舞台「マルガリータ」~戦国の天使たち~【観劇】これは怒リータ~推しを人質に取られた私たち | おたるつ

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モノホンのおたくにジャンルは関係ねえはずだ!
ってわけで、おたくのるつぼ。略しておたるつ

アイドルはいいよな。
いくら演出が腹立たしくても、ライブに行けば推しが大好きな曲を歌ってくれる。

座間P、勘違いしないでくれ。
私たちは推しがいるだけで万歳三唱して金をホイホイ払うほど、アホではない。
むしろ、目も耳も肥え大人の企みもわかっている。
わかったうえで、アホになって
「かわいい、かわいい」と財布を逆さに振って喜んでいるのであって、

エンターテイメントとしての良し悪しが判断できないわけではないのです。

あんなに熱のない千秋楽はない。
お情けのスタンディングオベーションはない。
2階席の一番後ろだったけど、2回めか3回めのカーテンコールでやっと
パラパラ立ち上がる感じ。可哀想だから立つか……って感じ。

スタオベに感極まった染ちゃんの涙を、
こんなにやるせない気持ちで見ないといけないとは……。


【舞台「マルガリータ」~戦国の天使たち~】
2014.10.5 13:00 千秋楽@EX THEATER ROPPONGI(東京・六本木)2階7列34番
【特別授業「マルガリータ~戦国の天使たち~」感謝祭】
17:30 1階B列33番

原作:村木嵐「マルガリータ」 脚本・演出:堀江慶 企画:座間隆司
出演:細貝圭、鈴木拡樹、井深克彦、染谷俊之、寿里、山崎樹範 ほか

◆ストーリー◆
戦国時代、ヨーロッパへ派遣された天正遣欧少年使節の4人の少年たち。
彼らが帰国した日本は、バテレン追放令が出されキリシタン弾圧へと動いていた。
信仰に従い、苦難に立ち向かう中、ミゲルは棄教する道を選ぶー……。
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座間Pが生み出した「戦国鍋TV」によって、世の多くの女性たちは
メディア露出の少ない半地下イケメンの魅力に気づき、次々と舞台への扉を開いていった。
その座間Pが「舞台で笑えて泣ける歴史モノやったらウケるんじゃねえか、イケメン並べて」
とでも思ったのか、「戦国鍋TV」でお馴染みのキャストを中心に据えた企画
【もっと歴史を深く知りたくなるシリーズ】の第1弾として打ち出したのが本公演。


本格的に舞台に通うようになって1年半。
だいぶあやしい公演の匂いを嗅ぎ分けられるようになってきて、
今回は流れてくる感想ツイート眺めながら、懸念している部分が転んでるんだろうなあと
思っていました。
歴史モノとしての説得力とバラエティ要素のバランスがあやしいな、と踏んでいました。

結果的に、概ね予想通りでしたが、パンフレットの「大人の座談会」を読んで激怒。
舐められてる……というのが、最大の感想になりました。
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私は映画や舞台の感想を垂れ流しておりますが、いろんな方が感想を述べる中で
「脚本が悪い」ということを極力言わないようにしています。

それは、欠片程度であっても私が脚本を書いた経験があり、脚本の時点と
最終的に出来上がったものが必ずしもイコールでない場合があると思っているからです。
脚本を読んだわけでもないのに、脚本が悪いと言うのはちょっと違うかな、と思うわけです。
監督の手に渡ってからダメ要素が加わることだってあると思うのです。

でも今回は脚本と演出が同一人物なので遠慮はいりません。

これ、脚本が全然ダメだろう!!!!!

とりあえず、こめかみに穴を空けて汚物の入った穴に逆さ吊りにしたらどうだろうか!

原作は未読です。今回は座組見て原作に沿った展開よりもだいぶ遊んでくるだろうと思い
時間もなかったし読んでいきませんでした。
Wikipediaで登場人物の生涯と関係性、時代背景を予習していった程度です。

出来事→感情・意思→行動→結果(出来事)→以下ループ
この超基本的な物語の構造がつながっていなくて支離滅裂。
特にどう思って何がしたくて、今その行動を起こしているのかがわかりづらい。

そのうえ物語自体がそもそも悲しみを帯びた話で、ゆる仏教な私は
なんでそんなツライ思いしてキリスト教やってんの?
神のご加護1ミリも感じられないんだけど……
と思っていました。

合間にヤマシゲフリータイムが入ってきて分断されるから、よりつながらないんだけど
まあ、それはそれで笑ってしまわせる力は持ってるし、おもしろかった。
ただそれだけに、何度もミゲルが急に発狂した感が否めない。
まあ泣かそうとしてんだろうけども。

