青しるべ おはよう,青しるべだよ.

沖縄と奄美の梅雨が明けたみたいだね

 

団員の増田です.

先週のブログで田島さんがそろそろ沖縄の梅雨が明けそうだと書いていましたが,

25日に沖縄地方と,続いて26日に鹿児島県の奄美地方で

梅雨が明けたとみられるとの発表がありました.

南の島ではいよいよ夏の本番を迎えます.

 

僕たちのいる東京も,梅雨の割には天気がいいし

暑い日も多いんだけど,

やっぱりスッキリしないよね.

 

そうだね,

関東地方の梅雨はまだまだ続きそうです.

そうそう,梅雨といえば先日,

NHKの番組「チコちゃんに叱られる!」で,

「梅雨は何であるの?」という質問が取り上げられ

「チベット高原があるから」という回答に出演のみなさん

意外そうな表情を浮かべてたよね?

 

うん,あんなに遠くの山なのにって思うよね.

 

確かに4000キロも西にある山地が遠く日本に影響するというのは

とても不思議な気がするんだけど,

それには納得の理由があるんだ.

まず,チベット高原はとにかくめちゃくちゃ背が高い.

大気圏のうち気象現象が主に起きる「対流圏」の高さは

せいぜい1万m超ぐらいなのに対し,

チベットの山々の一番高いところだと8000mを超える.

そして,日本の面積の6倍とめちゃくちゃ広い.

これだけ高くて広いと,とても大きな風でも

左右に分かれたり,方向変えないといけなかったり,

分かれたあとにまた日本のちかくで合流したりして,

遠い東の日本にもいろいろな影響をもたらすんだよ.

 

スケールの大きすぎる障害物なんだねぇ.

 

その影響は梅雨に限らずで,

たとえば冬のシベリアの大地でキンキンに冷やされた空気が

日本のほうに流れ出して日本海側の大雪の原因になる

「冬の季節風」も,

チベット高原の影響が大きかったり.

 

はるか遠くなのに日本もいろいろと大変だなぁ.

 

ちなみに「チコちゃんに叱られる!」では,梅雨の理由を

こう説明していました.

まずチベット高原で大規模に空気が暖められて上昇し

その部分の気圧が低くなります.

そこに向かって南のほうから吹き込んでくる暖かく湿った空気が

地球の自転によるコリオリ力で東に向きを変えて日本付近へと向かいます.

これが「モンスーン」と言われる季節風.

この暖かく湿ったモンスーンと,

日本付近に残る冷たい空気との間に梅雨前線ができて

停滞して天気が悪くなるというわけです.

 

さらにはチベット高原で暖められて上昇した空気自体も

ジェット気流で東に流され日本の上空にやってきて

これら2つの暖かい空気の間でも対流雲が生まれ

激しい雨をもたらす,という話しもされていました.

 

へぇ,チベット高原のおかげで,

暖かい空気が日本に集まってくるんだね!

冷たい空気のほうはどうなの?

 

梅雨ぐらいの時期の北海道のオホーツク海には

「オホーツク海高気圧」という

冷たく湿って背の低いペタッとした高気圧ができていて

そこから冷たく湿った空気を吹き出しています.

この高気圧はオホーツク海の冷たい海水からできるんだけど,

実はチベット高原で偏西風が南北に分かれることで

東に去ってしまわずに,ずっと北海道付近ににとどまります.

だから同じ場所からずっと冷たく湿った空気を出し続けて,

梅雨前線を停滞させる原因になるんだ.

 

なんと,これもチベット高原なの?

 

そうなんだよ.

オホーツク海とチベットなんて,さらに遠いのに!

オドロキでしょ.

 

さて,いまちょっと話しをしただけでも梅雨に関わる空気が

たくさん出てきましたね!

 

 

モンスーンの暖かく湿った空気,

チベットで暖められた暖かく乾いた空気,

オホーツク海高気圧の冷たく湿った空気っていう,

劇団ならではの言い方をすると役者が3人もいる.

さらには日本の南には暖かく湿った太平洋高気圧,

大陸のほうの冷たく乾いた空気もあったり,

多くの役者が日本付近でいろいろとぐちゃぐちゃしてる

それがちょうど梅雨というわけです.

違う質の空気同士の触れあっているところを前線といい

それぞれの役者が前に出たり,下がったり.

いうなら「梅雨前線劇場」ですね.

そして,チベット高原は裏から見守ってコントロールする

劇のプロデューサーみたいなものかもしれません.

 

うわー,たくさんの役者さんにプロデューサー!

劇団だなぁ.

 

「梅雨前線」ってさらっと一言でいうけど,

よくわかってないこともまだまだ多いし,

さらに場所や時期によってでき方も降り方も違う.

とっても奥が深く,予想もとても難しい現象なんだ.

 

梅雨で雨が降っているときはぜひ,

その降っている雨に注目してみて下さい.

 

冷たく霧雨みたいな雨が蕭々と降っているときは,

「あ,オホーツク海高気圧が調子に乗ってるな」(陰性梅雨)

晴れ間もありつつ激しい雷雨が降ったりしたら,

「あ,暖かく湿った南風が調子に乗ってるな」(陽性梅雨)

なんて思ってみれば,

いろいろな役者の息を感じられて,うっとうしい季節も

楽しめるカモしれません♪

 

おー,劇場と思ったらたのしそう!

やってみよう♪

 

梅雨のばらつきという意味で,ついこの前梅雨の明けた

沖縄,八重山の梅雨を振り返ってみましょう.

今年の八重山の梅雨は,

前半はかなり干ばつ気味で,後半には多少の降水がありました.

 

5/18〜6/24の梅雨の期間に降った雨量観測値は

石垣島175.5mm,西表島130.0mm,与那国島130.0mm

 

平年値は,

石垣島292.3mm,西表島250.9mm,与那国島246.9mm

このように平年の半分程度の「空梅雨」となりました.

 

ちなみに去年の2022年は

石垣島808.5mm,西表島745.0mm,与那国島755.0mm

と,梅雨の期間にたくさんの雨が降りました.

今年は去年と比較すると2割程度しか降ってないという事になります.

 

去年は復帰50周年の同窓会で梅雨の最中の5月に帰りましたが,

残念ながら毎日雨でした⋯

そりゃねぇ,平年の2倍以上,800mmも降ればしかたない.

 

へぇ,年によってまったく表情が違うんだね.

さてさて今年の関東の梅雨,どうなっていくんだろうか.

 

ところで,

気象庁の発表する梅雨入り,梅雨明けの発表って

それぞれ汲んで欲しい意図があるんだってね!

 

そうそう,

最後にそれをいっておきましょうね.

「梅雨入り」は,

このあといよいよ多雨の季節に入るので,

大雨,洪水,低いところの浸水,土砂災害など,

大雨に伴う災害に注意して欲しい.

「梅雨明け」は,

このあといよいよ太平洋高気圧におおわれて,

とても熱い季節に入るので,

熱中症に注意して欲しい

そういう注意喚起の気持ちが含まれています.

気象庁の発表する梅雨入り,梅雨明けの速報の時期には

そういった気象庁としての意図が含まれていること,

ぜひちょっとココロに置いといていただければと思います.

 

わかった!

とりあえず,東京はまだ梅雨.

大雨に気をつけつつ,役者を気にしてアジサイでも見ようかな.

 

 

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