今回紹介する記事は
2023年5月3日付けの
 
「毎日新聞」の記事です。
  
【政と学との格闘技】


というタイトルで、
論説委員元村有希子氏が、
学術会議と政府との対立について、
紹介しています。

いつもどおり、
「4つ」の視点でこの記事を見ていきます。
 
(4つの視点についてはこちらをご覧ください)

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始めに読んでほしいブログについて


(1)内容の要約

 日本学術会議と政府との対立について考える。

2020年秋、
菅義偉による会員候補6人を任命しないという珍事が起きた。

 格闘技に例えるなら、
第1ラウンドは政府が「反則技」で圧倒。

第2ラウンドは学術会議が正攻法で反撃し、
改革という名の法改正の動きをひとまず封じた。

 第3ラウンド以降の展開は見通せない。

確実なのは、
任命拒否問題を決着させない限り消耗戦が続くということだ。

 学術会議は、
6人の任命と、
拒否した理由の開示を求めている。

対する政府は、
「手続きは終了した」
と取り付く島もない。

 この秋には会員の半数、
105人が人気を終える。

学術会議内で新メンバーの選考作業が進むが、
「2年半前に任命されるべき」だった6人を含めることはないだろう。

 この組織は世界におけるアカデミーの中でも特異な形態をとっている。

「国の機関」でありながら、
国からの独立が保障されている。

 一見矛盾するありようだが、
これまでも対立や緊張を生んできた。

短期的な国益に流されがちな政治に対し、
学者が長期にわたる地球益の視点からもの申す。

政府にすれば「目の上のたんこぶ」。

それでも一定の敬意をもってうまくやってきたのが、
歴代政権だった。

 その歴史を「日本学術会議」(大西隆著、
日本評論社)が詳述している。

戦前のアカデミーといえば帝国学士院を指した。

戦後は日本学士院となり、
機能の一部を担う形で学術会議が新設された。

 背景には連合国軍総司令部(GHQ)の働きかけがあった。

日本の統治機構を変えるべくGHWは憲法を一新し、
教育制度を立て直した。

学術も例外ではなかった。

 学者が戦争に加担した事実を踏まえ、
功成り名を遂げた学者による従順な集団ではなく、
権力から独立して直言できる機動的な組織を望んだという。

 生い立ちを考えれば、
「目の上のこぶ」は本来の姿だ。

そうした組織と切り結びつつ良好な関係を保てる政府こそ信用に足ると、
国際社会では受け止められている。

 今回の混迷を梶田隆章会長は、
「学術の終わりの始まり」と例えた。

もっと深刻な民主主義の根腐れが始まっているのではないか。

 「貢献もせず口ごたえばかりする組織は不要」
という批判も根強い。

現状が最善とは言わないが、
無くていいとは私は思わない。

 学術会議は大型炎のバラスト(底荷)のようなものだと考えるからだ。

進路を決めるのは扇動だが、
底荷のない船は安定を失い、
迷走する。


(2)なぜこの記事を切り抜いたか    

学術会議の重要性に関して、
紹介した記事のため。


(3)自分はどう思うか?

官房長官から首班になっても、
短命に終わることを歴史に刻んだ菅義偉がやらかしたことの一つが、
学術会議会員候補6人を任命しない、
理由の開示もしないという珍事である。

中曽根康弘答弁なども出てきて、
結局憲法違反状態が未だに継続している。

格闘技に例えるなら第1ラウンドは政府が「反則技」で圧倒…、
って反則技使っている時点で反則負けだろうが!

第2ラウンドで学術会議が正攻法で反撃すると、
膠着状態の時点で、
やってることが無茶苦茶ということがわかる。

あれから3年、
ごはん論法加藤勝信の後を継いだ安倍派四天王という、
反知性派の忌み名を持つ松野博一が、
「既に決着した」と原稿棒読みで答えても、
納得する国民がどれだけいるか。

学術の終わりの始まり、
民主主義の根腐れが始まっている、
迷走する底荷のない船…。

反知性が牛耳る後進国JAPANの現在地を示す記事である。


(4)今後、どうするか?    

・元村有希子氏に関する記事をスクラップする。

・学術会議に関心を持つ。

・任命拒否問題を決して忘れない。


…今回も自分の勉強がてら、
まとめてみました。
  

元村有希子氏の記事に関しては、
以前紹介しました。

「反則技」・「目の上のこぶ」・「学術の終わりの始まり」

大事なことと思えてなりません。


皆さんも、
学術会議任命拒否問題に関心を持ちましょう。

あれから三年、
ごめんなさい、
間違ってました、
任命しますと言えば済むのにできない輩共は、
地獄行きでかまいません。