青しるべ おはよう,青しるべだよ.

多くの場所で桜が咲いて,いよいよ春本番.
増田さん,春の妖精に会えたんだって?

 

団員の増田です.

そうそう,春の妖精についに会うことができました.

最初に会いたいなぁと思ってから,

40年ちかく経っちゃった.

 

春の妖精っていえばやっぱり

ティンカーベルみたいなかんじなのかな?

 

うーん,ちょっとちがうかな.

それではお見せしましょう,じゃーん.

日本固有種でアゲハチョウの一種

「ギフチョウ」でした.

 

昔からアゲハチョウを育てるのが好きで,

たくさんのアゲハチョウの仲間を卵や幼虫から育てて

チョウへと羽化させてきたけれども,

この「ギフチョウ」は

愛読していたチョウの図鑑の中でも孤高の気品を感じる

とても会ってみたいチョウだったんだ.

残念ながら住んでいた地域にはいなくて,

いつか会いに行きたいなと思っていました.

 

キレイだなぁ!

アゲハチョウはだいたい一年中飛んでるイメージがあるけど

「春の妖精」って言われるのはなぜ?

 

それはね,1年のウチで春にしかその可憐な姿を

見ることができないからだよ.

 

通常のアゲハチョウの仲間の年間スケジュールは,

まず4月に

越冬したサナギから最初のチョウが羽化します.

これは「春型」といって,ちょっと小さめ.

 

その春型のチョウたちが結婚し,産卵し,幼虫が育って,

サナギになると約2週間ぐらいでチョウになります.

これが「夏型」

春型よりもやや大型の立派なチョウになります.

夏から初秋の暖かい季節のあいだに,

この産卵〜羽化のサイクルを2,3回繰り返します.

 

秋の入り口に羽化した最後の夏型から生まれた幼虫は

サナギになったら翌年の春まで数ヶ月休眠,越冬し,

そして翌年の春に「春型」としてチョウになります.

そういうサイクルなので,

暖かい季節はだいたいいつでも飛んでるんだね〜

 

一方でこのギフチョウ.

なんと「夏型」がありません.

 

4月に羽化したチョウが産卵した卵は,

数週間のうちにサナギになり,

サナギのまま夏を迎え,秋を迎え,さらに冬を越えて,

ようやく次の世代のチョウになるのは

サナギになってもう1年近く経とうかという

次の年の4月なのです.

 

つまり,チョウとして飛んでいる時期は春だけ.

春の間にだけ,可憐に,優雅に,

そして華やかに舞う姿についた名前が

「春の妖精」というわけです.

 

1年かぁ.長いなぁ.おなかすいちゃうなぁ.

 

サナギの間は休眠状態で,

ごはんを食べる口がないから

食べようにも食べることはできないかな.

ぐっすり寝ています.

 

ところでこの写真のギフチョウ,

岐阜県の土岐市で見たんだけど

実は自然の中でみつけてきたチョウではないんだ.
 

ギフチョウの生息域である地元の有志が

数を減らしている天然のギフチョウをまた当たり前のように

舞う姿が見られるように,

産卵された卵の一部を保護し食草を与えて育て,

羽化させて放つする活動をされています.

そのチョウを放つ行事に参加させてもらったんだ.

 

遅い時間に現地で羽化したコは,

まだ羽が伸びきっていなかったり.

 

山ツツジの上などに放たれたギフチョウたちは80頭程度

とのこと.

しばらく花の上でそれぞれ羽を広げて太陽の光をあびて,

それぞれ山林の中へ思い思いに飛び去っていきました.

 

 

ギフチョウ,

日本にしかいない「日本固有種」というのもあって,

とっても見たかったんだ.

だから,今回ようやく見ることができて本当に感動した.

可憐だったなぁ.

いつか,自然の中でも見てみたい.

 

とってもキレイ!

春の妖精という呼び方,ピッタリだね!

 

「日本固有種」というのは

日本にしかいないっていうことだよね.

 

そうだ!

増田さんの身近に住んでた「イリオモテヤマネコ」も,

そういう意味では「日本固有種」だよね.

世界で沖縄の西表島にしか住んでいないんでしょ?

(西表野生生物保護センター提供)

 

おーー,よく知ってるね.

「イリオモテヤマネコ」

地元では「やまぴかりゃー」(山で光る者)として

以前より知られるネコだったんだけど,

1967年に改めて1属1種の新種として報告され,

20世紀最大の発見とまで騒がれて有名になった.

 

 

うんうん,知ってる.有名.

それで西表島のことを知ってくれてるひとも多いと思う.

 

しかしながら近年に遺伝子の解析により

アジア東部に住む「ベンガルヤマネコの亜種」とされ,

日本固有種であると言えないかんじに⋯

 

なんと⋯(T_T)

悲しい顔しないで.

 

同じく離島の長崎県の対馬に生息する野生のヤマネコで

「ツシマヤマネコ」も同じくベンガルヤマネコの亜種

と考えられている.

 

とはいえ,固有種であろうと,固有亜種であろうと,

20万年前に大陸から海で切り離され

小さな島の中だけで独自の進化を遂げた姿が

とっても貴重であることには変わりは無い.

この数少ない生息数を維持していくために,

ヤマネコと人とがお互い暮らしていく島の環境などなど,

頑張って守っていかないといけないんだね.

 

うん,大切なのはなんも変わらない.

 

(西表野生生物保護センター提供)

 

西表島には

イリオモテヤマネコをはじめ野生生物の保護を目的とした

「西表野生生物保護センター」という施設があって,

ケガをしたヤマネコなどを保護したり治療したり

ヤマネコが生活しやすい環境を守るための啓蒙活動をしたり

いろいろと頑張ってるんだ.

一部見学できるところもあるよ.

最後にHPのリンクを貼っておくので,ぜひ見に行ってみて.

 

わかった!

これからもヤマネコさんたちが元気に生活できる

島の環境を守っていかないといけないね!

 

日本固有種,他にはどんなのがいるの?

 

有名どころでは,

ニホンカモシカ,アマミノクロウサギ,

ヤンバルクイナ,オオサンショウウオ,ニホンザル

ちょっと意外なあたりだと,ヤマネ,ムササビ.

アオダイショウ,ヤマカガシ,アカハライモリ

シシャモも日本固有種みたい.

 

調べてみたら,本当にたくさんの日本固有種がいる.

周辺大陸とはすべて海で隔てられ,

日本ならではの進化が進んだ結果と言えそうだね.

 

へぇへぇ⋯
イリオモテヤマネコもそんな固有種のひとつでいいよなぁ⋯

ブツブツ⋯

 

二十四節気では「清明」

いろいろな生きものが輝いて春を謳歌しはじめる

素晴らしい季節の始まり.

ブツブツ言わず,新鮮な春を楽しみながら頑張ろう.

イリオモテヤマネコについては,

またこのブログのどこかでちょっと掘り下げてみようかな.

 

おっけー!

ツブツブのアンコの入った豆大福でも食って

頑張ろう.

 

 

 

 

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