今回紹介する記事は
2023年3月11日付けの
 
「毎日新聞」の記事です。
  
【産めよ殖やせよ】


というタイトルで、
専門編集委員伊藤智永氏が、
ロシアのウクライナ侵攻と日本の中国大陸侵攻がよく似ていることについて、
紹介しています。

いつもどおり、
「4つ」の視点でこの記事を見ていきます。
 
(4つの視点についてはこちらをご覧ください)

  ☆新聞記事の紹介について

(発信者が重視するテーマに関してはこちらをご覧ください)

始めに読んでほしいブログについて


(1)内容の要約

  ロシアはウクライナ侵攻を公式に戦争とは認めず、
「特別軍事作戦だ」と言って始めた。

 戦前の日本も中国大陸侵攻を戦争とは呼ばなかった。

最初は「盧溝橋事件」をきっかけに始まった「北支事変」、
それが「第2次上海事変」に飛び火して全面戦争となるや、
今度は「支那事変」と命名して押し通した。

 開戦半年後には、
中国に対し、
「爾後国民政府を相手とせず」
と和平交渉打ち切りを通告(第一次近衛声明)。

戦争泥沼化の転機となった。

今のロシアとよく似ている。

 声明の5日前、
旧厚生省が新設された。

「国民福祉増進」を掲げたが、
戦費調達の特別税法・国家総動員法・電力国家管理法などが公布される戦時体制である。

国家総力戦のための「人的資源」、
すなわち兵力・労働力確保が創設期厚生行政の実態だった。

予算の8割が「軍事援護費」なのだから、
軍の下請け官庁と言われても仕方ない。

 柱は「健兵」を作る体力向上、
平気を生産する「健民」の養成、
両方の基盤が「産めよ殖やせよ」
の人工増殖政策である。

国民健康保険も厚生年金保険も母子手帳の原形も、
この時できた。

 戦後から今日に至る福祉国家の源流が、
人命尊重・平等・博愛・弱者保護といった理想とは反対の戦時動員にあり、
断絶どころかつながっていたのだとしたら、
文字通り歴史の逆説である。

 近年の研究によれば史実はさらに複雑らしい。

厚生省創設には、
人口問題、
農村・都市・商工業政策、
国土計画といった課題を何とかしたいという良き理念もあったとか。

だが、
どんな理想であれ、
戦争の大波の前にあっては、
意図せざる戦時福祉体制に変質するしかなかった。

 年明け、
岸田文雄が打ち上げた「異次元の少子化対策」が迷走している。

中身や財源が生煮えなのはともかく、
異様なのは昨年末、
防衛政策大転換を決めた直後に持ち出す無神経さだ。

 カネも武器も異次元で増やす。

敵基地攻撃の腹もくくった。

残るはヒトだ。

この流れで「異次元の少子化対策」を言われれば、
戦時中における国の標語「産めよ殖やせよ」を連想しない方が難しい。

 専門家は口を開けば、
ウクライナ戦争や米中対立の長期化と国民の覚悟を説く。

「新しい戦前」を肌に感じながら、
生まれてくるかもしれない子らの将来を想像しよう。

標語に続けて、
「戦えよ国のため」と低いうなり声が聞こえるのは、
果たして空耳か。


(2)なぜこの記事を切り抜いたか    

戦時中における国の標語が今にでも喧伝されそうな現状に関して、
紹介した記事のため。


(3)自分はどう思うか?

ロシアがウクライナから攻撃を受けたと騒ぐたびに、
あぁ大日本帝国がやったことと同じことしてるやんけと思ってします。

今回の記事で出てきた事件や事変に関して、
学生時代の日本史教科書を開いて掻い摘んでみる。

1901年の北京議定書を駐留していたことを理由に、
1937年7月、
北京郊外の盧溝橋で日中両国が衝突したことが、
盧溝橋事件である。

現地では両国間の間に停戦協定が結ばれるが、
この「事変」は、
はじめ「北支事変」ついで「支那事変」と名称を変えたが、
第1次近衛文麿内閣は不拡大方針を変更して兵力増派を決定し軍事行動を拡大して、
相互に宣戦布告はしなかったものの、
実際には全面的戦争に発展していった。

そして、
戦時下の標語を記してみようと思ったが、
あまりにも膨大な量のため、
リンク先を参照いただきたい。

産めよ殖やせよ
戦えよ国のため

この記事ではこの二つだが、
欲しがりません勝つまではは、
教科書で習った。

最近自転車盗難が多くなっていることを鑑みると、
この国自体、
貧しいんだろうなぁと思えてならない。

(盗んだ奴はとび蹴り喰らえばいいと思っている。)

戦時においても貧しくなると、
何でも盗んで換金しようとする。

その予兆でないことを祈る。


(4)今後、どうするか?    

・伊藤智永氏に関する記事をスクラップする。

・日本史の教科書や資料集は都度開き直す。

・ロシアの侵攻は他人事と思わない。


…今回も自分の勉強がてら、
まとめてみました。
  

伊藤智永氏の記事は、
以前紹介しました。

戦時中の標語が復活しそうな世相を生きていると思えてなりません。

皆さんも、
歴史を振り返ってみましょう。

歴史に学ぶことができないのが人間の性のようですから。