今回紹介する記事は
2020年8月23日付けの
 
「北海道新聞」の記事です。
  
【傾聴術に学ぶ 下 退職後 上司の感覚は抜いて】


というタイトルで、
傾聴にふさわしくない言葉や、
相手の気持ちを和らげる言葉といった小手先の技術だけでなく、
時間を楽しいものにしたいという意識を強く持つことについて、
紹介しております。


(4つの視点についてはこちらをご覧ください)

 ☆新聞記事の紹介について

(発信者が重視するテーマに関してはこちらをご覧ください)

始めに読んでほしいブログについて


(1)内容の要約

相手の話に耳をじっくりと傾ける「傾聴術」は、
まわりと円滑な対話を実現する上でも役立つという。

今回は職場をリタイアした人を例に、
専門家の助言で紹介する。

定年退職などで仕事を離れた後、
仕事も忙しいこともあって、
家族の話にきちんと耳を傾けず、
家族と向けあってこなかった人が多い。

退職後もそのままの感覚で人に接しがちになることが、
家族の話題の輪に入りにくかったり、
地域社会になじめないことの原因になることが多い。

若い人をかつての部下のように見なさず、
尊重して対話することも必要だ。

相手が学生であっても、
「さん付け」で話し掛けてみる。

そうすると、
次に出る言葉も丁寧になるという。

自分からあいさつすることも心掛けたい。

ネガティブな言い方をしないことも挙げられる。

「嫌い」と否定表現するのではなく、
「好きじゃない」「得意じゃない」「食べ慣れていない」
などと言った言いかえをする工夫が必要だ。

傾聴に詳しいNPO法人北海道総合福祉研究センターの五十嵐教行理事長に、
傾聴にふさわしくない言葉と、
相手の気持ちを和らげる言葉を挙げてもらった。

避けた方が賢明なのは、
相手に物を言わせず、
やり込めるような言葉や言い方だ。

例えば、
「言い訳はいいから」
「前にも同じことを言っただろう」
といった口調だ。

これをテニスなどの強打に例え、
「スマッシュの会話」
と表現する。

大切なのは、
相手の言葉を受け止め、
相手が答えられるような質問を投げかける
「キャッチボールの会話」だという。

スマッシュからキャッチボールへの変換、
例えば「物をなくした」と話す相手にすかさず、
「何でなくしたんだ」
と詰問するのではなく、
「そうか、
なくしちゃったのか。

ところで、
いつ、
なくしたことに気がついたの?」
と語りかければ、
相手は答えやすい。

但し、
このような対話のテクニックだけ覚えても、
相手の真意を理解したいという気持ちが無ければ、
相手に見透かされるという。

相手を理解しようとする弾む会話で、
残された時間を楽しいものにしたいという意識を持つことが大事である。


(2)なぜこの記事を切り抜いたか    

技術だけでなく、
気持ちも伴うことが大事であると指摘した記事のため。


(3)自分はどう思うか?

傾聴にふさわしくない言葉
・何やっていたの
・はっきり言いなさいよ
・いい加減にしなさいよ
・わかったってば!
・何やってもだめだね
・どうして〇〇しないの
・どうしてそんなばかなことしたの

相手の気持ちを和らげる言葉
・うまいねぇ
・すごいねぇ
・さすがだねぇ
・すてきだねぇ
・感心しちゃった
・とっても助かる
・もっと詳しく教えて

前者の言葉は、
前職退職直前に、
配置転換(という名の左遷)先にいた上司に、
毎日暴力とともに浴びせられた言葉である。
(語尾はより汚い命令形の言葉に変換されるのだが…。)

傾聴術の記事を読むと、
相手の応対で、
あぁこの人物とはこれ以上話しても無駄だな、
という諦念感情が生まれた過去の日々を思い出す。

自らの判断基準で勝手に答えを出し、
相手の話をじっくり聴かない、
否聴こうとしない。

その反面、
自分も同じことをしていたり、
そう判断されてきたのではないか、
と考えてしまう。

自らが出来損ないの愚か者というマイナス思考で生きているので、
あまり若者や年下にはこのような言葉は使わないようにしているのだが、
無意識のうちに自分が受けてきた屈辱を相手に押し付けている可能性があるためだ。

小手先のテクニックだけ覚えても、
気持ちが無ければ相手に見透かされるという感覚は、
何となくだが自分も覚えがある。

要は心だ。

言葉にしないと伝わらないのは間違いない。

されど、
美辞麗句の口先だけでは、
相手に見透かされる。

気持ちには引力がある。

その日の天候の如く、
人生は晴れる日も曇る日もあるが、
気持ちの持ちようで、
良きことも悪しきことも引き寄せることは、
最近実感している。

技術の習練は必須であろう。

加えて、
心の鍛錬も努々忘れてはならないと思う記事である。


(4)今後、どうするか?    

「傾聴」に関する記事をスクラップする。

「スマッシュの会話」から「キャッチボールの会話」に変換する努力をする。

テクニックだけでなく、
気持ちや意識を持つことを忘れない。


…今回も自分の勉強がてら、
まとめてみました。
      
「タテ社会からヨコ社会へ」という記事は、
以前紹介しました。

今回の記事は、
定年退職した人を例にした記事ですが、
もっと若い年代も知っておく必要があることも、
紹介されていました。

少しでも、
実生活に役立てたいものです。


皆さんも、
ネガティブな言い方から賢明な言葉を使うよう、
心掛けてみて下さい。

無駄な諍いでエネルギーを消費せず、
円滑な対話の実現は誰しも望むものでしょう。

自らの身を守るためにも、
傾聴術に触れてみることは悪いことではないと思われます。