いろいろなことを考える | ◆恵社労士事務所◆社労士いちかわの思いつきブログ

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社会保険労務士 市川恵の、夢と希望と現実のブログです。
人事部にて7年採用・研修業務を経験。社労士事務所にて2年社労士業務を経験。
現在は荻窪にて恵社労士事務所を開業しています。

こんにちはー。いちかわです。


最近いろいろなことをぐるぐると考え込んでしまい、よくない傾向です。


まあ、休日だからいいか、とおもい、特に結論も出ないままですが、書いてみようと思います。




労使問題についてです。


どうして、使用者と労働者は敵同士、ということになるのでしょうか。


通常時、使用者と労働者の関係・・・・通常の労使関係は、労働契約関係にあるはずです。


労働契約の関係というのは、すごくざっくり言ってしまえば、


「何時から何時まで、会社の指示に従って、会社の利益のためになることをしてね。そうしたら月○円与えます」

「わかりました」


と、言う契約です。



労使問題は、大体、従業員が会社に物申すことで表に出てきます。



「残業代が払われていない」

「不当解雇だ」

「なぜ契約更新を打ち切られたのか」

「パワハラ」「セクハラ」・・・・等



それは、「会社の指示に従って」の意味を取り違えた会社・または従業員が、思っていたことと違うことをした・された結果、従業員がプライドを傷つけられて「訴えてやる!!」と、表面に出てくる・・・・ということが多い気がします。


しかし、「従業員のプライド」も、その従業員によって違うため、当然の指示に対して、「パワハラ」「それはおかしい」と感じる人もいますし、逆に「会社がいうことだし~」と、全然平気な人もいるわけです。





例えば・・・・・こんなことがあるかもしれません。

ちょっと極端に書いていますけど、あり得ない話じゃないと思う。


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人と話すということに、非常にストレスを感じるAさんがいるとします。


就職活動の際、できるだけ人と話さなくてよさそうな仕事・・・・と思い、簿記の資格を取り、経理の仕事につきました。



会社でのAさんは・・・・


仕事の作業の面では非常に優秀でしたが、Aさんは人と話したくないあまりに、周りの人とは一切コミュニケーションを取らず、意見や指示を受けるのもすべて社内メールですませました。

質問しても「・・・後で」とつぶやき、後で長々とメールで返事が来るというありさまでした。


Aさんは確かに優秀でした。指示は確実に、ミスなくこなし、納期にしっかり間に合わせる。ホウレンソウはメールでしたがこまめに上司に送り、周知することはccで該当者にしっかり送る。

納期に間に合わせるためには自発的に会社に残ったり、土日に出勤することもいとわない。


が、周囲は困りました。


仕事が・・・・というのではなく、空気的に。


なんだかAさんには話しかけにくいので、簡単な仕事は頼みづらく、結果、他の人が雑務を多くこなすことになってしまい、「なんでAさんは手伝わないんだ・・・・」という不満も聞こえてきます。


手伝わないわけではなく、頼めばやるので、上司も「もう少し周りをみて・・・」「周りに気を使え」「あたりまえにやってほしい」と、なんとも抽象的な指摘しかできない。


後輩をつけたら少しは自覚が出るかと思い、やる気のある新人の教育担当を任せましたが、教育方法もメールで作業をふり、メールで重箱の隅をつつくように添削し・・・・・新人は次第にやる気がなくなっていきました。



ついに上司が呼び出し、新人の面倒を見ないことを注意をしましたが、本人は目を合わせず気のない返事ばかり。

ぶつぶつと「だって・・・」「でも、私はちゃんとやっているのに・・・・」と言い訳ばかりする。

だんだんイライラしてきた上司は、「周りに気を使えないのは人として間違ってる!」「いったいどんな教育を受けてきたんだ!」「親の顔がみたい!」と、ヒートアップしてしまいました。

最後には、「もういい。そんな態度ならもう来るな。明日から来なくていい」

と、言ってしまいました。


無言で退席したAさんはさっさと荷物をまとめて帰り、会社に出てこなくなりました。


上司は「しまった、言いすぎた」とおもって、何度も連絡しましたが連絡が取れず、仕方なく、「無断欠勤が続いたため解雇する」として、解雇予告手当を支払って解雇としました。



その後、「無断欠勤が続いたというのは解雇理由としておかしい。解雇は不当だ。」「自分は仕事はしっかりやっていたのに、一方的に人格を否定されるようなことを言われた。そのため、しばらく仕事ができないような精神状態になった」「残業・休日出勤分の賃金が未払いになっているのでその金額と、不当解雇・パワハラに対して損害賠償と慰謝料を請求する」と、請求書が届きました。



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Aさんの主観だとこんなだったかもしれない。



人と話したり、表現したりすることが苦手なAさんは、それでも会社の役に立とうと一生懸命やっていました。

入社の面接のとき、「コミュニケーションは苦手だけど、こつこつと仕事をするのは絶対に誰にも負けない」と言ったAさんに、「うわべだけで仕事した気になってるやつはいっぱいいるけど、本当に信頼できるのは自分の作業や仕事をこつこつやって手を抜かないやつだよ!!」と、社長が言ったのです。

