ちはやふる 上の句・下の句【映画レビュー】 | おたるつ

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モノホンのおたくにジャンルは関係ねえはずだ!
ってわけで、おたくのるつぼ。略しておたるつ

もう今年は映画ヲタクを名乗れません。
目標の劇場鑑賞年間50本以上に対して、まだたったの7本。
進捗に対して13本のマイナスになっています。

 


【ちはやふる 上の句・下の句】
監督:小泉徳宏 
原作:末次由紀
脚本:小泉徳宏

キャスト
広瀬すず:綾瀬千早、野村周平:真島太一、真剣佑:綿谷新、
上白石萌音:大江奏、矢本悠馬:西田優征 ほか

2016年 日本 配給:東宝 上映時間:103分

◆ストーリー◆
競技かるたに魅せられクイーンを目指す千早は、高校に入学しかるた部を創立した。
幼なじみの太一、新との関係に揺らぎながら、仲間とともに全国大会を目指す。
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大人気コミック「ちはやふる」待望の映画化でございます。全巻持ってますが、
連載開始の最初のころから読んでいる大好きな作品です。
わがブログ「おたるつ」で最初に紹介したのはいつだったかと遡りますと、
なんと2010年でした。
そのときはこんなふうに紹介しました。「かるたを題材にしたスラムダンク」。
少女マンガらしからぬ恋愛要素の低さの真っ直ぐな青春マンガです。

映画化発表当時、人気作だけに映画化に関してネットは賛否両論。
わたしも映画「海街diary」でアンチ広瀬すずになったので、
うっわ、千早すずちゃんかよ~とは思いました。
加えて、少女マンガ原作の映画化は本当に悲惨な仕上がりになっていることが多く、
映画を見ることが日常の人ならまず、見なくて良いリストに入れるでしょう。

けれど原作の末次先生のtwitterで小泉監督がとても真摯に映画化に関して
提案をしている過程がずっと報告されていて、その小泉監督の前作
「カノジョは嘘を愛しすぎてる」が、なかなか素晴らしかったこともあり、
なんとか世間で愛されるような作品になってほしいものだと願っていました。
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〈上の句〉

まずこれ驚いたのが、主人公が千早じゃなくて太一になってるんですよ。
千早を中心に据えているものの、原作より太一の人間味を増し、
彼の弱さから見た物語になっていました。

原作をきちんと原作として、ちはやふるの名シーンといえるエピソードは盛り込みつつも
“ちはやふるを原作とした脚本”という仕上がりに。
そこには映画ならではの「でもやるんだよ」が描かれていたし、このキャラクター、
このシーンをこう解釈して構成しました、というのがとても清々しく伝わってきます。

登山のシーンや試合の中で示される札にいちいち託された意味、
どんなものに何を託したのか、いちいちうなずいてしまう強い説得力。
原作モノの映画化とは、こうあるべきなのではないか、と思う素晴らしさで
素直に感涙しました。

原作を読まなくても十分おもしろく、青春群像劇で重要な
“また会いたいあいつら“感もバッチリ。
しかし、小泉監督の原作へのリスペクトを是非とも知ってもらいたいのでマンガ読むべし! 
そしてもう1回、映画見るべし!
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〈下の句〉

後編で描かれるのは全国大会までと全国大会の団体戦と個人戦。
新はかるたそのものであった祖父の死により競技を離れ、クイーンへの憧れと新で
頭がいっぱいの千早に太一がやきもき。
ただでさえ複雑な3人の関係と、それぞれのかるたへの動機が揺らぎます。

上の句でも原作に良い意味で忠実じゃなくすることで1本の映画としての
充実度を上げていましたが、下の句はもうオリジナル脚本といってもいいのではないかと
思うほど、しっかりと再構成、いや新構成がなされていました。

新の実家で行われる法事に詩暢ちゃんが来るの、あれは原作にはありませんが、
その後の展開の伏線がモリモリに入った素晴らしく意味のあるシーンでした。

もうぐうの音も出ないなと思ったのは、冒頭から一貫して「ひとりじゃない」というテーマが
これでもかというほど真っ直ぐに語られます。
その伝え方が不器用であればあれほどダサければダサいほど、
「ちはやふる」らしいというか、目頭が熱くなります。

その「ひとりじゃない」というメッセージを撃ち続けた結果、「ひとりじゃない」ということは
「つながっていく」ということである。
と、なんとまあ、テーマを進化させて新しい答えを千早たちに掴ませたのです。

素晴らしくない?
太い。太いぜ映画「ちはやふる」。


そのほか原作から変えつつ、より意味を深める演出が随所にあり、
気づくと気づいただけこの映画が好きになる。

それにしても音楽が仰々しいかなという印象はある。
でも吹奏楽部の演奏(演奏曲が原作から変わっている)をBGMで継続しつつ、
近江神宮へとカットがつながり深く礼をするカット。
気持ちが良すぎて椅子から落ちるかと思いました。

かるたの試合中の音楽もめちゃくちゃ仰々しく、これ戦争映画だったら潜水艦の中に
水が溢れて絶体絶命のシーンだな、とか考えながら見ていたんですが、
それも音楽の横山克さんが「ちはやふる」を愛しているのが伝わってくるようで、
なんかもう、大好きかよ! みんな「ちはやふる」が大好きかよ! 

最高だ! 
最高だ! 
バンザーイ! 


って感じでした。

続編の製作が決まったそうで、この作品と小泉監督、このジャンルの映画が
世の中様に受け入れられてなんとも喜ばしい。
薄味の連ドラにだけはならないように願いたいものです。


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