しかも発狂中に主張が変わるので、
おいおいどうした今度こそ精神崩壊したか!?
と心配になるレベル。
後半、釣られて発狂する人物が増えて、ますます、いきなりどうしたの感が増す。
おいおい、藤原竜也かよ!?
役者が熱演しているだけに可哀想でならない。全然感情が移入できない。
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感情が移入できないといえば、ほぼ全ての登場人物にまったく寄り添えなかったんだけど
その中でも、川上ジュリアさんが演じている珠がひどかった。
まず歌が下手すぎる。

歌に関しては、冒頭のほぼオールキャストによる「マルガリ~タ~マルガリ~タ~」
ってやつが緩慢な振り付け(MさんいわくSPEEDの「WHITE LOVE」)と
響きのカケラもない歌声で正直、学芸会でも始まったのかと思った。
途中に入る女性ダンサーは学芸会の極み。エビ中に謝ってほしい。

で、珠なんだけど、声がキンキンしていてしかも枯れていて、怒鳴っていて
もう何言ってるかわからないというか、耳に入れるのさえ気分が悪くなるレベル。
よくカラオケSHIDAXに行って、マイクのエコーや音量がイマイチだけど
人数が多くて調整できないまま、うまく歌えないし
喉が潰れるってことがあるじゃないですか。
珠がしゃべるたびに、私の気分はSHIDAXでした。

しかしながら、声に関しては他の舞台でも見ているはずの染谷俊之くんや井深克彦くんも
こんな響きのない耳障りの悪い声だったか……? と思ったのでマイクの調整自体にも
問題があったのではないかと思う。ノイズが入ったり、マイクが入ってないこともあった。
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全編を通して違和感を感じたのは、キミたち一体今いくつなの?問題。
もともと物語が始まる、4人が帰ってくる時点で少年じゃないんですけど、そのわりに
キラキラの白い衣装(イケメンのコスプレとしては100点)だし、
ムリにはしゃぐマルチノとかがちょっとヘンな感じするわけです。

その中で鈴木拡樹くんだけが、老いを表現できているんですよ。
ここは推しだからって決して贔屓目に見ていません。
逆に拡樹くんだけ年取っていくことが、全体から見たら浮いている。

今回、主要キャストの4人は長崎に行ったり勉強会をして歴史を勉強している。
波乱の生涯を送った人物像に触れ、深く思い入れたに違いない。
少なくとも、4人からは真摯に演じたいという気持ちが伝わってきたように思う。

それに対して周りはどうだ。
笑いを入れること自体は否定しない。私も戦国鍋TV大好きだったし、笑ったのも事実。
でも、それなら4人にあんなに勉強させないで欲しかった。
「長崎の人に恥じないように」とVTRで語った思いに、笑いのパートは添えていない。
4人とそれ以外の、思いの向きが違いすぎたんじゃないか。
染ちゃんなんて、幸せについてまで考えちゃってるからね!?(ブログ参照

真剣にやるなら真剣にやる、コメディチックにやるならもっと全体的にコメディチックにして
最後にウルッとさせるくらいのバランスで良かったんじゃないかと思う。

あとキャスト多すぎ。
白又敦くん、北代高士くん、八神蓮さん、このへんは完全に生かしきれてない。
どこで出てきて何しゃべってたかもうっすらぼんやりしてるくらい。特に白又。
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そういうわけで舞台のおもしろさとしては20くらいだったんですが、
その後にやったイベントがおもしろさ500でした。
もう座間Pはテレビやってくれ。心の底からそう思った。

長崎の旅では、染ちゃんがフカヒレ童貞を卒業する私得な映像が流れたり
ミゲルの墓といわれる所で細貝くんが「静かな……」とコメントした瞬間に電車が走ったりと
終始笑いっぱなしでした。
ただ、画質がめちゃめちゃ悪かった。スクリーンの問題だと思う。ツメが甘い。

クイズは全問正解して染ちゃんに爆レスもらったので生きててよかったです。

その後、オールキャストで暴露トークがあり、
「王子(八神蓮)が女子トイレから出てきた」などで盛り上がる。
中でも、伸びたラーメンにロザリオを持って祈りを捧げている拡樹くんがいた報告があり
稽古の合間にラーメンを作って食べようと思ったら、思わぬところで呼ばれてしまい
戻ってきたら伸びていたことを「なんということだ……」と言いながら説明する拡樹くん。

