NHK ヒューマニ エンス 選
「《 アート 》壮大な《 嘘 (うそ) 》
が 教えて くれるもの 」
「 アート を 求める
脳 (のう) の《 快感 》」
「 アート は 私たち に 真実 を
気づかせる 嘘(ウソ)である 」
は パブロ・ピカソ の 言葉。
なぜ ヒト は 太古 (たいこ) から
アート を 作り 求めてきたのか。
アート が 私たち に 教えて
くれるものとは?
* 以下は ナレーション ( 語り ) *
私たち 人 は、働 (はたら) き、
食べ、寝れば
生きて ゆける。
それでも アート は
存在 (そんざい) し、
人々 は それ を 求 (もと) める。
私たち 人 は なぜ
アート を 求めるのか ?
その 鍵 (かぎ) を 握 (にぎ)る
のが、アート に 反応 (はんのう)
する 脳 の 働 (はたら) き だ。
と 語る のは、スタジオ に
お越 (こ) しの、川畑 秀明
( かわばた ひであき ) さんだ。
( 慶應 義塾 大学 文学部 教授 )
* 以下は 川畑 さん *
「 〈 前 略 〉
美しい と いう ふう に
感じる とき の、
脳 の 活動 に おいて、
どこ の 活動 が
強い のか 探して みると、
眼窩 前頭 皮質
( がんか ぜんとう ひしつ )
という 場所 が、それに 該当
(がいとう) したと いうこと です 」
* ナレーション ( 語り ) *
美 に 対して、反応(はんのう) を
しめす 脳 の 部位(ぶい)。
それは、眼窩 前頭 皮質
( 内側 部 )。
眼球 の おさまっている
窪 (くぼ) み、
眼窩 (がんか) の すぐ上 に
位置する 部位だ。
〈 中 略 〉
眼窩 前頭 皮質 の 機能とは
どのようなものなのか?
* 川畑 さん *
「 眼窩 前頭 皮質 という のは、
《 報酬系 (ほうしゅうけい) 》
という 脳 の ネット ワーク の
ひとつ と 考えられている
のです けれども 、
ドーパミン が 分泌 されて
いって、それが
脳 の 中 で 受け 渡されていって、
受容 ( じゅよう )されていく、
そういった
プロセス が あるのです」
* ナレーション ( 語り ) *
報酬系 とは、幸福感 や
快感 を 司 ( つかさど ) る
神経 回路 の グループ だ。
この 報酬 系 の ニューロン は
神経 伝達 物質 の1種 である
ドーパミン を 使い、
信号 を やりとり している。
ドーパミン は
強い 快感 を 生む
神経 伝達 物質 だ。
この 快感 こそが、
私たち 人 が
アート を 求める
理由 なのだ という。
眼窩 前頭 皮質 は、
ドーパミン 受容体 の
密度 が 高い 脳梁域
( のうりょう いき ) 。
私たち が、美しい と
感じたとき、脳 は この 場所 を
活性化 させることで、
強い 快感 を 得 (え) ているのだ。
そして、この 眼窩 前頭 皮質、
他 (ほか) にも あることに
反応 すること が
わかっている。
人 の 行動 の《 善 悪 》に
まつわることにも
反応 を しめす、というのだ。
そのことを 明 (あき) らか
にした 実験 が ある。
〈中略〉
眼窩 前頭 皮質 が 教えてくれる
アート と 人 の
行為 (こうい) の 密接 な 関係。
詳 (くわ) しくは、スタジオ で。
〈 後 略 〉
* ニューロン( neuron )とは、
生物 の 脳 を 構成する
神経 細胞 の ことで ある。
* ドーパミン とは、
神経 伝達 物質です。
簡単にいうと、
「 快感 や 多幸感 を 得る 」、
「 意欲 を 作ったり
感じたりする 」、
「 運動 調節 に 関連する」
といった 機能 を 担 (にな)う
脳内 ホルモン の ひとつ です。
* 脳梁 (のうりょう) とは、
哺乳類 (ほにゅうるい) において
左 右 の 大脳 半球 を つなぐ
束 (たば) で あり、両 大脳 半球 間
の 情報 連絡 を 行う。
□ 参考 文献
NHKBSプレミアム
6 月 13 日 放送
ヒューマニ エンス 選
「《 アート 》壮大な《 嘘 》
が 教えて くれるもの 」
https://www4.nhk.or.jp/P6897/x