マンションやアパート空き家率16.7% 500万戸超え半数に 建て替えの障害に |  NPO法人日本住宅性能検査協会 建築・不動産ADR総合研究所(AAI)

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総務省調査:マンション空き家、500万戸超え半数に

 

調査結果

  • 2023年10月時点、全国の空き家は899万5200戸
  • うち、マンション・アパートなどの共同住宅は502万3500戸で過半数
  • 共同住宅全体の16.7%が空き家状態
  • 内訳:賃貸用394万1100戸、売却用12万9000戸、使用目的未定等84万6800戸
  • 5年前と比べて空き家共同住宅は8.6%増加、20年前と比べると1.6倍増加

問題点

  • 高齢者孤独死後の所有者不明問題
  • 管理費・修繕積立金滞納によるマンション運営資金不足
  • 老朽化による建物の劣化:鉄筋露出、外壁剥落等による周辺住民への危険
  • 大規模修繕・建て替えの合意形成困難

行政の取り組み

  • 管理状況の把握:名古屋市(22年より管理状況届け出義務化)、神戸市(21年より任意届け出制度導入)
  • 管理改善支援:横浜市(18年より管理士・建築士派遣事業)
  • 危険空き家対策:「空き家対策特別措置法」(15年施行)に基づき、自治体が指導・勧告
  • マンション管理適正化法改正(22年施行):自治体が管理不全マンション所有者へ助言・指導・勧告

課題

  • 所有者財産権への配慮から、勧告以上の措置取りにくい
  • 合意形成のハードルが高い

政府の方策

  • 建て替え規制緩和
  • 管理組合機能強化

その他

  • 老朽化マンションは今後3.5倍に増加予定
  • 空き家問題は今後さらに深刻化が懸念される

今後の展望

マンション空き家問題は、所有者、居住者、行政が協力して解決していく必要があります。所有者には、空き家を放置せず、適切に管理すること、必要に応じて売却や賃貸することなどが求められます。居住者には、空き家に関する情報を積極的に収集し、問題解決に向けた取り組みを支援していくことが重要です。行政には、空き家に関する法制度の整備や、所有者・居住者への支援体制の充実などが求められます。

これらの取り組みを通じて、マンション空き家問題を解決し、安全で快適な住環境を実現していくことが重要です。

 

マンションやアパート空き家率16.7% 建て替えの障害に

 

日経新聞

・・・

総務省が30日に発表した住宅・土地統計調査はマンションやアパートでも空き家が増えている実態を浮き彫りにした。居住者がいない物件の増加は大規模な修繕や解体に必要な住人の合意形成を難しくする。老朽化する建物が増えるのを見据えて規制緩和などの必要性が高まる。

 

2023年10月時点を対象とする今回の調査で、全国の空き家899万5200戸のうちマンションやアパートなどの共同住宅は502万3500戸と過半を占めた。全国にある共同住宅の総戸数のうち16.7%が空き家という計算になる。

 

内訳をみると賃貸用が394万1100戸、売却用は12万9000戸だった。使用目的がなく放置されていたり相続後に誰も住んでいなかったりする共同住宅は84万6800戸だった。18年の調査では77万9600戸で、5年間で8.6%増えた。20年前と比べると1.6倍になった。

 

マンションで空き家が増えると様々な問題が生じうる。たとえば高齢者が孤独死した後に所有者が分からない事案が起きると、居住者の合意形成が求められる大規模な修繕や建て替えが円滑に進まなくなる可能性がある。

 

空き家で管理費や修繕積立金などを支払っていないケースではマンションが必要な資金を計画通りに積み立てられなくなる。

 

マンション空き家問題がここにきて深刻さを増すのは古い建物が増えているためだ。全国でおよそ125万戸ある築40年超のマンションは20年後には3.5倍に膨らむ見通しだ。

 

老朽化したマンションを放置しておくと周辺へ悪影響を及ぼしかねない。劣化によって鉄筋が露出したり外壁が剥落したりすると周辺の住民や通行人がケガをする恐れがある。

 

地方自治体は管理状況に関する実態把握を急いでいる。名古屋市は22年からマンションの管理者に対して管理状況の届け出を義務づけた。

 

購入予定者が管理状況を確認する仕組みもある。神戸市が21年に導入した任意の届け出制度で、管理組合が開示に同意すれば可能となる。

 

横浜市では管理が行き届いていない建物にマンション管理士や建築士ら専門家を派遣する事業を18年に始めた。管理組合の発足や規約の見直しなどにつなげている。

 

15年に施行された「空き家対策特別措置法」は倒壊する恐れがある危険な空き家を対象に、自治体が指導や勧告をして改善を求めることができる。空き家対策の切り札と位置づけられる。

 

国土交通省によると、これまでに指導や勧告など措置の対象となったのは4万件。命令に従わなければ、解体する権限もある。マンションを含む共同住宅にも適用できるものの、実績は少ない。同法が想定するのは全部屋が空室となった物件で、一部が空き家になった共同住宅には適用しにくい面がある。

 

政府は「マンション管理適正化法」を改正し、22年からは自治体が管理不全マンションの所有者に助言や指導、勧告できる仕組みをつくった。それでも「実績は現時点で少数」にとどまると国交省の担当者は話す。所有者の財産権への配慮から勧告よりも重い措置はとりにくく、実効性の確保が課題になっている。

 

同じマンションに住んでいても居住者の年齢層や世帯構成はバラバラだ。住まいに求める機能や将来像も人によって異なる。政府は合意形成のハードルを下げるために建て替えなどに関する規制緩和や管理組合の機能強化といった方策を進めている。

 

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