No.84 外国人と空き家のマッチングによる課題解決 |  NPO法人日本住宅性能検査協会 建築・不動産ADR総合研究所(AAI)

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No.84

 

                外国人が日本の空き家を活用

 

野村総合研究所は、空き家の数は1100万軒以上になり、2033年には、日本の住宅の30%を超える可能性があると予測しています。空き家問題は、地域社会や経済に深刻な影響を及ぼしています。そのなかに興味深い傾向が見られます。外国人が日本の空き家に関心を寄せ、その利用を通じて問題の解決に貢献しています。

 

===外国人による空き家利用の増加===

外国人観光客や外国からの移住者の数が着実に増えています。この両者の動きが重なり、外国人による空き家の利用が注目されるようになっています。

 

昨年、米カリフォルニア出身のタケ・クロサワさんとカナダ出身のジョセフ・ストッカマンズさんは、大分県別府市で築47年の一軒家の空き家を手に入れました。2階建ての5DKで、約600万円で取得できたとのことです。

 

タケさんは、日本の家に興味を持つきっかけとして、インスタグラムの「Cheap Houses Japan」を挙げています。大学時代を日本で過ごした友人のジョセフさんと共に物件探しを始めました。治安の良さや暮らしやすさなど、日本での生活経験を活かして、最終的に別府を選びました。物件を実際に見に行く代わりにZoomを活用し、遠隔で部屋の状態などを確認し、円滑な取引を実現できたとのことです。

 

しかし、築50年近い住宅に暮らすことは容易ではありませんでした。ジョセフさんは、最初に家を訪れた際にはショックを受けたと語っています。古くて床がベコベコであり、窓を開けると隣の家が近い状態であったとのことです。

 

しかし、ホテルに戻って深呼吸をし、やるべきことを整理すると、落ち着いたとのことです。大規模なリフォームを行い、和室をキッチンとつなげたり、インテリアにこだわったりしています。リフォーム代は購入金額と同額程度に膨れ上がりそうですが、マイホームを手に入れた喜びは計り知れません。

 

===外国人と空き家のマッチングによる課題解決===

外国人による日本の空き家利用は、空き家問題の解決に向けた新たな展開を示しています。

 

外国人が日本の空き家を利用することで、その地域に新たな人口が流入し、地元の商店やサービス業にも活気が生まれます。

 

地域経済が活性化し、豊かになることが期待されます。さらに、異文化の交流が促進され、地域社会が多様性に富んだ魅力的な場所として発展する可能性があります。

 

 政府や地域自治体、そして地元住民と外国人が協力し合うことで、より持続可能な解決策が見出されることでしょう。外国人による日本の空き家活用の成功事例は、他の外国人にも日本での生活を模索するきっかけとなります。

 

タケ・クロサワさんとジョセフ・ストッカマンズさんのように、日本の空き家を手に入れ、リモートワークや地域社会への貢献を通じて新たな暮らしを築く姿が、これからも増えることが期待されます。

 

執筆:日本住宅性能検査協会 研究員 秋山将人

 

 

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