ペロブスカイト太陽電池をFITで需要喚起、経産省方針
FIT・FIP屋根設置区分に「畜舎」も対象に
2023/12/28
積水化学工業が試作したペロブスカイト太陽電池
(出所:積水化学工業)
経済産業省は12月26日、固定価格買取制度(FIT)など運用を検討する調達価格等算定委員会を開催
2025年度の太陽光発電の調達価格・基準価格
- 事業用(入札対象外):9.2円/kWh(据え置き)
- 低圧事業用(10kW~50kW):10円/kWh(据え置き)
- 屋根設置:12円/kWh(据え置き)
- 住宅用:16円/kWh(据え置き)
新たな買取区分
- ペロブスカイト太陽電池
屋根設置区分の対象拡大
- 畜舎(畜舎特例法で認定された「A構造畜舎等」)
まとめ
・2025年度の太陽光発電の調達価格・基準価格は、いずれも据え置きとなった。 ・新たな買取区分として、ペロブスカイト太陽電池が検討されることになった。 ・屋根設置区分の対象に、畜舎が追加されることになった。
元記事 金子憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ
経済産業省は12月26日、固定価格買取制度(FIT)など運用を検討する調達価格等算定委員会を開催し、2025年度の事業用太陽光発電(入札対象外)・住宅用太陽光発電の調達価格、新たな発電設備区分などに関して討議した。
2025年度の調達価格・基準価格は据え置きの方向を示すとともに、次世代太陽光として開発が進むペロブスカイト太陽電池を対象にした買取区分創設を検討するとした。
2025年度の調達価格(フィード・イン・プレミアム=FIPでは基準価格)については、算定基準となる諸費用、設備利用率のいずれも2024年度・調達価格の想定値を据え置いた。このため事業用、住宅用とも2025年度の価格は、2024年度と同様、事業用の入札対象外は9.2円/kWh、低圧事業用(10kW~50kW)は10円/kWh(地域活用要件、営農型要件あり)、屋根設置は12円/kWh、住宅用は16円/kWhのままとなる可能性が高く、FIT開始以来、初めて全区分が据え置きとなりそうだ。
なお、2024年度の入札制度(対象、募集回数・容量、上限価格など)、2024年度の低圧事業用の地域活用用要件については、別日の委員会で検討される。
また、新たな買取区分として、次世代太陽光として開発が進むペロブスカイト太陽電池による発電設備を挙げ、検討に着手するとした。
同電池は、政府のGX実行戦略のなかで、「2025年からの事業化を見据え、2020年代年央に100MW/年規模、2030年を待たずにGW級の量産体制を構築することを前提に導入支援策を検討する」としていた。
ペロブスカイト太陽電池は、軽量なことから、従来設置が進んでいなかった耐荷重の低い⼯場屋根、ビル壁⾯などへの搭載が期待されている。FITによる買取で支援することで、オンサイトPPAでの採用が急増する可能性がある。
また、屋根設置区分に新たに畜舎が加えられた。同区分では、建築基準法に基づく検査済証の写しの提出を求めているため、建築基準法に適応しない畜舎は、対象外だった。
今回、畜舎特例法で認定された畜舎のうち、「A構造畜舎等」については、建築基準法と同等の技術基準を満たしていることから、屋根に設置する太陽光発電設備についてFIT・FIP制度における屋根設置太陽光区分の対象に含む、との方向性が示された。
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