6か月定期の端数のナゾ | ◆恵社労士事務所◆社労士いちかわの思いつきブログ

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社会保険労務士 市川恵の、夢と希望と現実のブログです。
人事部にて7年採用・研修業務を経験。社労士事務所にて2年社労士業務を経験。
現在は荻窪にて恵社労士事務所を開業しています。



こんにちはー。市川です。


昨日に引き続き、交通費の記事です。

昨日事務所で盛り上がったのはこちらでございます。




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さて。交通費を定期券代で支給しているという会社、

結構多いと思います。


一か月定期券代ならわかりやすいのですが・・・・・


じつは、3か月定期・6か月定期にすると、”社会保険のてつづきが、複雑になる”のです。



複雑その1。【離職票。】


失業給付は、退職前6ヶ月の給与の平均で金額の元がきまります。


賃金台帳から、毎月払っていた給与を書き写せばいい話なのですが、定期券で支払われていた場合、

「定期代を対象になる月数で割って、一箇月分の金額をだして、一箇月ごとに付け込む」というやり方が、正式なやり方です。

(実務的には、一回で書き込んじゃっても、6か月で平均すれば変わらないので、よしと判断されているようですけど)


さて。たとえば、6か月定期代が70000円だとしたら、どうしましょう?


70000/6=11666.6666666666・・・・


ですから、一箇月の金額は、11666.66・・・円になりますね。


給与が小数点になることはありませんから、切り捨てで、11666円?

でも、11666円×6=69996円で、実際より、4円少ない・・・・


この4円はどこに入れるか??


これは、最後の月に入れるという事になっています。


(参考)

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/koyouhoken/data/toriatsukai_youryou.html


このページの「適用関係第6~10」の、130P。


50504(4)特別の取扱いをするもの

イ 通勤定期券
その券面金額の全額(一部を労働者が負担したときは、その負担額を控除した額をいう。
以下において同じ。)を賃金とする。この場合定期券の支給があった月にその金額が支払わ
れたものとして取り扱う。なお、本来、月ごとに支給すべきものを、便宜上数か月をまとめ
て支給した場合には、支給された定期券の券面金額の全額をその月数で除して得た額がその
月ごとに支払われたものとして取り扱う。この場合に生じた端数は、その最後の月にまとめ
て支払われたものとして取り扱う。



ですからこの場合は、普通の月には、11666円を付けたし、定期券の最後の月は、11670円を付け足すのです。





複雑その2。【社会保険の算定基礎届、月額変更届。】


こちらもあれです。

6か月定期を支払ったら、一箇月いくらか計算して、一箇月ごとに計算しなければなりません。

離職票と同じ仕組みですね。


ただ・・・・・・・・・・


端数処理が・・・・違うのですよ



http://www.nenkin.go.jp/n/www/free1/detail.jsp?id=727

年金機構のHPの、

疑義照会 厚生年金保険 適用 35Pをご覧ください。


1.まとめて支給された手当等を月数で除し各月の報酬に算入する場合
(以下2.3.の場合を除く)
端数そのものは存在しますが、届出自体に円未満の記載を求めるの
は現実的でないため、切り捨てと取り扱って差し支えありません。
2.1.のときに端数の出る手当等が複数ある場合
端数そのものは存在していることから、それぞれの手当ごとに端数
処理するのでなく、端数を付けたまま各月の報酬に合算し、報酬月額
を確定する段階で端数処理をするのが妥当です。
3.定時決定、随時改定において、三月間に受けた報酬の総額自体を使
用する必要がある場合(まとめて支給された総額自体を使用する必要
がある場合)
そもそもまとめて支給された手当等を各月に分割する必要性は、報
酬決定の際に、便宜上各月に算入しているだけであり、運用上1.のよ
うに切り捨てで取り扱うことにより、「受けた報酬の総額」が変わるこ
とは、適当ではありません。(等級が変動する場合あり)
ある一定期間に受けた報酬の総額を、ある一定期間全体で使用する
場合においては、総額が変わらないように調整いただき、またその場
合は原則支給月に算入することにします。
・1.の例(1 月に6 ヵ月分の交通費42,340 円が支給された)
総支給額÷月数=各月の報酬
42,340 円÷6 ヵ月=7056.66…円
4 月月額変更時の扱い1 月7,056 円
2 月7,056 円
3 月7,056 円
7 月算定基礎時の扱い4 月7,056 円
5 月7,056 円
6 月7,056 円
・2.の例(1 月に6 ヵ月分の交通費42,340 円が支給された)(賞与年4
回以上合計500,000 円が支給された)
総支給額÷月数=各月の報酬42,340 円÷6 ヵ月=7056.66…円総支
給額÷月数=各月の報酬500,000 円÷12 ヵ月=41,666.66…円
7 月算定基礎時の扱い基本給交通費賞与
4 月200,000+7,056.66…+41,666.66…=248,723.33…⇒248,723 円
5 月200,000+7,056.66…+41,666.66…=248,723.33…⇒248,723 円
6 月200,000+7,056.66…+41,666.66…=248,723.33…⇒248,723 円
・3.の例(4 月に3 ヵ月分の交通費10,000 円支給された)
総支給額÷月数=各月の報酬
10,000 円÷3 ヶ月=3,333.33…円

7 月算定基礎時の扱い4 月3,333.33⇒3,3345 月3,333.33⇒3,3336 月
3,333.33⇒3,333 合計9,999 円10,000 円
※「3 月間に受けた報酬の総額」を前提とするので、金額が変更され
ないように調整する。


要は・・・・・・


切り捨てにしていいけど、そのせいで標準報酬が安くなるとおかしいから、

標準報酬月額に違いが出るなら

届出に必要な3か月の初月に、3ヶ月分の端数を入れておけ


という事です。


イレギュラーは間違いの基ですから、統一してほしい・・・・・・。

統一するなら、端数は初月に3か月分入れると。いう風に覚えたほうがよさそうですね。



つまり、

先ほどの、6ヶ月定期が70000円の場合。


算定基礎届のために必要な、4月・5月・6月には、


4月:11668円←ここに、3か月分に対応する端数を付け込む

5月:11666円

6月:11666円


と、なるという事です。



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初月だの、最後の月だの・・・・・・

困っちゃいますね・・・・・・。。。。。。。



きのうは、「たしか、こうだった」というのを、年金事務所や厚労省のHPで根拠探しをしておりました。


見つけた時の爽快感(^^)








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