Aさんは社長の言葉に感激し、一生懸命働こうとおもい、誰よりも手を抜かず、こつこつと任された仕事をしていました。


入社当時、意見を求められて言いよどんでしまった時、「ああ、もういいもういい、意見ないなら後で考えて出して」と上司に言われたことがあり、それからどんなことでも、一度持ち帰って考えて、メールで返答するようにしました。

そのほうが、自分の意見もはっきり言えるし、よく考えてから発言できるから。


あるとき突然、「新人の面倒をみて」と、新人の担当になりました。

よくしゃべるのに、ミスばっかりしていて、間違えても「すみませーん」で済ませてしまう。

簡単な作業から任せて、一度見せてもらって細かくチェックして・・・・・・

でも、新人はどんどん態度が悪くなる。どうしたらいいのかわからなくて悩んでいるときに上司から呼び出された。


相談に乗ってくれるのかと思ったら、新人が働かなくなったのはAのせいだとさんざん怒られる。

どうしてだと思う!?と言われても、わからないものはわからない。でも、私はちゃんとやってるのに。

自分は自分なりに一生懸命やったのに。コミュニケーションをとろうともしない、というけれど、密にメールはしていたし、ホウレンソウはしっかりできていたのに。うわべだけで仕事した気になってる人とは自分はちがうのに。


最後は「もう明日から来なくていい」


あんなに頑張ったのにクビですか。


さすがに落ち込んだAさんは、涙をこらえてさっさと荷物をまとめて家に帰りました。


クビになったのに、翌日から会社から連絡が来る。

もう何もしたくなかったし、会社のことは考えたくなかったので、会社からの着信は拒否しました。

会社からのメールは迷惑メールに入るように設定し、目の届かないところへやりました。

それでも気分の落ち込みがひどいので、心療内科にかかったところ、仕事はしないで少し休んだ方がいいと診断されました。



一か月ほどした後、離職票が送られてきました。


会社を辞めた理由は「無断欠勤」。


そんな馬鹿な。

だってあの時、課長が「もう来なくていい」と、言い渡した。クビにされたのに。


納得がいかないAさんは、ネットでいろいろ検索し、自分は不当解雇だと考えるようになりました。うつ病になったのも全部会社が悪い。あんなひどいことを一方的に言うなんて、人権侵害じゃないか。


あんなに一生懸命やっていたのに。仕事が完璧に終わらなくて、土日に出勤したり、残ってやっていたのに、残業代払ってもらってないじゃないか。


そして、会社に復讐してやりたいいう思いもあり、請求書を送ることにしたのでした。



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どっちに同情しますか?





でも、本当にどっちが悪いとは言えないと思うんですよ。


ここで、これが悪いから、ここを直しましょうね、というところに労使問題のビジネスがあるのです。


例えば、


会社へ・・・・

そもそも、コミュニケーションが人並みに取れない人を採用したのが問題です

 →採用のターゲットを明確にし、面接官のスキルアップを図りましょう!!


会社のいうことに従わない社員が問題です

 →入社研修をしっかりやって、会社に忠実な、使える社員にしましょう!!


職場でのコミュニケーションの大切さを教える機会がないのが問題です

 →コミュニケーションの大切さを気づかせるために、レクリエーションを行いましょう!!


部下を育てられない上司に問題があります

 →管理職を育てる研修をしましょう!!


訴えられるような状況を作ってしまうのに問題があります

 →懲戒規定やパワハラの定義を社内で作成し浸透させ、訴えられないようにしましょう!!


残業代未払い請求

 →残業に対しては支払いは免れません。今後は勝手に残業しないように、残業時間の管理をちゃんとしましょう!!


Aさんへ・・・・

会社でコミュニケーションをとることができないAさんに問題があります

 →どこでも通用するコミュニケーション能力を身につけましょう!!


会社から理不尽なことをされたくらいで落ち込んじゃう軟弱な精神がいかんです

 →根性を身につけましょう!!


そんなことされたら落ち込んであたりまえですよね。相談できるところを探しましょう

 →カウンセリングをうけましょう!!


そんな目に合うのは先祖のたたりです

 →ツボを買いましょう!!


そもそも、会社で働かないといけない状況が悪いのです

 →家で簡単に稼ぎましょう!!そのためにこの商材を買いましょう!!


頑張っているAさんにそんなことをする会社が悪いのです。

 →泣き寝入りせず、訴えましょう!!





・・・・・・・・ありそうな商売を考えてみたんですけど。


なんか、根本的な解決になってなくないですか。



なんか変。なんか、気持ちが悪いんですよね。


だって、そもそも、最初は会社もAさんもお互いを信頼していたわけだし、それがだんだん「あれ、おかしいぞ?」となっていって・・・・・それが最終的に、感情として爆発してしまった。


どうしてあっという間に労使問題が


「敵同士」になるんでしょう。




そして、この問題が表に出てきてから、それぞれの立場で検索し、考えるもんだから、最初から「自分の味方」になってくれそうな情報だけ拾うことになります。


そうすると、対処療法することになって、「じゃあ、研修やろうか」「就業規則ちゃんと作っとかないとダメだね」となって、とりあえず、今回痛い目に合った薬だけ飲む。

それが免疫になって、次同じことが起こらないようにはなると思います。





でも、ほんっとーーーーーーーーの特効薬って。



なにか他に、あるのではないかな・・・・・なんておもうのです。