太陽光の「オフサイトPPA」、各プレーヤーの収益性や今後の普及課題が明らかに |  NPO法人日本住宅性能検査協会 建築・不動産ADR総合研究所(AAI)

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オフサイトPPA、各プレーヤーの収益性(2023年1月・10月運開案件比較)

需要家」「発電事業者」「小売事業者」、オフサイトPPAにおける各プレーヤーの収益性が明らかになった。太陽光発電協会とEPIコンサルティングが、オフサイトPPAの実態調査を実施し、普及に向けた提言を取りまとめた。

 

2024年07月19日

 

2023年1月運開案件

  • 発電事業者
    • 発電コスト:10.5円/kWh(補助金適用後7.0円/kWh)
    • 売電単価:10.9円/kWh
    • マージン:2.9円/kWh
  • 小売事業者
    • 買電単価:10.9円/kWh
    • 送電ロス:0.4円/kWh
    • 発電インバランス:1.0円/kWh
    • 託送費:5.9円/kWh
    • 小売単価:21.6円/kWh
    • マージン:3.4円/kWh
  • 需要家(高圧需要家)
    • 小売単価:21.6円/kWh
    • 旧一電標準料金:25.5円/kWh
    • コストメリット:3.9円/kWh(環境価値含まず)

2023年10月運開案件

  • 発電事業者
    • 発電コスト:10.4円/kWh
    • 売電単価:14.0円/kWh
    • マージン:3.6円/kWh
  • 小売事業者
    • 買電単価:14.0円/kWh
    • 送電ロス:0.4円/kWh
    • 発電インバランス:1.0円/kWh
    • 託送費:5.9円/kWh
    • 小売単価:24.1円/kWh
    • マージン:4.1円/kWh
  • 需要家(高圧需要家)
    • 小売単価:24.1円/kWh
    • 旧一電標準料金:19.1円/kWh
    • コストメリット:**-**円/kWh(環境価値含まず)

ポイント

  • 2023年1月運開案件では、需要家は旧一電の標準料金と比較し、環境価値を含めなくても3.9円/kWhのコストメリットを得ていた。
  • 2023年10月運開案件では、燃料価格下落の影響を受け、需要家がコストメリットを得るためには環境価値の算定が必要、または燃料価格が一定以上に高騰する必要がある。
  • いずれの案件においても、補助金が投入されることで、発電事業者、小売事業者、需要家の全事業者で計10円/kWhを超えるマージンやコストメリットが得られている。

考察

オフサイトPPAは、発電事業者、小売事業者、需要家にとってそれぞれメリットのあるスキームであることが調査結果から明らかになりました。特に、需要家にとっては、電気料金の変動リスクをヘッジできる点が大きなメリットとなります。

今後も、オフサイトPPAの普及に向けた政策支援や、制度設計の改善などが期待されます。

参考資料

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