監督:李相日 135分 2013年
◆ストーリー◆
明治初期の北海道、かつて人斬りと恐れられた十兵衛は刀を捨て暮らしていたが
かつての仲間に誘われて賞金がかけられた男を殺しに向かう。
暴力で町を支配する警察署長、女を傷つけた男、その男に賞金をかけて殺そうとする女、
そして人斬り。許されないのは誰かー。
クリント・イーストウッドのほうは見てない。
私がこの作品が見たいと思ったのは、人斬りの明治、明治の北海道という2つのキーワードと、
【トゥルーグリット】と【十三人の刺客】みたいな映画が見られるかも! と思ったから。
結論から言うと、とんだ期待はずれで寝てた時間もある。
この後、寝てて見てない部分によって検討違いなことを言っていたら、起こしてください。
まずね、私幕末についてはうるさいよ。
主人公の十兵衛は「伝習隊で人斬りと恐れられた」っていう設定。
……? 伝習隊?
伝習隊ってフランス式の軍事訓練を受けていて、装備も銃がメインの隊じゃなかった?
そりゃ斬り込むこともあっただろうけど、やっぱり幕末の人斬りで名を馳せてたんだったら
京都で馳せてないと……。
箱館戦争で顔が売れるくらいの活躍した人斬りって説得力ないなあ。
しかも刀が小太刀。み、短い!
人斬り以外にも十兵衛にはいろいろ設定がほかにもあって
人としての幸せを教えてくれたけど死んでしまったアイヌ人の妻っていうのがいるんだけど、
これがどんなふうに出会って、どんな日々を送ったのか語られない。
義父と話すシーンはわりと理解ありそうな感じなのに、その後「無理やり連れてきた」って言う。
(でもアイヌ語で話すシーンは、よくここまで再現したなあと思う。すごい)
全編に渡って、十兵衛がなんでそう思ったかっていうのがあまり語られないだけでなく
語ったと思ったら全部、会話でしゃべらせちゃって残念なことになってた。
しかも十兵衛、人斬りのくせにほとんど刀使わないの。
殺陣を! 殺陣を見せてくれ!!
これはあれですかね?
日本映画に蔓延する「大事なことは全部セリフでしゃべらせちゃう病」に
李相日監督もかかってしまったんでしょうか……。
【フラガール】はどこに行ってしまったんだ……。
で、いろいろ、なんだそりゃってシーンが続くんだけど、もう遅い。
映像じゃなくて会話で説明するからテンポがめちゃめちゃ悪い。
ていうか、そもそも顔の傷たいしたことないし、殺さなくてもよくね?
やっと大勢の敵と戦うってシーンになって、よし! こっからがカタルシスだろ!
と、思うじゃん。
ここから次々に襲いかかる敵を渡辺謙が素晴らしい刀さばきで
めっためたにする一番いいシーンだと思うじゃん。
まさかのスローモー。
スロー……モー…………ション。
カタルシスねえーーー!!!
刀ほとんど使わねえし、もう人斬りっていう設定全然いらないじゃん!
しかも今まで、どうしようもない展開の中で唯一光を放っていた佐藤浩市を一番最初に殺すって!
そいつラスボスじゃねえのかよ!!
ああ、カタルシスねえーーーー!!!!
とはいえ、さすが渡辺謙。
渡辺謙の表情というか、もう顔芸の域に達していると思うんだけど、素晴らしかった。
柳楽優弥くんも、ああ、こういう使い方あるんだなあと今後の活躍に期待できたし、
忽那汐里ちゃんは、私密かに期待の女優。
時代劇で幸薄い女をやらせたら右に出るものはいない、貫地谷しほりちゃんの
2代目を継ぐのは忽那汐里ちゃんに違いない!!
相変わらず小池栄子はいるだけでキャラに説明いらない。素晴らしい。
ロケーションも美しかったし、こだわってるなあと思えた。
特にラストの炎上した屋敷を背にする渡辺謙っていうカット。
あの燃やしっぷりは心に残る。
炎上する前の屋敷そのものも、篝火の演出とかステキだった。
ロケーション良し、美術良し、役者良し。
できれば設定や脚本、編集に、もっとこだわって欲しかった。
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