昨日の夕飯はアメリカ軍の戦闘糧食「MRE(Meal ready to eatの略らしい)」いわゆる「レーション」をいただきました。

 パッケージはこんな感じ、けっこう厚めのビニールバッグ。で、中身はというと

 メインは二種類、ビーフタコスフィリングとサンタフェスタイルのライス&ビーンズ。

 その他トルティーヤ、チーズスプレッド、ナッツとレーズン、オレンジジュース。

 主食からデザートまで一そろい。

 メインの二品はヒートバッグに入れて温める方式。

 バッグに少量の水を入れると内部のシートが化学反応を起こして熱を発する仕掛けのようだ。

 

 他にもお手拭きやコーヒー、ミルク、砂糖、ガム、そして用途不明ながら紙マッチもついていた。煙草を吸う人向けかな。

 

 メインの中身はこんな感じ。左がタコス、右がサンタフェなんちゃら。

 味は息子いわく「思っていたよりずっとおいしい」。確かに、一般に売られているレトルト食品と変わらないレベルでした。タコスは日本のタコスミートとは少しスパイスが違う。サンタフェなんちゃらは、その名の通り豆と米とコーンをチーズ風味のソースで煮たもので、特にうまい!というのではないが後を引く味。

 さすが現代、戦闘糧食でも栄養価や成分表は欠かせない。実際、こういうデータを気にしながら戦闘の合間にこいつを食べる兵士はいるのだろうか。

 トルティーヤは写真を撮り忘れたが、しっとりしていてけっこう本格的だった。長期保存(賞味期限は製造から5年)を考えると、クラッカーやビスケットのような乾燥したものの方が安心なのだが、そこは「タコスにはトルティーヤでしょ」というこだわりを感じる。

 

 大岡昇平の『俘虜記』に米軍の「Cレーション」が出てくるのだが、その中身は「ビスケットとコーヒーの詰め合わせと、肉や鳥の缶詰と二個一組のもの」で、今とはだいぶ違う。しかし私はこのくだりを読んだとき、補給が途絶した状態の日本兵と比べて米軍の兵隊はずいぶんといいもん食ってるなあ、と感心した。

 

 今回、MREを食べたことで、捕虜時代の大岡昇平に少しだけ近づけたような気がした。