努力はスカラーではなくベクトルである。
スカラーとは他の意味合いを持たない単なる「量」としての数字。努力で言えば「2時間頑張った」などは、努力をスカラーで表現していると言える。
いっぽうベクトルは、量だけではなく「向き」を持つ。努力で言えば「勉強の問題集を2時間頑張った」「歌手になるべくボイストレーニングを2時間頑張った」などは、努力をベクトルで表現していると言える。
同じ2時間頑張ったにしても、2時間の内容は色々ある。2時間やること自体よりも、「何を」2時間やるかが重要。その2時間で、あなたはどこへ向かって進んだのか。努力はスカラーではなく、ベクトルである。
才能のある人が、あらぬ方へ向かって進んでいくのを見ると、声を掛けたくなる。その時間の努力を止めて、他のことに向けてほしいと思う。でも、本人は頑張っているから、よほど近しい仲でなければ止めることはしにくいし、難しい。
仕事を辞める人に「おめでとう」と言うのが海外の文化だという。日本では仕事を辞めると「寂しくなりますね」「次は何をするの」という話が主になるが、僕は「おめでとう」と言いたい。
全ての転機を迎えるあなたに、おめでとう。次の目標へ向かって、また頑張ってください。