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原状回復特約は無効か

貸家契約でも特約で約定したら有効なのでしょうか。特約すること自体は、契約自由の原則上有効です。本来は、「特約」も約定(契約)の一つに過ぎません。その約定のうち、「特約」とは、当事者間で特別に約束するとしたものに過ぎないのです。しかし、特約として約定したら全て有効なのでしょうか。この敷金清算についても、当事者間の「特約」をもって対処しようとされる賃貸人の方は、今も少なくありません。その典型的な例が、いわゆる「原状回復」特約でしょう。帰責の有無にかかわらずリフォームやハウスクリーニングの各代金のその他の原状回復費用の全額を賃借人に負担させる特約です。このような(前述もしました)「原状回復」ということば通りの原状(成約当初)への回復を求める全面的(完全)原状回復特約もあり得るのです。しかし現在は、その種の特約は、契約書に記載され、当事者が判を押したとしても、それは不当条項として消費者契約法や暴利行為として民法によりその効力が否定される傾向がますます強くなっています(消費者契約法910条、民法90条等、大阪高判平151121、京都地判平16611等)。都の新ルールも「特約はすべて認められる訳ではなく、内容によっては無効とされること」がある旨を明らかにしています(都モデル説明書A12)。

 本質を原則として「損害賠償」の問題としてとらえるので、その例外である「原状回復特約」は、例外は限定して認めるべきなので、容易には認めがたいということです。

 実際にも、この種の不当とされる原状回復特約は、賃貸人側もいわば「駄目元(もと)」的に入れているようです。賃貸人側は、この種の特約を約定させ、素直にその約定通りと認める賃借人からはそのまま取立て、他方、その約定に苦情等を申し立てる賃借人には、その請求を引っ込めているのが実態です。

 
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