組織のトップが果たすべき一番重要な役割とは——東京海上ホールディングス会長・永野毅 | 致知出版社公式アメーバブログ

 

 

 

国内最大の損害保険グループである東京海上ホールディングス。社員約4万人を擁するグループを社長、会長として牽引してきた永野毅さん。永野さんは世界初となる生保、損保一体型保険を自ら開発して有力商品に育て上げた他、「To Be a Good Company」というビジョンを掲げ、売り上げやマーケットシェアを伸ばすという従来の考えを、社員の活力やお客様からの信頼を伸ばすという考えに転換、社員の意識を変革し、実績に結び付けてきました。

 

卓越したリーダーである永野さんに、トップが果たすべき役割についてお聞きしました。

 

 

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■トップの熱い言葉が人を動かす

〈永野〉
私は社長に就任後、真面目な話を気楽にするという意味の「マジきら会」を社内で始めると発表しました。経営陣、管理職、新人が役職や肩書を超えて闊達に本音で話し合うことで、組織を活性化させることを目指してやってきたんです。

 

私自身もこれまでに国内外で約2万人の社員と対話を重ねてきました。

 

そもそも堅苦しい会議では、皆本音なんか言いません。休憩時間中にトイレに行って仲間内で「あんなことやったってうまくいかないよな」って、これが本音ですよ。本音・本気で語らない限り、トップの本当の思いは伝わらない。いくら経営理念を語り続けても、ただ頭で理解し腑(ふ)に落ちていないようでは組織は変わらない。

 

それには社長をはじめとする組織のリーダー自らが現場に出向いて、心を開いて思いを伝え、課題に耳を傾け、対話を重ねる外ないんです。

 

いまの保険業界では、一社だけ、業界だけ、日本だけという枠組みで解決できる問題はだんだん少なくなってきました。

 

運用面でもITの面でも求められるのは、世界の叡智を結集したグループ一体経営。つまり、いろいろなノウハウを持った人材が集まる多様性に富んだ組織づくりをしていかなくては生き残れない時代になってきたんです。

 

さらに、国内で自然災害のリスクが高まっていることを思えば、海外での事業展開を進めてリスクを分散していかなくてはいけません。

そうなると組織の遠心力は高まりますが、求心力が弱まりますから、より対話が重要になってきます。マジきら会などを通していかにこの両方のバランスを高いところで保っていけるかが勝負ですね。

 

 

――永野会長は4万人の社員を導くリーダーとして、どのようなことを心掛けてこられましたか。

〈永野〉
その人の醸し出すトーンというものがあるでしょう? トップの醸し出す雰囲気を社員は皆見ていますから、これはとても大事だと思います。

 

当社の場合、しっかりした経営理念があるわけですが、トップの言動がその理念と一つでなくてはいけないのは当然として、そこからどのような具体的なメッセージを発するかも大事になってきます。そのメッセージがポジティブなカルチャーをつくるんです。

 

それにはトップやリーダー自身が自らの言葉で発信し、行動する人でなくてはいけません。トップの熱い思いを込めた言葉ほど人を動かすものはありません。

 

 


(本記事は月刊『致知』2022年5月号 特集「挑戦と創造」掲載のロングインタビューを抜粋・編集したものです)

 

 

◇永野毅(ながの・つよし)
昭和27年高知県生まれ。50年慶應義塾大学商学部卒業。東京海上火災保険(現・東京海上日動火災保険)入社。営業や商品・サービス開発に携わった後、東海ブロックや海外事業担当の役員を務める。平成25年東京海上ホールディングス社長に就任。31年代表権のない会長に就く。

 

 

 

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~93歳現役の人間国宝に聞く
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高橋幸宏(榊原記念病院副院長)

工藤公康(福岡ソフトバンクホークス前監督)



「丸山敏雄と森信三~2人の巨人が目指したもの」
丸山敏秋(倫理研究所理事長)


天は父なり、児童福祉のパイオニア
「石井十次の歩いた道」
児島草次郎(石井記念友愛社理事長)



ドムドムバーガー復活の軌跡
藤崎忍(ドムドムフードサービス社長)


日々の鍛錬が人生を創る
岡田隆(日本体育大学体育学部教授)


販売の極意は利他の心にあり
橋本和恵(売れる売れる研究所代表)



対談「愛するところに人生の希望は生まれる」
~少年たちの声なきSOSに耳を傾け続けて
野口義弘(野口石油会長)

堀井智帆(スクールカウンセラー)


最高の菓子づくりに生きる
水上力(一幸庵店主)

青木貞治
(Sadaharu AOKI Parisオーナーシェフ)


連載「意見・判断」(緊急提言)
日本の抑止力をいかに高めるか
番匠幸一郎(元陸上自衛隊西部方面総監)

兼原信克(元国家安全保障局次長)



連載「私の座右銘」
山口明夫(日本IBM社長)


連載「忘れ得ぬ人忘れ得ぬ言葉」
五木寛之(作家)


連載「禅語に学ぶ」
横田南嶺(臨済宗円覚寺派管長)



連載「人生百年時代を生きる心得」
田中真澄(社会教育家)


追悼 安倍晋三氏




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