ファミリーツリー【映画レビュー】 | おたるつ

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モノホンのおたくにジャンルは関係ねえはずだ!
ってわけで、おたくのるつぼ。略しておたるつ

ああ、5月はあんまり映画観れずに終わってしまいそうです・・・。
やっぱり初旬に体調崩したのが痛かったなあ・・・。

今年22本目
【ファミリーツリー】

115分 アメリカ
監督:アレクサンダー・ペイン

ハワイで暮らすキングは意識不明の妻の生命維持装置をはずすかどうか
そして、先祖から受け継いだ広大な土地を売るという2つの問題を抱えていた。
仕事ばかりで年頃の娘とうまく付き合うことができずに
さらには妻の浮気が発覚し、キングは家族と向かい合っていく。

何年後も覚えているような衝撃的な映画ではありませんが
ふと休みの日に1人でフラッと観にいくにはとてもいい映画だと思いました。

何がいいかというと、キングはそれぞれの問題に向き合って
無様にオロオロしながら行動を起こしていくのですが、
全編を通して、何かが劇的に解決した!ということがないのが
ご都合主義の映画でなくてとてもリアルでよかったです。
何かが劇的に解決することがなくても、確実に何かが変わったと
感じさせる変化が物語の中には確かにあったんです。

それを実感するのは2人の娘との関係性です。
特に17歳の長女アレックスは不良娘なんですが、
キングはアレックスに「どうしたらいい?」と聞きます。
アレックスもあれこれ反抗しながら、自分の意見を言って行動する。

遠かった父娘の関係とはいえ、お互いにきちんとオトナとして
やりとりしているのが良かった。
そこにやっぱり長女なんだなとか思ったりする。
アレックスはキングのこと大好きで理想の男性なんだろうな。

映像もやはりハワイという舞台は美しく
ああ、南の島に行きたい・・・と思うこと間違いなし。

とりわけ水の演出が記憶に残っています。
枯葉の落ちたプールでアレックスはキングから母の余命について聞かされます。
憎まれ口ばかりたたいていたアレックスはとっさにプールに潜って
動揺と涙を隠します。
その美しいこと。
水中の独特の圧迫感が、アレックスのキャラクターと気持ちをよく伝えてくれます。

ラストの海で遺灰を撒くところの水中からのカットも印象的です。

そして、問題へ向き合うキングがハワイをどたどたと不恰好に駆けるのですが
その空がずっと曇っているのも偶然なのかわかりませんが
物語の中の複雑な感情を表すようで好きでした。

男性バッシングの激しい当ブログですが、
ああ、オヤジっていいなと思わせられてしまいました。

きっと、映画館を出ればほんの曇り空が高く感じられると思います。


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