こんにちは。
青しるべだよ。
東京は蒸し暑い日があったり大雨だったり。皆さんの地元はどうかな?台風も気になるよね。
さて、今日は江口さん、よろしくお願いします。
皆さんはラジオ天気図を描いたことがありますか?
私は中学生の頃から天気図を描くのを趣味にしていたのですが
、当時から不思議に思っていた気象現象がありました。
太平洋の北の地域に広く描かれる、「濃い霧」です。これがしょっちゅう出ているのです。
私は海のない京都市で生まれ育ったので、海上に広がる大規模な霧というものがイメージできませんでした。
「濃い霧」の一つの形態が、東北地方でいう「やませ」に現れます。やませとは、「春から夏に吹く冷たく湿った東よりの風。東北地方では凶作風といわれる。主として、東北地方の太平洋側を中心に用いられる。」(出典:気象庁HP)
やませ発生のメカニズムは意外と複雑なようで、オホーツク海高気圧から吹き出す冷たく湿った風だけでは説明がつかないそうです。最近、三重大らのグループは、黒潮と親潮がぶつかる海域に発生する西向きの風が、やませを東北沿岸に向かわせるという新説を出しました。大気現象に海水の状態が影響するという、興味深い研究だそうです。
ところで、やませ発生時は海上でも低層大気は冷たく湿っているわけで、海霧が発生します。これが天気図の海上の「濃い霧」の正体の一つだったのですね。
やませが吹くと、太平洋沿岸では真夏でも最高気温が20度を下回る日が続くことがあり、昔の東北は凶作による飢饉に苦しみました。二・二六事件も、やませがもたらした冷害による社会不安が、その一因と言われています。
一方でやませが本州の脊梁山脈を超すとフェーン現象となり、晴れて暖かくなるために、秋田などではむしろ豊作をもたらすそうです。
これは昨年のちょうど今頃、岩手県久慈市小袖で撮った写真です。バスの窓越しに撮ったのであまり良い写真ではないですが、濃い霧が層をなしていました。これが「やませだ!」、とその時は思ったのですが、、、。
この日は、風向こそ東よりの風だったのですが、気温は30度を超す猛暑でした・・・・。ですので、やませによる霧ではなかったのかも知れません。
もっとも、やませの多いこの地方は夏でも涼しいのが普通で、泊まった旅館にはクーラーがなく、暑くて寝れませんでした。
今年もこのブログが公開された週末にまた北三陸に遊びに行きます。2011年の津波に加えて、昨年8月に台風10号による甚大な被害が出た地です。今年も台風の動きが気になりますが、直撃が避けられたとしても台風による高波が心配されます。
台風が接近しそうな地域の方はもちろん、離れた場所でも台風の影響で大雨が降ることがありますので、皆さんも十分に注意してください。竜巻も台風に伴うことがあるので要注意です。
『8月7日追記』
北三陸から帰宅しました。今年の東北は梅雨が明けても天候不順で、小岩井農場の方に聞いたところ、夏の花と秋の花が同時に咲いたりしているそうです。
やませは梅雨の時期に多いと、三陸海岸の人も内陸の人もおっしゃっていましたが、今年は特に多いそうです。
下の写真は今年の8月5日の朝の久慈市侍浜(アキちゃんが、もぐりの練習をした浜)。晴れていたら太平洋から上る朝日が見事なのですが、やませによる霧で視界不良でした。
小袖は朝ドラの舞台にもなった「袖が浜」のモデルだよね。
よく見たらあの灯台も写ってるね。
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