「いらっしゃいませ~」
「いらっしゃいませーー!ご注も…あ…」
「バッシュ!貴様どういうつもりだ。
最近定時ですっとんで帰っていくお前を心配して、尾行してみれば…。
会社帰りのアルバイトは禁止されているはずだ」
「ウォ、ウォースラ…心配掛けてすまない、ただ俺は…」
「金か?何か困っているのか?
水臭い、一言言ってくれれば…」
「あ、違う違う。こいつ無給だから」
「無給?」
「そ。可愛いオレに一目惚れ、タダでいいからいさせてくれって泣かれたんで。
オレもこいつが居てくれれば色々便利だから、つい」
「キミの役に立てて嬉しいよ…。
と、いう訳でウォースラ、結婚式にはお前も来てくれ」
「け・結婚?!!
バッシュ!!お・お前この軽薄そうな若造とけ・け…そんなに話が進んでいるのか?!」
「勝手な事言ってくれるな、馬鹿オヤジ」
「ば・馬鹿おや…若造!!そこに直れ!!
貴様バッシュに向かってなんと言う!!」
「いいんだウォースラ、確かに俺はこの若くて可愛くて我侭で料理も出来ないのに管理人の都合で弁当屋でバイトなどさせらている健気な彼にぞっこんなのだ」
「バッシュ…」
「ああ…彼が好きだ。
この店は二人の愛を育む、さしづめ弁当ならぬ愛の大盛り、出来立てほかほか手作り愛だ」
「アンタほんっとの馬鹿だよな~」
「ああ、キミに魂を奪われた愚かな男だ。せめて…名前位教えてくれて…」
「俺もやる」
「「は?」」
「愛が育つというのなら…俺も今日からここで働かせてもらおう。
若造!癪だが貴様がここでは先輩だ。
俺は何をすればいい。いややはりいい、指図はいらん。
ここでの俺の仕事振り、とくと見て貴様がバッシュに相応しくない事に気づけ。
諦めるのだな、バッシュはお前の様な若造には勿体無いわ!」
「…どーでもいいけど…じゃ、オレ帰っていい?」
( 2009のいつか/思い出せんもんじゃ… )