ど邦楽は極々限られたものしか

聴いてないもので、

特に何か大きな哀しみが個人的に寄せてくる

というわけではないにせよ、

訃報というものに接する度に

自らを振り返る、という作業は

無意識のうちにも起こってくるものです。


特に年齢が近ければ尚更、ですな。


故・樹木希林さんが亡くなられた時に

テレビでドキュメンタリー番組をやっていて、

それを拝見させて頂いたのだけど、

その中で希林さんが


「日々の暮らしを自らを始末する、という

感覚で過ごしている。」


と仰っておられていたのがとても印象に

残っています。


食事をする、

片付けをする、

部屋の掃除をする、

つまり生活するということ、

その全てが自らを始末することなのだ、と。


俺にとってはすごく

腑に落ちる言葉であり、

そこに

「武士道」の精神が

垣間見られるような感覚がありました。


実にお見事な生き様!


もしかしたら

裕也さんよりロックな生き方かも

しれませんねぇ。


誰にとっても

自分の人生の主人公は自分なので、

そこを客観視することは

非常に困難なことには違いないけど、

出来るなら俺も

「自らの始末をする」

生き様でありたいもんだ、と強く思います。


若い頃からの俺にとっての大命題。


自分には果たして音楽の才能があるのか?


残念ながら自分では全く分かりませ〜ん

(苦笑


でも、自らを客観視出来るのなら

そこに一つの「始末」は着けられるはず。


ただひたすら、

音楽を希求する心に正直に生きてきた

身としては、

才能があるかどうかなんて

最初から

どうでも良かったのかもしれないしなぁ。


裏方に回ってからも、

とにかくクソ忙しい中で

時間を見つけては

オリジナル楽曲を制作することを

厭わなかった、ということの積み重ねが

今になってようやく

未完成だったものを完成させられる

ところまで来れた、ってのも

実に不思議な感覚でして。


過去に遡って、

今の自分から一番遠い自分の作品と

向き合う。


ある種の気恥ずかしさや

時には情けなさ、も感じながら

一応年老いた自分としては

過去の未熟だった自分に対して

どうにか決着を着けておきたい、と

ある種本能的に願うものなんですねぇ。


もしも今後更にオリジナルアルバムを

制作し続けられるとしたら、

まずは

過去の精算からしていかないといけない、

ってなわけで

当時の心境を辿りながら

新たなパートを付け加えたり

余計だと思われるパートをカットしたり、

歌詞が決まってないものには

メロディに乗せる言葉を選んだり、

いっそのこと新曲作ったり、

そういった作業で今年も暮れていく、と。


そうして出来れば

くたばるその寸前まで

音楽を作り続けていたいものだ、と

殊更に強く思うようになりましたねぇ。


その為にも、もうちょっと

売れてくれると良いんだがなぁ…

😅


例えば、歌詞を考えるときというのは

脳ミソが言語モードになっているので、

何か言い得て妙な表現はないか?

とか

この言葉使いは面白くない、とか。


妙に理屈っぽくなるわけね〜


理屈じゃなくて、響きとして

面白いというようなことを模索したりする時に

脳ミソが言語モードだと

大して面白いことは出て来ない。


だから、時には

あれこれ人の作った音楽を

引っ張り出しては聴いてみたり、と

気分転換をはかるわけですな。


左脳から右脳への転換。


で、今ハマっているのが

Mr. Herbie Hancock 。


ちょうど俺が仙台から上京する辺りかな、

1983年。

時代を代表する作品「Future Shock」


これはもう

メチャ影響を受けたアルバムですが、

このアルバムの感触は

その後の坂本龍一さんの「音楽図鑑」に

引き継がれるんですね。


当時、最新鋭の機材や

コンピュータを使いつつ、

ネイティブアフリカンのリズムだったり

その土着性とか民族性とかとの融合に

見事に成功している、

正に大傑作!


後のHip Hop というジャンルの音楽に

多大なる影響を与えた作品ですな。


懐かしく、

また温故知新的な目線で改めて聴くと

更なる深みが増してくる。


でも、今回はそれではなくて

2005年発表の

「POSSIBILITIES」ってヤツ。


これ、iTunesに取り込むだけ取り込んで

まともに聴いてなかったものなんですが…


今更ながらすげぇ…!と

(苦笑


古今東西、老いも若いも織り交ぜて

Herbie が才能を認めたミュージシャンを

集めて、

ポップスという枠を取り払い

時間を気にせずにお互いの感覚を

膝突き合わせて丁寧にやり取りしながら、

納得のいくまで録音を重ねて

仕上がった作品。


色んなゲストヴォーカル、

ゲストミュージシャンのメンツも

素晴らしいけれど、

この発想、着眼点、そして

丁寧に会話を重ねながら

辿り着いた地平に刻印するが如く、

壮大なスケールの作品でして。


久しぶりに音楽聴いて

鳥肌が立ったり目頭が熱くなったり、

という感覚を得ることが出来ました。


もちろん、HerbieHancock といえば

世界的に超一流のミュージシャンであり

Jazz はもちろん、ジャンルレスに

活動して来た大ベテランですが、

(「Head Hunters」も良いよね〜)

この作品は本当に

その全てのジャンルの融合に成功しており、

あり得ないほどの

小宇宙的な空間が目の前に広がっていく、

という

独特な感覚を持ち併せております。


正にポップスとしての一つの到達点を

指し示した作品と言っても過言ではないと

思われます。


俺がいわゆる「ポップス」と

位置付けている音楽が目指すところは

こういう作品にも現れているので、

なんというか

その圧倒的な素晴らしさがゆえに、

聴けば聴くほど

自らに跳ね返ってくる虚無感みたいなものも

一緒に味わわねばならないのも

また致し方ないかな、と。

(苦笑


俺の中でどこからか

「おまえは一体今まで何をやって来たのだ?」


なんて声が聞こえてくるわけですなぁ…

😅

でもね、

それでも関わり続けて来たことに対しての

喜びや満足感もあるんです、

もちろん。


結局、幸いってそういうことかな、と。


自分の内側に触れることでしか

得られない幸い。


ロシアとウクライナ。

パレスチナとイスラエル。

紛うことなき現在進行形の戦争。

民族や人種や宗教の国家的な分断。

世界的な気候変動の災害的な脅威。

貧困の絶望。

国内の惨憺たる状況。

既得権益に群がるさもしい者たちが

称している政治、というものの正体。


この激動の時代に身を置いて、

伝えられるニュースに

目を向けることにも責任を求められ、

子供たちの未来を思う時に

大人としての振る舞いにも

それなりの自覚が必要で。


一応表現者の端くれである以上

そこから目を背けるわけにもいかず、

さりとて

何が出来るのか?には答えは出ず。


だからこそ、言葉を慎重に選び

音楽を用いて表現することに於いて

磨きをかけ、

この身を捧げて始末する。


そこまで一貫させることで

例えどんなに不毛な時代であったとしても

幸いを味わうことが出来る可能性がある、

と思うんだよね。


俺の音楽は残念ながら

世界に対して何の影響力も持ってはいないけど


「Caravan Sary」


みたいな楽曲が出来たことを

人知れず

こっそり誇りにも思っているのです。

(苦笑


年老いた一人の男の偽らざる本音、かな。


そして今は

とりあえず音楽を続けていく為に

もうちょっとビジネス的な目線も

必要だからして、

その辺の手段を模索している最中だけど

これが一番苦手なんだわさ😅


てなわけで

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