今回紹介する記事は
2024年1月24日付けの
 
「毎日新聞」の記事です。
  
【食いしん坊の歯科医】


というタイトルで、
論説委員元村有希子氏が、
誰でも最期までおいしいものを食べたいことについて、
紹介しています。

いつもどおり、
「4つ」の視点でこの記事を見ていきます。
 
(4つの視点についてはこちらをご覧ください)

 ☆新聞記事の紹介について

(発信者が重視するテーマに関してはこちらをご覧ください)

始めに読んでほしいブログについて


(1)内容の要約

 東京都文京区の訪問歯科クリニック院長、
萩野礼子氏は自称「食いしん坊の歯科医」だ。

 単なる美食家ではない。

調理師の資格を持ち、
かっぽうまで経営している。

東日本大震災の後、
歯科医として働いた福島県での経験がきっかけとなった。

 津波と原発事故が同時に起きた福島では、
多くの人が仮設住宅暮しを強いられた。

災害関連死を防ぐ上で、
校内環境のケアが必須だと考え、
いわき市に移住し、
私立病院で訪問歯科診療の体制作りに携わった。

 多忙な生活を潤してくれたのが福島のおいしい食材だった。

だが、
それらは風評被害で買いたたかれていた。

義憤を感じ、
「福島と東京を食でつなごう」
と決めた。

 2016年、
東京の下町・谷中に「甚三紅」を開いた。

福島の地酒を豊富にそろえ、
旬の素材を丁寧に調理して提供する。

 この店にはもう一つ、
強みがある。

かむ力やのみ込む力が落ちた人の求めに応じて、
「嚥下調整食」を出すのだ。

 刺身には隠し包丁を。

大根は歯茎でつぶせるほど軟らかく。

ただし、
味や見た目に妥協はしない。

同席する全員に、
同じ献立をおいしく味わってもらう。

 「私は自分が高齢者になった時に食べたいと思える料理をつくりたい」

 和食は嚥下調整食に向いていると言う。

口の中でゆっくり溶ける煮こごり、
魚介のすり身で作るしんじょ、
裏ごしした食材をだしでのばす「すり流し」など、
伝統的な料理に一工夫することで可能性は広がる。

 施設から一時帰宅した高齢者を囲む夕食、
ひ孫の「お食い初め」や七五三を祝う席。

家族が笑顔になる食の風景に、
プロとしてかかわることに喜びを感じている。

 店名の甚三紅は伝統色で、
黄みがかった紅色。

紅花で染めた生地が高価なことから江戸時代に禁止令が出た際、
職人・桔梗甚三郎が安価な蘇芳を使って再現し、
歓迎されたと伝えられている。

 「誰でも最期までおいしいものを食べたい。

そんな場がないなら私がつくればいいのである」。

そうか、
萩野氏は甚三郎の心意気を受け継いだのだ。


(2)なぜこの記事を切り抜いたか    

自分が高齢者になった時に食べたいと思える料理を作ることについて、
紹介した記事のため。


(3)自分はどう思うか?

石ノ森章太郎原作漫画「ホテル」に出てくるような話である。

歯科医と調理師という二つの顔を持つ。

嚥下調整食にかける心意気は、
桔梗屋甚三郎の心を受け継いだことも頷ける。

高齢化社会で、
今後嚥下調整食の需要は高まるものと思われる。

時代を先取る「甚三紅」の発展を願わずにはいられない。


(4)今後、どうするか?    

・元村有希子氏に関する記事をスクラップする。

・最期までおいしいものを食べるよう努める。

・心意気を探す。

…今回も自分の勉強がてら、
まとめてみました。
  

元村有希子氏に関する記事は、
以前も紹介しました。

相手を思いやるとは、
ここまでのことをするのかと思う記事です。


皆さんも、
嚥下調整食に関心を持って下さい。

お食い初めや七五三を祝う席などにおいて、
一工夫した伝統的料理を目にした際に、
思い出していただけると幸いです。