ハサミの置いてあった部屋に戻ってきた。
がそこはさきほどと変わらない部屋だった。
「・・・霧野先輩、どこへ行ってしまったんでしょうね・・・」
松風がふとつぶやく。すると―
『ボトッ』
「―?!」
先の部屋に行こうとする4人の後ろから何かが落ちる音がした。
剣城が振り向くとそこには先ほど切ったはずのくまの手が落ちていた。
「なっなんでここにくまの手が・・・??」
「でも落ちてるってことは持ってけってことか・・・??」
倉間が言う。神童はもう涙が止まっていたがビクビクしていた。
「そうだと思いますけど・・・」
剣城が言うと松風が
「じゃぁ、俺、もっときます。」
ひょいと手にとった。
「それじゃ、入るぞ。」
神童がドアを開けた。
『ガチャ―』
「・・・食堂??」
「のようですね。」
「あ、なんか紙に書いてありますよ!!」
『――毒見をしろ。』
「・・・どれのだ?」
次の部屋は食堂のようだ。長い机の周りには石像。机の上にはさっき松風が見つけた髪と頭蓋骨をあしらった器。いかにも毒々しい。
「きっと、これですね。・・・毒見してみます??」
松風が危なっかしいことを言う。
「いや、今はあえてやめておこう。先にも部屋があるからそこに入れるかどうかでやるかどうかは決めよう。」
神童が言った。確かにそっちのほうが安全だ。
「取り合えず先へ進むぞ。」
倉間がそう言いながらドアを開けた。
『トントントン・・・・・・』
誰もいないのに包丁がひとりでに動いている。
「え・・・??」
「あぁ、忙しい忙しい。」
誰もいないはずだ。だが声が聞こえる。
「だ、誰かいるんですか・・・??」
「ねぇ、君、手を貸してくれないか??」
誰かが松風に言った。
「手・・・てですか・・・??」
松風は一瞬止まって
「どうしたらいいですかっ?!」
と聞いてきた。
「取り合えず・・・あ、さっきのくまの手使ってみたらどうだ・・・??あれも手、だ。」
「あ!!」
神童に言われて松風はくまの手をシェフ(?)に渡した。
「ちょうど手が足りなかったんだ・・・。」
そう言うとシェフ(?)は包丁でそれを切り出した。
「・・・これだけですか??」
剣城が言う。
「まさか・・・」
倉間が言う。すると
「あぁ、そうそう。これあげるよ。 ―あー忙しい、忙しい。」
シェフ(?)が松風に“銀のスプーン”を渡してくれた。
「・・・何に使うんでしょうか・・・」
渡された松風は混乱した様子で神童に訪ねた。
「お、俺に聞かれても・・・」
神童は焦りながらもわからないといった。
「・・・『貴族の食卓。 昔の話になるが、支配階級や富裕層の人々は、銀製の食器を好んで使っていた。 手入れの大変な銀製の食器を使うことで、使用人を雇える経済力を世間に示したのである。 また、銀食器は毒に反応して色が変わるため、毒殺の防止にも役に立った。』」
「え??」
倉間が机の上にあった本を手にしていた。
「この本によると銀製のものは毒殺防止として使われていた。つまりだ。」
「毒見ができる・・・!!」
倉間の言ったことを続けるように神童が言った。それに対し倉間は頷いた。
「それじゃぁ早速やりましょう!!」
松風がそう言ってドアを開けた。
また頭蓋骨の前に立った。
「それじゃ、入れてみますよ・・・・・・」
松風が銀のスプーンを毒々しい液体の中に入れた。
『ポチャン』
「・・・・・・」
色が黒色に変わった。
「・・・毒があるな。」
『カシャン』
―――どこかでドアの開く音がした。
「・・・ど、毒見をしたって事だよな・・・??ドアが空いたってことは・・・。」
「そう、ですよね??」
神童と松風が顔を見合わせた。
「とりあえず行ってみればわかるだろ??」
倉間がさっきの厨房へ戻ろうとしていた。
~―第2章―貴族の食卓END~
