モーニング娘。やAKB48を育てたダンスプロデューサー・夏まゆみが語る「指導者の条件」 | 致知出版社公式アメーバブログ

 

 

 

 

モーニング娘。やAKB48などのアイドルから故・志村けんさんといった大御所まで、300組以上を手掛けてきた名ダンスプロデューサー・夏まゆみさん。鬼コーチとしても有名ですが、厳しい指導の裏には生徒たちへの愛があります。夏さんが語る「指導者の心構え」「エースの条件」は指導する立場の人だけでなく、現場で第一線に立つすべての人の仕事に役立つでしょう。

 

 

 

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■原点はナインティナイン、雨上がり決死隊の指導

 

ダンサー兼振付師として活躍されていた夏まゆみさんが、振付師の道一本に絞ったのは1993年、31歳の時でした。以来、着実に実績を重ねてこられましたが、振付師として真の覚悟が定まったのが、吉本興業での仕事だったといいます。

 

〈夏〉
「振付師として5年間実績を積んで、自信もあって、今度は吉本興業から声が掛かったと嬉々として臨んだのですが、振り返れば私の最大の逆境であり、指導者としての原点になった仕事でした」

 

その仕事とは、「吉本印天然素材」。1990年代に「天然素材」「天素」という愛称で親しまれたのを、懐かしく思い出される方も多いのではないでしょうか。ナインティナイン、雨上がり決死隊、FUJIWARAなど、いまも活躍する芸人たちのユニットです。

 

しかしこのプロジェクト、事務所側が芸人を売り出すためにつくったもので、本人たちに踊りを真剣にやるつもりは一切なかったといいます。

 

〈夏〉
「言うことを聞かない、挨拶をしない、無視をする、まず床に寝ていて立ち上がらない。しまいには裸になってボイコット。そんな状況で指導をしなければいけなかったので、本当に大変でした」

 

しかし、夏さんはそんな困難に屈しないどころか、逆境が嫌いではないというと語弊があるかもしれませんが、私は難しい課題に出合うと『逆境スイッチ』が入るんです(笑)」と語っています。

 

■人前では絶対に泣かない。愚痴をこぼさない

 

夏さんが言う「逆境スイッチ」とは何なのか。夏さんは壁に直面しても絶対に楽を選ばず、どんな環境でも絶対に愚痴をこぼしませんでした。

 

〈夏〉 
「愚痴を言うと本人はスッキリするかもしれませんが、聞いた方は嬉しいはずがなく、不幸を配っているのと同じなんです」

 

また、涙がこぼれそうな時には、絶対に人前では泣かず、トイレに頻繁に行って、涙を拭いてから出てきていたといいます。

しかし苦境は続きます。ある時、芸人たちが一向に真面目にダンスレッスンをしないことに痺れを切らしたプロデューサーから、男性のアシスタントをつけるよう依頼がありました。理由は「夏先生がセクシーやから、芸人が言うことを聞かない」と。夏さんはレッスン環境を整えるのがプロデューサーの仕事で、芸人たちがやんちゃすぎるのがいけないと思っていたのに、自分のせいにされてしまったのです。

 

〈夏〉
「当初はなんて理不尽なんだろうと言葉も出ませんでしたが、次の日もレッスンを進めていかなければいけなかったので、そこから私は男になりました。口調も荒げ、冷やかされても動じず、裸になっても目を逸らさない(笑)。
 恥ずかしがるから向こうも面白くなるので、私がこれまでの自分を捨て一対一で向き合うようになると、言うことを聞き始めたんです」

 

こうした並外れた努力が実って、結果的に吉本印天然素材は男女を問わず大人気ユニットになりました。

夏さんへのインタビューを通じて、最も感動したひと言がこちら。

 

〈夏〉
「誰かの助けや人が変わることを待つのではなく、自分が変わること。これは指導者にとって非常に大事な姿勢」

夏さんの体験談に、指導者としてのあるべき姿を教えられます。

 

 

 


(本記事は月刊『致知』2018年5月号 連載「第一線で活躍する女性」より一部を抜粋したものです)

 

 

◇夏まゆみ(なつ・まゆみ)
昭和37年神奈川県生まれ。平成5年日本人初のソロダンサーとしてニューヨークのアポロ・シアターに出演。9年から現在までNHK紅白歌合戦ステージングを担当。10年冬季長野オリンピック閉会式で振り付けを考案、指揮。吉本印天然素材、ジャニーズ、モーニング娘。、宝塚歌劇団、AKB48等、手掛けたアーティストは300組以上。著書に『夢は、強く思った人からかなえられる』『教え子が成長するリーダーは何をしているのか』(ともにサンマーク出版)

 

 

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