日曜日の 夜
実家に 行くと 黒人の少年がいました。
ハル・ウィリアム 17歳
アメリカから ホームスティで 日本にやってきた。
・・・・まったく しゃべらない。
僕 「ないす ちゅみーちゅー。」
少年は、無反応のまま 僕と握手をした。
ドナさん 「ピスチェ ちょっと 聞いてやって!」
僕 「ん? なに??」
ドナさん 「ほら。 ハルちゃん 雑誌 もってきて!」
ハルちゃんと呼ばれた 少年が いろんなページに
自分で 目印を付けて ボロボロになった
日本のファッション雑誌を 持ってきた。
ドナさん 「この子ね。 日本のファッションが 好きみたいで
将来 ピスチェと 同じ仕事
(シルクスクリーンプリント)が したいみたいなの。」
僕 「ふ~ん・・・めずらしい仕事したがるね。」
ドナさん 「この子、 お父さんが いなくてね
自分で お金貯めて 日本に来たのよ。」
僕 「すごいね・・・」
ドナさん 「すごく 勉強したいみたいなんだけど・・・喋らないの。
唯一 アピールしたのが
原宿に 行きたいってだけ。
ドゥー ユー スピーク イングリッシュ??」
ハルちゃん 苦笑い。
僕 「それで 原宿 行ったの?」
ドナさん 「行ったケド・・・あたしら 原宿わからないから。
ピスチェに 案内させようと 思って・・・。」
僕 「いつ?」
ドナさん 「今日。 朝に 電話したんだけど。」
僕 「あぁ・・・寝てたよ。 うーん・・・
もう 夜中になっちゃったから
遅いしね。。 いつに する?」
ドナさん 「それが・・・3日後 帰国しちゃうの。」
僕 「ダメじゃん・・・」
ドナさんは 若者の服が わからず
ジーンズメイトや ユニクロへ 連れて行ったらしい。
当然 ハルちゃんの イメージとは 違うわけでして・・・
諦めてしまって。
シズオが ボーリングに 誘う始末になってしまった。
僕 「ちょっと まった!!
彼は 自分で お金貯めて
かなりの 思いで 日本に来たんでしょ?
なんで ボーリングなの?
ボーリングは アメリカのスポーツじゃないの?
せっかく 日本に来たのに それは ダメだ!!
ハルちゃんを 僕に 預けなさい!!」
僕は、 はじめて ホームスティの 外国人に 積極的になった。
ハルちゃんが 頑張ってアルバイトして 日本にきた意味を。
それを 無駄にさせない 思い出を 残させる為にも
僕は 僕の会社を・・・ ハルちゃんが夢と言ってくれている
僕の仕事を 見学させる事を 決意した。
僕の仕事は 技術職なので 当然 会社は
関係者以外 立ち入り禁止。
でも どうしても 見学させてあげたい。。。
同僚達に 相談してみた。
僕 「あのさぁ・・・ 今 実家に
僕らの 仕事を 将来やりたい って
言ってる 黒人の少年が きているんだけど・・・
見学できないかなぁ・・・」
サックン 「うーん・・・問題は、上司達だなぁ・・・
絶対ダメって言うだろうし。」
僕 「お父さん いなくて・・ 自分で お金貯めて・・・」
Qちゃん 「・・・見学させましょう♪ バレなきゃいいんです!!
その子に オレ 会いたいです!!」
サックン 「・・・そうだな! いざとなれば
取引先の お客とでも♪」
僕 「お客って。それは・・・
無理がある。 見た目で バレる。」
ハルちゃんの 事情を話したら 大歓迎ムードになった。
さっそく お父さんに 連絡をした。
ハルちゃんに 実家で 待機してもらって
上司達が 帰ったら スグ会社に来てもらい
案内させる 計画です。
上司達に 内緒の 極秘任務です!!
しかし・・・ 今日に 限って 上司達が 残業している。
残業と いうか 世間話している。
僕 「無理かなぁ・・・イライラするわぁ・・
早く 帰れぇ・・・」
Qちゃん 「マスクさせてさぁ・・出入り業者のフリして
案内しちゃいますぅ?」
僕 「マスクしても わかるって! スグ バレるって!」
サックン 「俺達は、 何時までも まってるから 大丈夫だよ♪
さすがに 上司達も 朝までは いないでしょ♪♪」
・・・僕は 本当に 良い 同僚達を 持ったと思った。
君達・・・明日も 仕事あるのに。
深夜になって・・・・上司達が 帰った。
待機していた お父さんに 電話。
僕 「今!! すぐきて!! ダッシュ!!」
数十分後 ハルちゃん達 会社に到着。
・・・・ドナさんが いる。
僕 「ハルちゃんだけで いいんだけど・・・・」
お父さん 「通訳いるでしょ?」
僕 「通訳って ドナさんでしょ!?
