今回紹介する記事は
2023年3月25日付けの
 
「毎日新聞」の記事です。
  
【戦前に身をおき考える】


というタイトルで、
専門編集委員伊藤智永氏が、
「哲学のノーベル賞」をめざす米バーグルエルン賞を哲学者柄谷幸人氏が受賞した理由は、
独創的批判であることについて、
紹介しています。

いつもどおり、
「4つ」の視点でこの記事を見ていきます。
 
(4つの視点についてはこちらをご覧ください)

  ☆新聞記事の紹介について

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始めに読んでほしいブログについて


(1)内容の要約

 ウクライナを訪問した岸田文雄は、
ゼレンスキー大統領への手土産に「必勝しゃもじ」を贈ったそうだ。

敵を「飯(召し)とる」の語呂合わせで、
出征兵士が厳島神社に奉納した時代もあったが、
今は選挙などに使われる縁起物らしい。

 外交儀礼にしても、
これはいただけない。

無神経や悪趣味を超えて、
もはや非礼にあたりやしまいか。

戦時と平時の区切りがあやふやな惰性の外交センスを危ぶむ。

 平和のためであるはずの防備が、
いつの間にか戦争への準備に置き換わっている。

そんな戦時・平時見境のなさこそ、
「新たな戦前」の日常感に他なるまい。

 それにしても現在の「戦前」は、
いつ始まっていたのだろう。

思い出すのは1991年1月湾岸戦争が始まり、
日本が初の自衛隊海外派遣を決めた頃のこと。

哲学者の柄谷行人氏が、
「実際に戦争があろうとあるまいと、
自分を<戦前>において考える。

あの戦前を反復しないためにそれが必要だ」
と訴えた。

でも、
作家の中上健次氏らと戦争反対の文学者声明を出すと、
これを冷笑し、
批判する空気が日本にはあった。

前年11月、
柄谷しは米プリンストン大学とシカゴ大学で、
「帝国とネーション」と題し、
こんな話をしている。

 サンフランシスコで文学者の世界大会に出たら、
ソ連・東欧の文学者が語るナショナリズムがあまりに露骨で驚いた。

代表例はウクライナで十数年投獄されていたという作家の叫び。

「私は人類である前にウクライナ人である」

 これにフランスの女性が反論した。

「我々は個人よりフランス人を、
フランス人よりヨーロッパ人を、
ヨーロッパ人より人類を上位に置いた哲学者、
モンテスキューの精神に帰るべきだ」

 大会の1カ月前、
東西ドイツ統一。

約1年後、
ソ連が消えた。

以来三十余年。

世界は今なおソ連解体の失敗にあえぎ、
ウクライナ人は表現こそ違え、
もっと激しいナショナリズムを叫び、
今や日本は国を挙げて支援する。

 今週20日はイラク戦争開戦20年。

国連決議なしに戦争を強行した米英両国は翌年、
開戦理由の大量破壊兵器はなかったと認めたが、
陸所部隊を出した日本は、
開戦支持の誤りを未だ認めていない。

国会で質問された岸田文雄は、
「妥当性を失うものではない」
と開き直った。

 戦前に身をおく「思考実験」を続けた柄谷氏は昨年、


「哲学のノーベル賞」をめざす米バーグルエン賞を受賞。

受賞理由は、
グローバル資本主義とナショナリズム根の独創的批判だ。


(2)なぜこの記事を切り抜いたか    

三十余年前から日本では反戦運動に対する冷笑が始まっていたことに関して、
紹介した記事のため。


(3)自分はどう思うか?

岸田文雄のウクライナ訪問は事前にバレていた。

新聞はいかに素晴らしい隠密行動だとか囃し立てていたが、
お前ら一体どれだけ飴もらっているんだと落胆したことを覚えている。

今回の記事は、
現在の「戦前」はいつから始まったのかということである。

1991年1月湾岸戦争時、
戦争反対文学者声明を出すと、
冷笑し、
批判する空気が日本にあったとのこと。

時は昭和から平成に代わり、
バブルが崩壊した頃だろうか。

その少し前に
東西ドイツ統一、
ソ連崩壊があり、
後始末ができない三十余年。

イラク戦争から二十年経過し、
自己責任論が定着してしまった国ジャパン。

国連決議なしに戦争を強行した米英両国は翌年、
開戦理由の大量破壊兵器はなかったと認めたが、
開戦支持の誤りを未だ認めない国ジャップ。

日本は三十余年前から酷かったが、
二十年前はもっと酷く、
今や開き直るくらいクズ国に成り下がっているのな、
と思えてならない。


(4)今後、どうするか?    

・伊藤智永氏に関する記事をスクラップする。

・戦争反対を冷笑する批判する空気が約三十年前からあったことを忘れない。

・「哲学のノーベル賞」を調べる。


…今回も自分の勉強がてら、
まとめてみました。
  
伊藤智永氏の記事は、
以前紹介しました。

「新しい戦前」は思ったより早く始まっていたと思えてなりません。


皆さんも、
歴史に関心を持ちましょう。

戦争反対を表明する人間に対して、
冷笑・批判・自己責任論でバカにした連中により、
「新しい戦前」となりました。

「バカは火事より怖い」という言葉を忘れないようにして下さい。