令和の時代になっても、PTOT の就職先は回復期病院が多い傾向にあります。もちろん求人の絶対数が多いのもあります。
地域リハビリ分野で働く意欲はあるけど、周囲の友達が病院希望で、「はじめは病院からがいい」という先輩の意見を聞いて揺らぐこともあるみたいです。
結論
いずれは地域で活躍したいと考えているなら、思い切って飛び込む方がよい!
~就職先は十分に検討すべき~
1.なぜ、病院勤務を勧める人が多いのか?
2.地域リハ分野の就職に躊躇する理由は?
2020 年を超えたあたりから、介護老人保健施設のセラピスト配置数は増加し、私が所属する京都府では、施設平均で 7 名程度のセラピストが働いています。10 名以上の施設も随分多くなりました。
これから徐々に教育体制が整った施設が増えてくると考えられます。
3.悩んでいる場合、「本当の自分の気持ち」に向き合ってみよう
私は養成校での学習や実習を通して、住み慣れた家での暮らしを支援する地域リハビリの仕事がしたいと思っていました。
同じように考えている方も多いのではないでしょうか?
いづれは地域で働きたいと思っていたら、悩んでしまうのはあたり前です。
悩んでいる場合、どうして就職先に悩んでいるのか、今一度気持ちの棚卸をして、「本当の気持ち」をやさしく見つめることをおすすめします。
『生活を支えたい 』『一緒に家族と暮らす姿を支えたい 』『喜んでいる姿を支え続けたい』 『継続した支援をしてみたい』 など、どんなことをやりたいのか、大切にしたいのか…と心の中を見つめてみてはいかがでしょうか?
その原石となる気持ちが明らかになれば、ふさわしい分野と職場が探しやすくなると思います。
4.地域リハの専門性とは?
病院で働けたら地域でも働けるのでは?という気持ちがどこかにあるかもしれません。
実際私にはありました。
しかし、急性期には急性期の、回復期には回復期の、生活期には生活期の専門性があります。
生活期においては、ICF でいう個人因子と環境因子の評価力と身体機能・活動との適応力が求められます。
心理支援、環境の活用、家族のエンパワメントといった専門性を磨く必要があります。
「いずれは地域へ」と思っている間に、その分野の専門性を磨く時間を削ってしまわないように気を付けてください。
これはどこに勤めるにしても大切なキャリア形成の視点です。
今後ますます療法士数は増加していきますから、スキルは早めに高めていくことをおすすめします。
5.就職先を選ぶには目利きも必要
就職先を選ぶには、分野も大切ですが、職場風土が最も重要です。
人数が多く症例の多い大病院であっても、離職率が高く中間層がなく、教育体制が不十分なこともあります。逆に少人数施設だけれど、離職率が低く、他部門連携や地域からの評判が高く、教育体制が整った施設もあります。
必ず施設を見学し、先輩たちが楽しそうに働いているか、接遇は良好か、過度な残業はないか、などを確認してください。
できれば先輩療法士の話を聞かせてもらって下さい。
未来の同僚の話を直接聞くことで、職場の熱意や雰囲気が伝わってくると思います😁
まとめ
新卒の就職先は、「地域よりも病院の方がよい」は本当か?について解説してきました。
結論としては、いずれ地域リハと考えているなら、早めに飛び込んだ方がよいと思います。
どこに就職するにしても、どのような療法士になりたいか、どのような役割を担いたいか、どのような働き方を望んでいるのかを明確にして、ご自身のキャリアを形成していただきたいと思います。
地域リハを考えている方は、ぜひ近くの施設を見学してみることをおすすめします!
