今回紹介する記事は
2023年4月19日付けの
 
「朝日新聞」の記事です。
  
【都合良い法解釈 痕跡消える放送への干渉】

 

 

というタイトルで、
論説委員田玉恵美氏が、
法律がいい加減に使われるようでは、
政府が番組干渉する雪などいくらだってあることについて、
紹介しています。

いつもどおり、
「4つ」の視点でこの記事を見ていきます。
 
(4つの視点についてはこちらをご覧ください)

 ☆新聞記事の紹介について

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始めに読んでほしいブログについて


(1)内容の要約

 霞が関で気になる人事があった。

総務省の地上放送課長が、
「大臣官房付」となり、
傘下の研究機関へ移った。

重要なポストなのに就任から1年未満。

後任は置かず、
当面は別の人が兼務するという。

何より引っかかるのは、
高市早苗の総務大臣時代に秘書官を務めていた人物だからだ。

 2015年の当時、
高市早苗は国会答弁で、
放送法の解釈をねじ曲げた。

その答弁が作られる過程を記した行政文書が表に出ると、
高市早苗はこの文書が「捏造」で、
書かれた打ち合わせ自体がなかったと主張。

当時側近だった元課長らも、
「絶対にないと言ってくれている」
と強調した。

 ところが元課長らは、
総務省内部の聞き取りには、
「高市早苗に対し、
『絶対にない』という表現を下かどうかの記憶はない」
と答えているそうだ。

高市早苗との間で板挟みになったさなかでの異動となった。

総務省関係者は、
「いろいろあって、
本人も疲れたようだ」
と言葉少なに語る。

 当の高市早苗は、
どこ吹く風の様子だ。

フジテレビの報道番組に出演。

問題の行政文書は総務省も正確性を確認できなかったと説明し、
「そういった代物なので」
と平然と言ってのけた。

 だが、
その高市早苗による答弁を総務省は、
しれっと撤回したようにみえる。

 一つの番組だけで政治的に公平かどうか判断できる場合がある、
というのが高市早苗答弁の内容だった。

これに対し、
国会で総務省幹部は、
「極端な場合でも、
人の番組ではなく番組全体をみて判断する」
と述べ、
高市早苗答弁をいわば上書きした。

 歓迎すべき修正ではある。

とはいえ、
一件落着とはとても思えない。

番組の政治的公平を定めた放送法4条には、
政府に都合良く利用される余地が残っているからだ。

 たとえば、
総務省が2004年にテレビ朝日に出した厳重注意の行政指導がある。

衆院選最中に民主党の代表が、
「ニュースステーション」に出演し、
政権を取った場合の閣僚名簿などについて長時間放送した。

すると、
自民党が大きく反発。

7カ月後の参院選直前に、
総務省はテレ朝に厳重注意というおきゅうを据えた。

 この行政指導における理由が怪しい。

「放送法に規定する『政治的公平』との関係において、
適正な編集を図上で遺漏があった」
という説明で、
放送法に違反したとは言っていないのだ。

雑な例えだが、
なんの違反もしていないのに、
「道路交通法との関係において、
運転上の遺漏があった」
と切符を切られるようなものではないか。

 法律がこんないい加減に使われているようでは、
政府が番組に干渉する隙などいくらだってあるだろう。

なぜこんな行政指導をすることになったのか。

その経緯を知りたくて総務省に開示請求すると、
関連の記録は古いため既に廃棄したという。

 放送行政への不信が深まるばかりなので、
ついでにもうひとつ、
開示請求をしてみることにした。

2年前、
私が担当した社説に総務省の課長から抗議を受けたことをこの欄に書いた。

政府がNHKに圧力をかけたと批判した内容が、
「事実と異なる」との反論を面会して1時間ほど聞いた。

あの講義はちゃんと記録されているのか。

 一月後に届いた返答は、
「不存在」。

作ってもいないという。

あんなに怒っていたのだから当然後世に残すべく文書にしたのかと思ったが、
すでに歴史上なかったことにされていたとは。

やはり根拠もない、
ただの威圧だったように思えてくつ。

 別の官僚からはこんな話を聞いた。

最近上司から、
「文書は詳しく書きすぎる必要はない」

「フォルダーに文書を残すな」
と指示を受けたという。

放送への干渉は今後もますます秘密裏に、
論理も責任の所在もあいまいなまま進むということなのだろうか。


(2)なぜこの記事を切り抜いたか    

行政文書や記録を残さない後進国なっていることに関して、
紹介した記事のため。


(3)自分はどう思うか?

なんの違反もしていないのに、
「道路交通法との関係において、
運転上の遺漏があった」
と切符を切られるようなもの…。

大手御用メディアと総務省の関係を如実に物語っているのかもしれない。

自民党に逆らう大手御用メディアは許さない。

開示請求をかけたら記録は廃棄した…。

ハァ…後進国まっしぐらである。

田玉恵美氏が行ったもう一つの開示請求における記事は、
以前紹介した。

田玉恵美氏を知る契機となり、
スクラップするようになった次第である。

NHKに加えて、
菅義偉長男正剛の接待問題も絡んでいた件だ。

何か総務省って、
マイナ問題にも絡んで厚生労働省宜しく、
前代未聞の行政指導が入ったデジタル庁同様、
ぼくらは(問題省庁という)仲間だ♪になっている。

さて、
呼び出して約1時間恫喝した記録は、
「不存在」。

当然後世に残すべく文書にしたのかと思ったら、
すでに歴史上なかったことにされていた。

「文書は詳しく書きすぎる必要はない」

「文書を残すな」

霞が関が腐っていき、
日本全国津々浦々記録を残さないようになるのか。

せめてもの抵抗として、
個人的に記録は残していこうと思う次第である。

田玉恵美氏のような記者が生き残ることを願ってやまない。


(4)今後、どうするか?    

・田玉恵美氏に関する記事をスクラップする。

・法律がいい加減に使われていることを忘れない。

・開示請求に関心を持つ。

…今回も自分の勉強がてら、
まとめてみました。
  

田玉恵美氏に関する記事は、
以前も紹介しました。

記録を残さない国JAPANの後進国ぶりがとまりません。


皆さんも、
個人的に記録を残すようにしましょう。

人間は忘れる生き物です。

想起するための手段として、
記録を残しておくことは先人からの知恵なのですから。