今回紹介する記事は
2020年2月15日付けの
 
「朝日新聞」の記事です。
  
【冬季五輪招致 札幌の皆さん、傍観いけない】

 


というタイトルで、
編集委員稲垣康介氏が、
冬季五輪招致において、
札幌市民一人ひとりが傍観者にならず、
自らの意思表示で未来を決めるべきという警鐘を鳴らすことについて、
紹介しております。


(4つの視点についてはこちらをご覧ください)


 ☆新聞記事の紹介について 


(1)内容の要約

友人のギリシャ人記者にあきれられた。

「日本人はどれだけ五輪が好きなの?」

五輪発祥の国では、
2004年アテネ五輪後、
放置された会場群が朽ち始めている。

日本では東京五輪もまだなのに、
10年後への布石が着々と打たれていく。

1月11日、
札幌市の秋元克広市長がIスイスの国際オリンピック委員会(IOC)本部を訪れ、
トーマス・バッハ会長に2030年冬季五輪招致への意欲を伝えた。

会長は札幌をべた褒めした。

前のめりなのは、
むしろIOC会長なんだと確信した。

東京五輪招致で先頭に立った竹田恒和・元IOC委員が、
贈賄の疑いで今も捜査対象になっていることなんて、
記憶の片隅にも無いようだ。

2030年大会への本気度で、
札幌を上回る都市は今、
見当たらない。

IOCは昨年、
五輪憲章の
「開催地決定は原則7年前」という規定を削除した。

巨額の開発費を負担してまで五輪を呼びたい都市は減ったため、
有力都市が関心を示せば翻意しないうちに決めてしまえという、
IOCの必死さがにじむ。

札幌市の計画が知りたくて、
北の大地に飛んだ。

反面教師は東京だ。

国立競技場建て替えの白紙撤回をはじめ、
招致時の甘さを見過ごした気象として汚名返上がかかる。

市の担当課を訪ねると、
新設する競技会場はゼロで、
1972年札幌冬季五輪の施設を再活用するという。

スピードスケートは帯広、
そりは長野など、
賄えない分は他都市に協力を仰ぐという。

選手村は既存のホテルも利用する分村を検討中。

五輪精神の根幹を揺らぐ気もするが、
IOCは了解済みという。

しかし、
予算は国内スポンサー収入などで全額を賄い、
札幌市の負担は400億~600億円で収まるという試算は、
バラ色過ぎる青写真に思えてしまう。

札幌は冬季五輪を開く基礎体力では、
世界屈指だと思う。

今回打ち出す開催理念の一つが、
1972年大会のレガシーの活用である。

当時の会場群は老朽化が目立つ。

持続可能な活用を考えたら、
化粧直しの時期を迎えている。

一方で、
約200万人が暮らす街は今後、
急激な高齢化などの社会課題に直面するなど、
前回とは時代状況が違う。

意外なという軽を知った。

札幌市民で年に1回以上、
氷雪競技をした成人の割合は、
11.8%にすぎない。

ウインタースポーツは、
必ずしも市民に身近ではないのだ。

氷雪競技の人口が先細りする中、
北海道がその経典となる覚悟で、
起爆剤にするのか。

それとも、
壮大な夢は追わず、
市民の日々の暮らしに直結する施策を優先するのか。

札幌市は年内にも市民アンケートで、
招致の安否を問う。

札幌市の皆さん、
IOCは地元の支持率を中止する。

今なら市民の意思表示で未来を決められる。

傍観していたら、
どんどん外堀は埋まるだろう。


(2)なぜこの記事を切り抜いたか    

五輪開催は市長の意思ではなく、
市民の意思表示で決まるという記事のため。


(3)自分はどう思うか?

約半年前、
ラジオにおいて、
札幌に五輪招致させ、
自分達が味わった1972年の若かりし感動を今の若者に味わってほしい、
と喧伝していたことを思い出す。

巨額の開催費を負担し、
負の遺産が放置される五輪開催に手を挙げる都市は減っているのが、

世界の潮流であるにもかかわらずである。

初めは安くなると吹聴し、
結局多額になる自治体負担費用が、
反面教師東京を見ると容易に想像できる。

そのお金は誰が負担するかというと、
札幌市民である。

1972年大会の会場施設をそのまま使うと言うが、
当該施設の老朽化の酷さは、
トイレ一つをとっても市民が、
痛いほど知っているであろう。

札幌市民で年に1回以上、
氷雪競技をした成人の割合は、
約1割にすぎないという、
市民に身近ではないことがデータとして証明されたことに、
驚いた。

確かに冬にスポーツをするなら、
体育館での室内競技か、
雪道をジョギングする方を選択する自分はズレていると思っていたが、
そうでもないと根拠があるのはありがたい。

五輪に計上する予算があるのであれば、
清田区に地下鉄を延伸させたり、

隣接市との間で半端に分断されているサイクリングロードをつなげることに、

使うべきだと強く思っている。


(4)今後、どうするか?    

五輪賛否報道に乗っからない。

バラ色過ぎる青写真ほど信用しない。

印象だけでなく、
根拠とデータを添えた主張を信じる。


…今回も自分の勉強がてら、
まとめてみました。
 
札幌五輪反対を訴える記事
に関しては、
以前紹介しました。

五輪招致のために、
新型コロナウイルス対応判断を誤り、
感染経路すら把握できない野戦病院化させた東京都を反面教師にすれば、
五輪招致など愚の骨頂であります。


皆さんも、
何となくの印象で決めず、
根拠とデータを揃えて、
自分の意思を示しましょう。

起爆剤のような言葉に踊らされず、
日々の暮らしに直結する施策を支援してほしいです。