PXP、「曲がる太陽電池」の量産パイロットライン
量産技術パイロットライン
(出所:PXP)
PXPのフレキシブル太陽電池のパイロットラインに関するポイント
- 2024年1月に完成
- ペロブスカイトとカルコパイライト系薄膜太陽電池のタンデム構造を用いる
- パイロットラインでは、カルコパイライト系薄膜太陽電池を量産化する
- 極薄の金属箔基板を用いる新製法を用いる
- 従来法と比べて5倍以上の生産速度が見込まれる
- 製造設備がコンパクトになり、設備投資が従来法の3分の1以下に削減される見込み
- 製造キャパシティは非公表だが、潜在ユーザーにサンプル配布するのに十分な能力を備える
- 変換効率18%程度のサンプルを作成できるよう立ち上げ調整していく予定
- 製造コストについても非開示だが、市販のフレキシブル太陽光パネルより大幅に安く作れる
具体的な技術革新
- 極薄の金属箔基板を用いることで、加熱・冷却が迅速になり、アニールプロセスにおける時間を短縮した
- 工程数を削減し、常圧と真空を交互に繰り返す複雑なプロセスを排除した
- 製造プロセスに特殊材料ガスや、カドミウムを含む化学溶液や有機溶剤などの有害材料を使用しないため、安全設備や除害設備なども削減できる
今後の展望
- 第一段階として変換効率18%程度のサンプルを作成できるよう立ち上げ調整していく
- 製造コストについても非開示だが、市販のフレキシブル太陽光パネルより大幅に安く作れる
このパイロットラインの完成により、PXPはフレキシブル太陽電池の量産化に向けた大きな一歩を踏み出したと言えます。今後、変換効率や製造コストのさらなる向上が期待されます。
元記事(2024.1.11)
フレキシブル(柔軟性のある)薄膜系太陽電池の開発を手掛けるベンチャー企業であるPXP(神奈川県相模原市)は1月5日、薄膜系太陽電池の量産技術検証のためのパイロットラインが完成し、2024年から稼働したと発表した。
同社は、ペロブスカイトとカルコパイライト系薄膜太陽電池のタンデム(積層)構造を用いた「曲がる太陽電池」を研究開発している。今回完成したパイロットラインでは、まずはボトムセル(発電素子)となるカルコパイライト系薄膜太陽電池を量産化する。これまで直径8cmの円筒に巻き付けた状態での動作実績があるという。
パイロットラインでは、極薄の金属箔基板上に、量産性に優れるスパッタ法をベースとした新製法を用いる。熱容量の極めて小さい薄膜金属箔基板を用いることで、加熱・冷却が迅速になり、アニールプロセスにおける時間を短縮した。工程数を削減するとともに、常圧と真空を交互に繰り返す複雑なプロセスを排除し、一気通貫で製造できるプロセスを採用した。従来法と比べて5倍以上の生産速度が見込まれる。
また、製造設備がコンパクトになったことで、スペースを大幅に削減し量産工場の建屋サイズもコンパクトにできる。製造プロセスに特殊材料ガスや、カドミウムを含む化学溶液や有機溶剤などの有害材料を使用しないため、安全設備や除害設備なども削減できる。これらにより、設備投資が従来法の3分の1以下に削減されると見込まれる。
製造キャパシティは非公表だが、潜在ユーザーにサンプル配布するのに十分な能力を備えるという。今後、第一段階として変換効率18%程度のサンプルを作成できるよう立ち上げ調整していく予定。製造コストについても非開示だが、現在かなり割高となっている市販のフレキシブル太陽光パネルより大幅に安く作れると説明している。
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