樹林に近づくにつれ荒れた岩肌にぽつぽつと緑が混じり始め、
気付けば陽射しさえ遮るほどの樹木に周囲は覆われている。
蒸すような湿度に嫌気がさした頃、ふわりと冷気が漂い小さな池のほとりに立っていた。
突然現れた静かな水面。
池の中ほどに浮かぶ幾つかの色彩は…花なのだろうか。
一枚一枚の花びらの形は単純、なのに美しい。
白色、黄色、桃色と言葉にすれば平凡、だが実際眼に映る色は幻想的で心奪われた。
重なる花びら、内から外に広がる色彩、円形の葉に寄り添い水面にたゆとう花の名は

「睡蓮だろ。
アンタ見るのは初めてか」
「ああ…。
軍の遠征であちこち足を伸ばしたが、この花は初めて見るよ」
「何うっとり見てんだよ、いい歳こいたおっさんが。
ほら行くぞ」
さっさと背を向け歩き始める白いシャツの背に、キミに似ていると声を掛けたら
どういう意味だと詰め寄られるだろうか。
口説き文句にしちゃ平凡だと笑われるだろうか。

人の手の届かぬ水に咲く、もう二度と見ることのないだろうこの花の事は忘れよう、と池を後にした。


元将軍、片想いに涙するの巻。

睡蓮、とても好きな花です。
昔は嫌いだった。葉っぱが変、暗い、首が短い、とか思っていた。
でもね、歳をとるとね、静寂な趣に心奪われるのよ。
白い睡蓮…というより蓮は私の中ではバルフレアなの。白限定。
蓮は花言葉に【離れていく愛】ってのがあるから無理やり睡蓮にした。
睡蓮の方が文字も綺麗だし。
睡の字が、眠たそうな時のキミの目元にぴったりだ!ってバッシュも賛成してくれた、さっき。

因みに茎が伸び、水面より上にさくのが蓮、水面に浮かぶのが睡蓮。
そしてあくまでもわたし的に、って事で。
勝手な想像なので、イメージ違う!な方が殆どだと思います。
バルフレアはそんなじゃないよっ気分が悪いーって思われたら、ごめんなさい


( 2010・07,17 解説部分も含め再録 )


お話部分が短くてごめんなさい。