ちょっとさかのぼりまして。
待ち合わせの駅にいくためにバスに乗り込みました。
乗ってすぐの席が優先座席だったのですが、人が少なかったのでそこに座りました。
だんだん混んできたのですが、ふと顔を上げると、今乗り込んできた人が白杖を持ってすぐそばに立っていました。

白状をお待ちでなければ視覚障害の方とはわかりませんでした。(でもふと思ったのですが、白状なしで目の見えない方だということが見た目でわかる場合ってあんまりないのではと)

優先座席に座っていたからと言うわけでは無いのですが、職業柄反射的に立ち上がり、声をかけました。
「座られますか?」と尋ねると、
「席が空いているのですか?」とおっしゃられました。
空いているかどうかわからずに、いつもバスで立っているのだろうかと疑問に思いました。
つまり同行の人はいないと言う事ですね。
私は席を譲るために立ち上がったので、
「はい」と答え、私が座っていた席をお伝えしようと思って、はたと考えました。
相手の方は席が空いているか否かがわからなかったのです。という事は弱視ではなく全盲なのではないかと。本当のところはわかりませんが。

そうするとどうやって私が座っていた席を伝えればいいのか?
しかし悩む間もなく相手の方は白杖で探りながら進み出しました。
私はとっさに「ここ!」とつぶやいてしまいました。


絶対伝わらねぇ。


仕事中は事前に準備をしているので、鈴などの音の鳴るものを用意して方向をお伝えしたり、3時の方向と言ったりするのですが、相手は既に向きをかえておられ、最初の向きからすると3時の方向だけど今は12時の方向と私の脳内はわけわからなくなってしまいました。
そして最も役に立たないセリフが出てしまったと言うわけです。
まぁ多分相手の方は実は弱視だったか、視野が狭い障害だったか、もしくは私の声が最初にした方向で伝わったのか。

私がふにゃふにゃしている数秒の間に、座ることができていました。

私はつい気になって、駅に着いてバスを降りた後もその方の後ろを歩いていました。

そこでこの駅のふがいなさに気づいたのです。

点字ブロックに沿ってその方は歩いていました。

しかし、点字ブロックは歩道に沿って続いており、駅の手前の場所に種類の違うブロックがはまっているものの、そこから駅の階段へは点字ブロックは何もありません。

どうやって駅にたどり着くんじゃ!

と思わず心の中で叫んでしまいました。

しかし、白杖の方は1人で外出されるだけあって駅の方向は把握されてるようでした。

ところが

最近駅の階段横にレンタルバイクが並べられているのです。

その方はレンタルバイク(自転車)に向かって歩いて行っていました。そのままだと自転車と自転車の間にがしゃんと行ってしまいます。

私はまた声をかけてしまいました

「自転車が止まっています!」

その方はわかっていますとか何とかつぶやかれたのですが、白杖は自転車にがつんとぶつかってしまいました。

まぁ白杖があるから、1人で外出される位だから、私が伝えなくても大丈夫だったのだろうと思うのですが。

しかし後から思うと私って、ストーカーみたいだったわと恥ずかしくなってしまいました。

余計なお世話様だったかもしれないなぁ。