今回紹介する記事は
2023年4月29日付けの
 
「毎日新聞」の記事です。
  
【昭和ぎらい】



というタイトルで、
専門編集委員伊藤智永氏が、
昭和は戦争とバブルで二度まで自壊したことについて、
紹介しています。

いつもどおり、
「4つ」の視点でこの記事を見ていきます。
 
(4つの視点についてはこちらをご覧ください)

  ☆新聞記事の紹介について

(発信者が重視するテーマに関してはこちらをご覧ください)

始めに読んでほしいブログについて


(1)内容の要約

 会話の中に、
「昭和っぽいね」
という言い方が出てくると、
相づちを打つ人たちを含めて、
否定的な語感が強くなった。

以前はレトロな趣味にほほ笑むニュアンスだったのだが、
うっとうしいものを迷惑がる感じ。

うなずき合う目配せに、
冷笑すら浮かんでいる。

 気づいたのは、
元号が令和に改まったころからだったか。

以来、
「昭和っぽい」と言った人、
同調する人にその場で各人の昭和イメージを尋ねることにしている。

 多くは30~40代。

平成の世に10年以上の社会経験を積んだ世代だ。

昭和世代を「いい気なもんだよ」と突き放している。

複数の言い分をまとめれば、
こうなる。

 高度経済成長で頑張ったんだろうけど、
結局バブルでダメにした人たち。

何かにつけて夢を持て、
努力だ、
権力に物申せって言う。

高度成長だって実は外国の戦争や貧困のおかげでもあったのに、
自分たちは歴史上もまれな幸運に恵まれたという自覚が薄い。

 昭和は長すぎた。

初めの20年は戦争と原爆。

次の20年は復興と成長。

残りの20年は欲望と狂乱。

騒々しかった亡剣劇の幕が下りると同時に、
すべては崩壊した。

 平成は無責任な宴の後始末を押しつけられた上に、
説教と自慢を聞かされる。

原発も少子高齢化も地方消滅も巨額財政赤字も全部、
昭和の負債処理じゃないか。

たまったもんじゃない。

 2000年代初め、
昭和30・40年代が、
「日本が一番元気で人々も温かった時代」
としてブームになった。

きっかけは、
映画「ALWAYS 三丁目の夕日」のヒット。

安倍晋三が大好きで、
第一次を前に出した著書「美しい国へ」で絶賛。

第二次でも「取り戻すべき日本」の理想だった。

 メディア文化を研究する日高勝之立命館大学教授の著書「昭和ノスタルジアとは何か」によると、
無邪気に礼賛したのは東京育ちの言論人たちで、
映画やNHKテレビ番組「プロジェクトX」などには、
日本型システムへの批判性が読み取れるという。

 だとしても、
「戦後の昭和」で思い浮かぶのは、
今やバブル経済だ。

その後、
新自由主義という自己責任論で、
就職氷河の谷に投げ込まれた平成世代にすれば、
昭和趣味は総じて根拠なき自己肯定感に浸っている、
としか見えない。

 昭和は戦争とバブルで二度まで自壊した。

国を作り直せなければ、
ここにはいられない。

なのに昭和がいつまでも立ち塞がる。

それも昭和っぽい。

今日は昭和を顧み、
国を思う日。


(2)なぜこの記事を切り抜いたか    

平成世代が総括する昭和世代に関して、
紹介した記事のため。


(3)自分はどう思うか?

昭和は良かったと言う人間がいる。

昭和末期に生まれながらも、
平成世代に含まれる人間としては、
果たして昭和が本当に良かったのかと思っていた際に、
この記事をスクラップできた。

高度成長は外国の戦争や貧困のおかげだったのに、
自分たちは歴史上もまれな幸運に恵まれたという自覚が薄い。

初めの20年は戦争と原爆。

次の20年は復興と成長。

残りの20年は欲望と狂乱。

冒険劇の幕が下りると同時に、
すべて崩壊。

何と秀逸な表現だろうか。

「日本が一番元気で人々も温かった時代」

映画「ALWAYS 三丁目の夕日」

安倍晋三が大好きで、
「美しい国へ」で絶賛し、
「取り戻すべき日本」の理想だった。

無邪気に礼賛したのは東京育ちの言論人のみ。

成程、
どおりで自分と相容れないわけだ。

平成世代が昭和世代を突き放すのは、
昭和世代がバブル経済で日本をダメにしたくせに、
偉そうに説教することだ。

自己責任論で就職氷河の谷に投げ込まれた世代としては、
昭和世代が根拠なき自己肯定感に浸っているとしか見えないというのも、
頷ける。

この記事が出されたのは奇しくも昭和の日。

昭和はいつまでも立ち塞がる。


(4)今後、どうするか?    

・伊藤智永氏に関する記事をスクラップする。

・昭和礼賛に関して懐疑的になる。

・昭和は戦争とバブルで二度まで自壊したことを忘れない。


…今回も自分の勉強がてら、
まとめてみました。
  

伊藤智永氏に関する記事は、
以前も紹介しました。

昭和は未だに我々の前に立ち塞がるという言葉は、
悪い意味で言うと当たっていると思われます。


皆さんも、
昭和に関心を持ちましょう。

戦争とバブルで二度まで自壊したという歴史は、
我々は知っておく必要があるからです。