処分事例: 隣地住人からのクレームが予想される用途であることについての説明不備 |  NPO法人日本住宅性能検査協会 建築・不動産ADR総合研究所(AAI)

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処分事例
隣地住人からのクレームが予想される用途であることについての説明不備
     

《要旨》
 自動車塗装工場を建てる目的で土地を購入した買主が、隣人の同意が得られず建物建築を断念せざるを得なくなり、媒介業者が18日間の業務停止とされた。

 

(1)事実関係
 Xは、業者Yの媒介で、自動車の塗装工場を建築する目的で土地を買い受けた。シンナー等の薬品を使うため住宅の密集していない地域を希望し、ようやく契約に至ったが、所有権移転登記後、隣接住民に挨拶に行くと、Yからの事前の説明など一切されておらず、シンナーの臭いは出さないことなど、一方的な条件をつけられてしまった。契約前にYは、「大丈夫、問題はない」といっていたので、Xが確認すると、それは「建築法令上は問題がないという意味だ」とYは返答した。

(2)事情聴取
 行政庁で、Yに事情を聴いたところ、Yは、事実を認め、上記のほか、取引主任者の資格のない従業員が重要事項説明を行い、その従業員はその当時従業者名簿に登載されていなかったこと、Xによる本件土地の売却の媒介業務において、Yは、指定流通機構が発行した登録済証を交付せず、業務の処理状況の報告もしていないことが判明した。

 

(3)処 分
 行政庁は、Yは、取引主任者の資格のない者に重要事項説明を行わせ、その者は当時従業員名簿にも登載されていなかった、Xは自動車塗装工場を建てる目的で土地を購入したが、隣人の同意が得られず断念せざるを得なくなった、XはYと専任媒介契約を締結し当該土地等の売却を依頼したが、Yは指定流通機構が発行した登録済証の交付をせず、2週間に1度の報告をしなかったとして、Yを18日間の業務停止処分とした。

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