世の中のDVが減りますように。
人が困っているところを見て見ぬふりをする人がいなくなりますように。 


あのとき本当は私は普通ではなかった。
怖かった。恥ずかしかった。誰かにすがりたかった。


本当は誰かに「よく無事でいてくれた、大丈夫だったか!!!!」と抱き締めてほしかったのかもしれない。

体の震えと脱力感と、恐怖と屈辱感と。


あのとき落ち着くまで警察官といてもらい、長与さんに電話するなり、親に電話するなり、近くにいる知人に電話するなりすればよかったのに結局「警察官にご迷惑がかかるから立ち去らないといけない。」という頭が先走り、無理をしてしまったことが本当にいけなかったんだと思います。


本当はこのあと、もう一件、食事をかねた打ち合わせがあって、でも先方たちの都合で時間が遅れてしまい、待ち合わせで時間を潰してほしいと言われている間におきた事件なのです。

時間を潰すにも店にもどこにも入れない雨ざらし。

このとき早く先方さんに会うことしか私には私が助かる方法が見当たらなかった。

警察官が
「君、家に帰るの?これからの予定は?行くとこあるの?」
↑(若いイケメン警察官からの質問ではあるが、間違ってもナンパではない。こんな冗談も少し言えたり言えなかったりが今の私。)

そんな問に事細かに話をしてしまったのだ。
「これから、人と会うんですが、先方の都合で時間が遅れてしまい、時間を潰すよう言われたのですが、私、カフェにもどこにもこれでは入れないので、約束をしている人たちがいる○○会社のほうに向かって歩きます。」

それだけ言い残し歩き出した。

やっとこさっとこ先方さんにはお会いできたものの、ずぶ濡れ泥まみれ。


しかし、特に何かがあるわけでもなく食事の場へそのまま足を運んだ。

そしてそれまでのいきさつを話した。

すると…

「警察官に勤めてる会社の名前言うとか普通あり得ないよね?迷惑かけるのはやめてもらえる?」
と言われてしまったのだ。


「いやな思いをさせたなら謝るけど、私が遭遇した出来事の状況もわかってほしい。正常な判断や行動は難しい状態だった。」

そう謝罪をしたのだが…


「事件に巻き込まれた巻き込まれた言っても、自分から助けに入ったんだよね?相手に勝てる自信があるから立ちはだかったんだよね?殴られてる人を見て見ぬふりをするする人ばかりだから自分が人を助けるって変じゃない?それで私も精神的に辛かったとかおかしいわよね。」

と言われたのだ。

やったことに対する全否定、ましてや夫婦には悪者にされたから、これで女性が助かったなら未だしも、なおさら力を込めてよかったよかったとは言えなくて。

でも…

「人が殺される、助けてと倒れて助けを求めているのに助けに入らないで見て見ぬふりをするのは人の道じゃない!命を軽々しく思うな!」

と叫んで私は立ち去った。


悲しくて、辛くて、涙が出て、誰かに電話をして、助けを求めようとしたときには110通報で残った電源を使い果たし、誰にも連絡が出来なかった。

ただ泣きながら歩いていくしかなかったのである。


確かに助けたのは自分の責任。
その人のいうことは間違ってはいない。

でも助けて、殺されるって叫ぶ人がいたら助けるのは当たり前、これは不動の倫理だと思う。

それに自分自身が何か被害にあい助けを求めたとき、みんなが見て見ぬふりをしたら怖くて仕方ない。

だけど、確かに自己責任といわれたらそれまでかもしれない。

きらきら太陽プロジェクトだって、誰かが頼んだわけではない。
乳児院からは「助かります、ありがとうございます」と言われても、きらきら太陽プロジェクトを立ち上げてくれとは言われていない。

きらきら太陽プロジェクトのみんなで話し合った人の役に立つためとは?の意義
を話し合っても結論がでなかったかのように…


初めてわかったすべての思い。
今まで分かっていなかったすべての恥。

人の精神はもろく、そして繊細で、それは「能力の高低」ではないと痛感した。

自分が自分を全否定し始めた。


これが全てでした。