よせばいいのに、この暑い中を日比谷線の広尾駅から高級住宅街のど真ん中を通って麻布十番まで歩いた。
有栖川宮記念公園を歩き、高級外車が停まるマンションの前を通り、各国の大使館が建ち並ぶ閑静な通りを歩いていると、何故か居心地が悪く知らず知らずの内に疲れが押し寄せる。
そんな中、小さな児童公園の脇に昭和感溢れる家並みを発見した。
都会のど真ん中、ましてや高級住宅街のど真ん中に、このような庶民的な一角が残っているとは信じられなかった。
そこは昭和の時代には当たり前の様に見られた、子供達が缶蹴りをし、メンコをし、ベーゴマをして遊んでいる姿が目に浮かぶような場所だった。
そんな路地を、子供の頃の楽しい思い出を追懐しながら路地から路地へと歩いて見た。
だが通りは誰一人歩いておらず静まり返っていて、隣の児童公園で遊ぶ子供達の甲高い歓声がやけに大きく聞こえてくるだけだった。
好奇心で歩いた街の好奇心で曲がった路地で、意外な場所や物を発見する。
そんなところが街歩きの楽しみの一つだ。
日比谷線の広尾駅前交差点からスタートして有栖川宮記念公園方面へ。
有栖川宮記念公園は南部坂の入口にある。
南部坂は盛岡藩主南部家の屋敷があったことから名が付けられたと道標に書かれあった。
有栖川宮記念公園内を散策しながら仙台坂方面へ。
西麻布の高級マンションが建ち並ぶ通りから、細い路地を曲がって行くと、
小さな児童公園があった。
児童公園にそって下町感が溢れる庶民的な一角が現れた。
あまりにも昭和感溢れる家々に懐かしさを感じて、わけもなく路地を歩いてみた。
近くにあった本光寺境内から六本木方面のタワーマンションを眺める。
西麻布一帯は寺院が多い。その中の一つ、善福寺に寄ってみた。
山門の後ろにそびえるのは元日産のC・G氏が住んでいたという元麻布ヒルズ。
その威圧感に「スゲー」としか言葉がでてこない。
善福寺正面を左に坂道を下っていけば麻布十番商店街に出る。
地下鉄南北線麻布十番駅へ到着。