絶対いらない!! そんな ハプニング人間
会社に入れたら 大変なことになるから!!!」
ユウタ&シズオ&ともちゃん 「わーーい♪ わーーい♪」
僕 「なぜ・・・そいつらも きた?
完全に 遊びたがってるじゃんか!」
ユウタ 「すげー みてぇー!!」
ともちゃん 「みせろよぉ~~♪」
僕 「無理だ。」
オールスターで 車ギュウギュウで きやがった・・・
もちろん ハルちゃん 一人で 見学させます。
・・・
ふふふ
短い時間で なにするか 考えてたもんね♪
一緒に Tシャツ作りに チャレンジです。
原宿で 買えなかった Tシャツ。
作っちゃえば いいんだよ♪
サックンも Qちゃんも もちろん 他の同僚達も
ハルちゃんに いろいろ 体験させて あげてくれて
すごく 感謝します。
・・・
ハルちゃん 僕らが 会社の処罰 覚悟でしてるってこと
わかってるかなぁ・・・
いまいち 無反応なんだよね。
僕の 英語が 通じてるのかも わからない。
黙々と 一緒に Tシャツを 作る・・・・
無表情ながら 真剣なのは すごく 伝わってくる。
そうだね。。 完全に 勉強だ。
★★Tシャツ 完成★★
おや? ハルちゃん ちょっと 笑った表情したかな?
僕 「これで 見学終了だね♪」
Qちゃん 「また 日本に来てね♪
今度は オレが 原宿 案内するから!」
ハルちゃんを 実家に 帰す為
お父さんの車まで 連れて行く。
僕 「・・・・あれ? ドナさんは?」
お父さん 「まだだよ。」
僕 「・・・・まだって 何さ??」
ドナさん 車に戻る。
僕 「・・・何してた?」
ドナさん 「なにも してないわよ。 あいさつだけ。」
僕 「怖いから やめてって!!」
ドナさん 「あれ? ハルちゃん こんな表情するんだ♪
良かったわねぇ~。 よっぽど 楽しかったのね♪」
一日だけ ハルちゃんと 一緒になった 僕には
ハルちゃんの 喜びの表情が わかりませんでした。
無表情なんですが・・・喜んでもらえたみたいです。
・・・・
そして ハルちゃんは 帰国しました。
後から ハルちゃんの 学校関係者から
ドナさんに 伝って 聞いたこと。
ハルちゃんの 日本の 感想スピーチです。
【 日本に 行って 良かった。
日本での 一番の 思い出は ブラザーの会社に 行った事。
とても 面白かった。】
ドナさん 「あんにゃろー。 いろいろ してやったのに
一番の 思い出が ブラザーの 会社って
言いやがった。」
ふふふ ピスチェ してやったり♪
ハルちゃんは 僕(ブラザー)と 一緒に作ったTシャツを
アメリカの クラスメートに 自慢しまくってるそうです。
ハルちゃんの ティーチャーに
自己主張しない子が すごい 明るくなったと
感謝されました。
ティーチャー 「あの子は きっと
大物の デザイナーになります。」
・・・・デザイナー?
僕は・・・デザイナーでは ありません。
先日の 日曜日の朝
ドナさんから かかってきた 聞いてなかった
ケータイの 留守番電話を 聞いてみた。
ドナさん 「今ね。 縫製屋に なりたいって子が
ウチに きているんだけど。
原宿 案内してもらえる??」
・・・縫製屋でもない。
でも!
デザイナー目指すなら 勉強に なったかな♪
・・・・・
僕が ブラザーって 呼ばれて 思ったのは
この ブログで 一番最初の 記事
ドナさんの 夢は 世界中に 息子 娘を 作ること。
それを、着実に 叶えていて。
その 息子 娘達からしたら 僕は ブラザーなのか。
その 夢に 僕も 入っているんだなぁーっ・・・
もし ハルちゃんが 大物の デザイナーになったのなら
僕に ハルちゃんの会社を 見学させて くれなくてもいいから。
デザイナーを 夢みている若者達に 見学させてあげて下さい♪
若者よ!! 夢を あきらめるな!!
最大のライバルは 夢を あきらめかけた 自分自身です。
P.S 自分で 一生懸命 お金貯めて 日本来た 思い出は
彼にとって 一生の思い出 になると思います。
その中で、僕といた事が 一番と言ってくれたこと。
一人の アメリカ人少年の
一生の思い出に 僕がいること。
とても、光栄に思います。
・・・・
・・・・・
話は 会社で ドナさんが あいさつ したって
ところまで 戻る。
ドナさん 「ハルちゃんが お世話になりました。
これ。 ハルちゃんからの お土産です。」
サックン 「・・・本当に ハルちゃんは
草加せんべい を チョイスしたんですか?」
ドナさん 「あら? アメリカには 草加市は ないわね♪
おほほほ♪♪」
・・・・
草加せんべいは 知らないだろう。
メイド イン 埼玉だ。