感謝祭の拡樹くん、非常によく場をまわしており、笑いも取り、
この人やっぱ関西人だわ……とカスタマイZの猛攻とチケ争奪に疲れ大量に減った
私の拡樹ポイントを大幅に回復させてくれました。

武智さんによる殺陣で拡樹くんが何か投げられたものに当たって死ぬシーンがあり
その時に「なんということだ……」と言って死んだのには、感服いたしました。
なんにも毛布とか敷いてないところにめちゃめちゃキレイに倒れたからね。
どんなにふざけた場面でもプロであり続ける魂に感動すら覚えた。
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そんなこんなで、寿里さんの後ろ脇オッパイも堪能して概ね満足で帰路につきました。
ところが、帰りの新幹線の中でパンフレットを読んでいたら怒りがふつふつ……。

「大人の座談会」と題され、年上キャスト組の山崎樹範さん、大堀こういちさん、寿里さん
プロデューサーの座間隆司さんの対談が収録されていました。
その中にはこう書かれています。
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座間 若手俳優さんって、実際、自分のこれまでの作品でもアイドル的な立ち位置で舞台に
入っていることも多い気がするんです。(中略)辟易してる部分もあると思っていて。
だから若手の役者に求める本質的なものが「ちゃんとした演劇をする」ということだった時に
広げられる部分があるんじゃないかと思ったんです。

(中略)

山崎 役者で「イケメン芝居」というカテゴリに入れられて気分がいい子なんて、
一人もいないと思うんですよ。(中略)キチンとした芝居をやることで、そういう言葉が
無くなればいいです(中略)
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舞台「マルガリータ」こそ、
イケメンのイケメン力のみに頼りきった舞台じゃないか!
イケメンのコスプレしかみどころがなかったといってもいい。
というかですね、アイドル的な扱いをされているからダメなんじゃなくて、
それを引き受ける覚悟がないからダメなんですよ!

なぜ拡樹くんがこれほどまでにカルト的な人気を誇るのか。
他の人気の高い俳優でもいいですよ、私がすぐ思い浮かべられるのは、
加藤和樹さん、小越勇輝くんとか道重さゆみちゃんなんですが、
このへん引き受けてると思うんですよ。

われわれのいろんな欲望が、意に介すか介さないかに関係なく
受け止めてくれていると思うんですね。

女だってバカじゃないですから、彼らが私たちの欲望を背負ったうえで存在してくれていると
ちゃんとわかっているわけです。
ももクロの百田夏菜子はセンターであることを背負ってくれたし、
拡樹くんは2.5次元作品が来るたびに、完璧ともいえる距離まで近づいてくれる。

だから、心の底から「ありがとう」と、感謝の気持ちを込めて

クレカを切ってるんですよ。

ちゃんとした演劇? キチンとした演劇?
そんなお題目唱える方々がどうしてマルガリータ上演できたかね……!!!
バンバンバン!(机を叩きながら)
まるでイケメンがちゃんと芝居していないかのような言い草に、怒り心頭だよ!
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イベントでも垣間見えて嫌だなあと思ったんですが、

おまえら毎晩のように飲んでるだろ。

いや、別に一緒にお酒飲んだり、親交を深めたりすることが悪いわけじゃない。
私だってイケメンの飲み食い画像集めてbotにしてるくらいだから飲み会大歓迎です。

でもね、飲み会画像目当てに各カンパニーのSNSチェックしてる私ですら
ちょっとマルガリータ飲みすぎじゃないの? と思った。

そんなに飲み食いして騒ぐ時間があるなら、もうちょっと舞台なんとかできたんじゃないの?
仲が良いのはよろしいことだけど、毎晩のように楽屋や飲み屋でキャッキャしてる画像が流れて、
見に行った舞台が残念じゃ呆れてモノが言えないよ。
もう何行書いたかわからんが。

ちなみにパンフレットの「大人の座談会」も飲んでるからね。
しかも座談会でビジネスについて語っちゃってるけど、売りたいもん売りたいなら
物販潤沢にしとけ、アホ!! 
開始3分で売り切れってなんじゃそりゃ!!(2時間並んでる)

イベント楽しかったからここまで怒るつもりなかったけど、
パンフレットの座談会は本当に腹立たしい。
ユリイカを100回音読しろ。

キャストはカーテンコールで再演を望んだけど、裏返せば納得できてないんじゃないの?
もうこのシリーズは見に行かないと思う。

推しを人質に取られても。

■2014 RECORD■ 
ライブ……32  舞台……16  映画……33 LV……3 その他……1

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