青しるべ おはよう,青しるべだよ.

秋分の日を過ぎて

ここ東京も昼はまだまだ暑いなぁと思うけど,

朝夕はすっかり涼しくなったよね.

 

団員の増田です.

先週の田島さんの記事

「暑さ寒さも彼岸まで」の言葉のとおり,

秋分の日,9月も終わりを迎えて,

いよいよ秋本番に突入します.

青しるべくん,涼しくなってきた以外で,

秋が来たってどういうときに実感する?

 

秋といえばやっぱり⋯

食い気だよねぇ.

 

それは確かにその通り!

焼きいもがとっても美味しい季節になってきました.

それでは大好物の焼きいものハナシを⋯

 

⋯いえいえ,今回は焼きいもではありません.

 

例えば,

巻雲など上層雲メインの晴天で,空が高くなる,

収穫が済んだ田んぼ特有の,稲わら焼きの香りがする⋯

などなど

秋の入り口を感じるきっかけはいろいろあると思いますが,

個人的には「キンモクセイ」の香りをキャッチしたら

秋が来たなぁと実感します.

 

実は一昨日,所用で訪れていた栃木県内某所で

ふと「キンモクセイ」の独特の甘い香りがしていることに

気がつきました.

開花したおはなも確認しました♪

キンモクセイの甘い香り.

たしかに秋が来たって感じるね!

ここ東京ではまだ香っていない気がするけれども⋯

 

青しるべくんのところではまだなのかな?

実は増田のいる神奈川県横浜市の某所でも

いまのところまだ香っていません.

ただ,都内を含めて南関東でもキンモクセイの開花の報告が

ぽつぽつ届き始めているので,

きっとこのあたりでもまもなく漂ってくると思います.

キンモクセイの開花のきっかけはまだまだわからないことも

多いみたいだけれども

紅葉などと同様に,秋の訪れのお知らせのひとつなので

気温の低いところがより早く開花していく傾向があるみたい.

 

キンモクセイは日本全国どこでも平等に

秋の訪れを知らせるの?

 

うーん⋯

秋といえばキンモクセイ香るのがアタリマエでしょ

的な書き方をさんざんしてきましたが,

実は日本の中でも,北は青森以北と北海道,

南は沖縄以南には基本的にキンモクセイはありません.

沖縄本島ではがんばって栽培して開花させている方も

いらっしゃるみたいですが,

なかなかに厳しいようです.

ましてや八重山ではまったく見られません⋯

 

あらら⋯

 

北東北や北海道についてはおそらく

冬期の気温が低すぎるのが厳しいとみられます.

沖縄や八重山については

本土に比べると年中温暖で季節変化に乏しく,

気温の低下が開花に深く関わるようなので

条件を満たさないのだと思われます.

 

去年,キンモクセイ経験のある石垣島の同級生に

苗木をプレゼントしましたが

結局石垣では開花には遠く至らず⋯でした.

彼にはぜひ,

石垣にキンモクセイの香りを放ってほしかったのですが.

 

いつか成功するといい⋯のかな.

 

だからよ,

そんな日が来たら個人的には楽しいとは思うけど.

でも,その土地にはその土地ならではの季節があり,

その季節もずっと変わらないわけではなく

地球環境の長期的な変化だったり,

動植物の側の進化や適応などいろいろな要素で

長い時間をかけて変化していきます.

今後それらがどうなっていくのかはわからない.

八重山にキンモクセイが今のとこ咲かせられない事にも

意味があって,

その結果については受け入れるべきかなと思います.

キンモクセイが無い代わりに,

北海道には北海道の,

沖縄には沖縄の季節のお知らせがあるということです.

 

さて,

咲く時期がある程度限定されていたり,

強く特徴的な甘美な香りを放つ花は他にもあります.

ちょっと紹介します.例えば,

3月頃に咲くジンチョウゲ

 

4月頃に咲くハゴロモジャスミン

 

6月頃に咲くクチナシ

 

7月頃に咲くニオイバンマツリ

などなど,

どれもいっぺん匂いしたら忘れられないぐらい

強く特徴的で甘美な香りを放つおはな.

 

とはいっても,これらすべてをぶっちぎって

キンモクセイは全てが印象的.

それにはいくつかの理由が考えられます.

 

秋を迎える街の中,近隣のキンモクセイたちは

まるで申し合わせたように同時期に一斉につぼみを付けて,

そしていっせいに開花して香りを放ちます.

街全体が一瞬にして鮮烈な香りに包まれるため,

その街では誰でも開花の瞬間を共有できます.

そして,その香りが続くのはほんの数日だけ.

香りを失った花がらは雨や風で一斉に散って

地面を黄金色に覆います.

 

そう.

これって,春における「ソメイヨシノ」と

似ている気がしませんか?

日本の季節の風物詩として大切な要素である

「一斉」「鮮烈」「刹那」

これら日本人好みの要素を併せ持った存在だからこそ,

秋の訪れを告げる代表的な存在になっているのだと

思います.

秋は他の花にライバルも少ないというのもあります.

 

そっか,そう考えるとキンモクセイって,

秋のサクラっていえるような存在だね!

あ,そうそう.サクラサクといえば⋯

気象予報士の合格発表,そろそろだったよね?

 

おー,さすが!

今年1回目の気象予報士試験(第58回)の合格発表は

明日9月30日.

受験生たちはドキドキしながらその瞬間を待っています.

懸命に勉強し,努力をされた受験生のみなさまに,

佳いお知らせが届くことを祈っています.

 

(文中の全てのおはな,イモは増田撮影.)

 

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