賃貸経営シリーズ
<入居者が転落死した賃貸住宅の家主に賠償命令>
福岡高等裁判所は、入居者が窓から転落死した賃貸住宅の家主に、約350万円の損害賠償を命じる判決を下した。窓に手すりがない
事故が起こった賃貸住宅は、1973年に完成した木造2階建ての
入居者は50歳の女性で、2002年11月、2階で窓の外に洗濯
洗濯物を干すには物干し竿まで身を乗り出す必要があったが、窓に
福岡高裁は判決で、窓には民法上の瑕疵があったと認定した。
さらに、家主が入居者の洗濯物の干し方を知りながら手すりを設置
その一方で福岡高裁は、入居者にも過失があったことを理由に、家主が支払う損害賠償の金額を請求額の1割に抑えた。
身を乗り出さないと洗濯物を干せなかったそもそもの原因は、竿を受ける金具の不具合だ。にもかかわらず、入居者が金具を修理
家主側は、窓の腰壁の高さが床から約73cmあることを理由に、手すりはなくても窓は安全だと主張していた。
福岡高裁は判決で、建築基準法は窓の腰壁の高さを規定していない
この考えに基づいて約73cmという高さ自体の危険性は否定した
05年に福岡地方裁判所小倉支部が下した一審判決は、住宅の完成から30年近く転落事故がなかったことなどを理由に、入居者の遺族の訴えを棄却した。そのため遺族側が控訴していた。